AUDIOANALOGUE VERDI ROSSINI MUSICAL FEDELITY A3.5 オーディオアナログ ベルディ ロッシーニ ミュージカルフィディリティー A3.5 音質 比較テスト

AUDIO ANALOGUE(オーディオアナログ)
ROSSINI CDP ・ VERDI SETTANTA

MUSICAL FIDELITY
A3.5 CD ・ A3.5 プリメインアンプ

音質比較

AUDIO ANALOGUE
ROSSINI CDP
 希望小売価格 260,400円 (税込価格)
生産完了しました
AUDIO ANALOGUE
VERDI SETTANTA
希望小売価格 260,400円 (税込価格)
生産完了しました

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2005年11月、真空管 6DJ8を使ったハイブリッドCDプレーヤー“ロッシーニCDP”が新登場。

トロイダルトランス、CDメカ、メイン基板、電源基板と、4つのパートに分かれたディスクリート構成の回路を採用し、互いの影響を受けない配置になっています。ディスプレイパネルにはPLEDドットマトリックス液晶パネルを採用。最高級のパッシブコンポーネントを搭載。など、真空管の採用だけではなくあらゆるパーツを見直し、品質向上につなげました。10mm厚の非常に美しいアルミニュウムのフロントパネルと、小さくスタイリッシュな「小型プッシュつまみ」の採用で、質感スタイル共に非常に優れた製品です。

2005年11月、真空管 6DJ8を使ったハイブリッド・インテグレーテッドアンプ、“ヴェルディ・セタンタ”が新登場。

10mm厚の非常に美しいアルミニュウムのフロントパネルと、小さくスタイリッシュな「小型プッシュつまみ」の採用で、質感スタイル共に非常に優れた製品です。フロントパネルだけでなく、シャシーにも高剛性アルミが採用され、一段と高級感をアップ。従来の輸入品の感覚なら40〜50万円くらいしてもおかしくないくらい仕上げは抜群。

スピーカー出力端子はハイグレードなものを採用し、これによりしっかりとした固定が可能になりました。フォノイコライザーを標準装備とし、MM/MCの切り替えも可能です。

音質評価 (仲嶋)

出力段に真空管を使用したCDプレーヤー。
ナチュラルで癖を感じさせるところもなく、素直な音質。
以前のモデルPAGANINIも自然な音質でお薦め出来る音質でしたが、
ROSSINI CDPとなって更に音楽の艶が感じられる様になって空間の透明度も増した印象。
電源投入後しばらくして真空管が暖まってきてからは更に質感が向上し、魅力的な再生音となりました。

AUDIO ANALOGUEの製品らしく、音質は非常にナチュラルです。
以前の製品で言えばPUCCINI RE SEの音質に似た印象で微妙に
明るく感じなくもない中高域にドッシリと少し重ための低音域といった
バランスですが、気になる程のことはなく、違和感も感じません。
力強さがあるのでスピーカーをしっかりドライブしている印象で好感触でした

MUSICAL FIDELITY
A3.5 CDP

 希望小売価格 228,000円 (税別価格)
MUSICAL FIDELITY
A3.5 INTEGRATED
希望小売価格 228,000円 (税別価格)
生産完了 生産完了

ミュージカルフィディリティー A.3.5CD 仕様

■DAC構造 24bit/96kHz アップサンプリング
■周波数特性 10-20000Hz±0.2dB
■S/N比 115dB以上
■歪み率 0.006パーセント以下(10-20000Hz)
■トータル関連ジッター 170ps以下
■リニアリティ 0.1dB以下
■デジタルアウトプットレベル 2.14VRMS(1KHz)
■出力 RCA.同軸.光
■電源 100V 50/60MHz 消費電力 15W
■サイズ 440(W)x100(H)x395(D)mm 10Kg

ミュージカルフィディリティー A.3.5インテグレイテッド 仕様

■入力系統 4 (CD/TUNER/AUX/TAPE) 1 ダイレクト
■入力感度 282mV
■入力インピーダンス 10kオーム
■S/N比 100dB以上
■出力 150W+150W(8オーム) 240W+240W(4オーム)
■チャンネルセパレーション >82dB
■周波数特性 20Hz to 20kHz, +0, -0.2dB
■電圧 100V(50/60MHz)消費電力 450W最大
■サイズ 440(W)x100(H)x395(D)mm/15Kg
■付属 リモコン 電源ケーブル

音質評価 (仲嶋)

音の輪郭がハッキリしていて、エネルギー感も感じられ密度の濃い音質。

色彩にコントラストの広さが感じられ鮮やかで生き生きとした印象。

やや派手さを感じるところもありますが、実在感もあり嫌味にはならないと思います。

色彩的なコントラストを欲張らずに中間色の微妙な再現を重視したAUDIO ANALOGUE ROSSINI CDPのナチュラルで穏やかな再現性とは対象的に鮮やかで躍動的な音質です。

A−3.5CDと対をなすアンプだけに同傾向の感触の音質ですが、A−3.5CDの様な派手さはなく素直でシッカリとした印象。

色彩的コントラストの高さ、密度感は感じられ、ダイナミックな印象も感じられます。

音質比較 (仲嶋)

AUDIO ANALOGUE VERDI SETTANTA+ROSSINI CDPと MUSICAL FIDELITY A-3.5CD+A-3.5の比較では、AUDIO ANALOGUEのやや軟調で中間階調の再現が良い優しいポートレイト的な印象の音質に対して、MUSICAL FIDELITYは少し硬調の綺麗な風景写真の様な印象です。

基本的なクォリティーでは甲乙付けがたく、好みによる部分が大きいのではないかと思います。

音質評価 (清原)

MUSICAL FIDELITY A3.5 CDP + A3.5 INTEGRATED

ミュージカルフィディリティーらしい、優しさと新世代のCDらしい音の細やかさと透明感の高さが

好評だった、A.3.2シリーズの新型です。

A3.5 CDPとA3.5 INTEGRATEDの組合せで、1号館の新試聴室でPIONEER S-1EXで試聴しました。

一聴した瞬間に、MUSICAL FEDELITYらしい色彩感と透明感に富む音が耳に入り、非常に心地よく聞こえます。

明るめの、色の濃い、写実派の油絵(セザンヌのよう)を見ているような感じですが、油絵と言うよりは、アクリル系の絵の具を使っているような透明度の高い色彩を感じます。

音には芯があり、カチッとして、アタックが非常に明瞭ですが、下品にならずエコーも美しく聞こえます。

響きとアタックのバランスは抜群だと感じました。

AUDIO ANALOGUE ROSSINI CDP + VERDI SETTANTA

次にAUDIO ANALOGUEの組合せでS−1EXを試聴しました。

音が出た瞬間、非常に高い透明感の中に「柔らかさ」と「ニュアンスの豊富さ」が感じ取れました。

ボーカルの息づかい、表現力は、明らかにMUSICAL FEDELITYより一枚以上、上手です。

どちらの組合せもかなり高いレベルでしたので、さらに本格的に音質を評価するため場所を1号館店頭に移動し、聞き慣れたPMC OB−1で試聴を続けると共に比較対象として、UNICO CDPムラード、DAC−1、LUNAを使ってもう一度すべての製品を聞いてみました。

 MUSICAL FIDELITY A3.5 CDP

音の細やかさ、透明度は非常に優秀ですが、高域にやや硬さがあり弦の音が少し金属的に聞こえることがあります。

ワイドレンジなのですが、表現はタイトでギュ〜っと押される感じがします。

それは、かなり高い周波数で輪郭成分がやや多いためだと思います。

ギターの音色もやはりやや金属的で声は硬質です。

子音が強く、アタックは非常に明瞭です。

音質は、少しデジタル寄り?というイメージで、昔の柔らかいMUSICAL FEDELITYの印象はほとんどありません。

最新モデルのLUXMANに近いようにも感じますが、透明感の高さと色彩の彩度の高さはMUSICAL FEDELITYが上回るようです。

逸品館お薦めのUNICO CDP(ノーマル)と比較しましたが、鮮鋭度の高いA3.5CDを聞いた直後ではどうしても音が濁ってぼやけて感じられるので、UNICO CDP(ムラード)に変えてみました。

A3.5CDPを聞いた直後のせいか、ノーマルとムラードの差は非常に大きく、音質の美しさ、細やかさ、透明度、明瞭度が圧倒的に良くなります。

同じ演奏家なのにノーマルが素人で、ムラードはプロに感じる。そんな違いがあります。

響きのハーモニーが柔らかく、重なりも美しくアナログ的な雰囲気を楽しめる音です。

UNICO CDP(ノーマル)の情報量を100とすると、ムラードは150。MFは、それを上回る150〜180という感覚ですが、柔らかく誰にでも好まれそうなUNICO CDP(ムラード)と、やや演出過剰気味で音がクッキリするA3.5 CDPの音質は好みが分かれそうだと感じました。

MUSICAL FIDELITY A3.5 INTEGRATED

アンプの音質もA3.5 CDPとよく似た傾向でほぼ同じイメージです。

リトルプラネット2と比べると、A3.5がハッキリ、クッキリした感じです。

LUNAと比べると、A3.5INがややボケて深みが足りないように聞こえます。

ですが、このクラスのアンプとしては、国産品を十分に上回る「海外製品の良さ」を聞かせてくれる良品には違いありません。

特に、A3.5 CDPとA3.5 INTEGRATEDの組合せで聞くと音色や表現力に統一感が生まれ、組合せによって性能が大きく倍加し、良さが引き出される印象です。

新試聴室は、通常のリビングのように響きがやや多く、その環境ではやや高域過多で演出過剰気味でしたが、1号館のような比較的デッドな環境ではそれは気になりませんでした。

ゆるめの音のスピーカーを「きりり」と鳴らしたいときにマッチしそうな印象です。

あるいは、ここ一番!気合いを入れて聞きたい人に向いています。

一日中聞くには、ちょっとしんどいかも知れません。

AIRBOWと比較すると、ARIBOWがもう少し優しく、深みがあるように感じられます。

A3.5 CDPとA3.5 INTEGRATEDは、A3.2のシリーズを少し派手にしたようなイメージです。

AUDIO ANALOGUE ROSSINI CDP

新試聴室では、MUSICAL FEDELITYに比べ抜群に印象の良かったAUDIO ANALOGUEのセットですが、1号館だとややエコー成分が不足してレンジが狭くなったように感じられましたが、それはウォーミングアップ不足のせいで数分も鳴らすと音質は明らかに向上してきました。

先入観なしに聞かされるとこの製品が真空管を使ったハイブリッド製品だとはまったくわからないはずです。

同様に真空管を使った、UNICO CDP Pとの組合せに似た印象もありますが、透明感、明瞭度は、明らかにAUDIO ANALOGUEが優れています。仕上げの質感と作り込みの良さも抜群で、249,900円(税込)という価格は、非常に安く感じられます。

先週にテストしたCREEKと比べるとAUDIO ANALOGUEが価格的に2倍しても不思議はないくらい仕上げの美しさは見事です。同クラスの国産アンプと比べても、まったく遜色ないばかりか、仕上げはAUDIO ANALOGUEが明らかに勝るでしょう。

車で言うと、BMWやポルシェと同等以上の品質感を感じます。国産車ならレクサスグレードです。

最新製品らしく、音の細やかさ、透明度、レンジの広さなど、物理的な音質に優れていることは、音が出た瞬間にわかるのですが、MUSICAL FIDELITYとの大きな違いは、MUSICAL FIDELITYがややデジタル的?音が良すぎるように感じられるのに対し、AUDIO ANALOGUEは中域のニュアンスの豊富さ、音の厚み?広がりなどの点でMUSICAL FIDELITYをハッキリと凌ぎ、音楽を聴いている気にさせられることです。

その部分では、UNICOと似ているのですが、透明感や明瞭度でUNICOを上回ります。

極端に表現するとUNICOは普通のガラス。AUDIO ANALOGUEはクリスタルガラス。というイメージです。

レンジが広いのに中域のニュアンスがよく出て、広帯域だけれど暖かい音。

すごく良くできたTUBEの音です。直接音と間接音のバランス、ハーモニーの分離感も適切です。

AUDIO ANALOGUE VERDI SETTANTA

さらに、この音の良さを見極めるため、アンプとCDを別々にテストしました。アンプは、LUNAと比較しましたが、ちょっと一本調子で音の変化が足りません。前後の広がりも浅く、パワーが不足しているような感じでちょっとヒステリックな感じ。純正のCDとの組合せでは、気づかなかった「癖」が露呈しました。悪くはありませんが、このアンプでなければというほど決定的に良いアンプでもありません。アンプ同士の比較なら、A3.5 INTEGRATEDの方が良いかも?というイメージです。

 AUDIO ANALOGUE 総評

CDは、音が出た瞬間に!拍手喝采したい気分です。ナチュラルでニュートラル。

滑らかで透明。解像度感と色彩感のバランスも抜群!

位相(音の出るタイミング)もビシッと合っています。ちょっと無いくらい素晴らしいサウンドです。

同価格帯のUNICO CD(ムラード)と比較しても、引けを取らないくらい出来の良いサウンドですが、UNICO CD(ムラード)の方が、よりアナログ的で柔らかく、懐の深さを感じさせます。

スピーカーに例えるなら、UNICO CD(ムラード)は、よくできたタンノイ。

AUDIO ANALOGUEは、PMCとウィーンアコースティックの中間くらいでしょうか?

仕上げに関しては、AUDIO ANALOGUEが圧倒的勝利です。

ビンテッジの輸入オーディオの良さを感じさせるUNICO CD(ムラード)に対して最新製品の良さを感じさせるAUDIO ANALOGUE。対照的ですが、どちらも音楽を深く楽しませてくれる逸品に間違いありません。

残念ながら、この2機種を聞いた後では、国産の同価格帯のCDプレーヤーは、ちょっと聴く気がしないというのが本音です。

逆に、アンプに関しては国産品と比べても、好き嫌いで分かれるかもしれない?という思いが残りました。

2006年2月 清原 裕介