クラシックギターの音色は「SAKAZO NAKADE」のギターを所有している(弾けませんが)私にとっては、ピアノと共に非常に聞き慣れた楽器の音色です。
しかし、私にはどうしてもUX−1で聞く「ギターの音色」は「電子ギター」のように聞こえてしまいます。なぜなら、UX−1のギターの音は「本物のギターの音と違っている」からです。
ギターにかかわらず「アコースティック楽器」から「音が出る」時には、電子回路で架空の音を作れる「電気楽器/シンセサイダーなど」とは異なり、絶対に「物理の法則に反した音の出方」をしません。UX−1で聞く「ギターの音色」が明らかに不自然なのは、「ギターの動き/ギターから音が出る様子」が「物理法則」に「反している」からです。高域の強調感は許せても、この「物理法則に反した音の出方をする不自然さ」は、生楽器の音を聞き慣れたリスナーには「苦痛」だとおもいます。アンケートの結果もそれを裏付けます。
これに対し、DV12S2/Specialは「非常に自然な音色」を奏でます。それは、私自身が「音の成り立ちの正確さ」を聞き分けために、楽器から音が発生する「物理的な動きが空気につたわる順序」をキチンと学んだ上で「生楽器の音」を出来るだけ多く注意深く聞き「音楽家に師事して聞き分けのトレーニング」を積んだからです。
一度「楽器の物理的な振る舞い」を習得すれば、「聞いたことがある楽器」はもちろん、「始めて聞く楽器」でも「生楽器を音源としてヒヤリングを行えばオーディオセットの癖」は、本当に容易く「瞬時に聞き分けること」が可能となります。そういう「聞き分けの意識」を持ってDV12S2/Specialは、厳しく「音の精度」を高めています。「音の精度」をどこまで「正確に詰めているか?」その差が両機のアンケートの答えに見事に反映されました。
実は、私たちが普段聞いている「音」は非常に質が悪く、脳はそれを補うべく「欠落した情報の補完」に対し驚くほど「高速」・「柔軟」・「正確」に対処し、不十分な情報源から「真実」を見いだすよう進化しています。意識はしませんが、私たちが「聞いている音」は「脳が作った音」なのです。
オーディオ機器から再生される「音」を聞いているときも脳は「録音再生時に失われた音」を作り出して再生音を補完し「認識できる音質を大きく改善」しています。従って、オーディオ機器のチューンナップは「機器から再生される音質そのものを向上させる」だけではなく、「脳が正しく音を補完できるように音質を調整する」ことが重要です。
脳が音を補完する場合の「データーベース」となるのは「それまでに聞いたことのある音の記憶」あるいは「聞いたことのある音に共通のパターン」です。つまり「私たちが普段聞いている音=自然に発生可能な音」が「オーディオ機器から出ているかどうか?」が補完のポイントとなります。
自然に発生する音は、必ず「自然界の法則=物理法則」に沿った振る舞いをします。そこで「生音」を音源とし「楽器が物理法則に沿って音を出している」のがきちんと分かるように音質を調整すれば、「オーディオ機器の癖」が取れ、脳は「オーディオの音」を「自然の音」と同じように認識し、補完も無理なく行なわれるようになります。
しかし、技術畑しか経験したことがない「オーディオ技術者」は、残念ながら「脳の働き」についての認識がなく「音を細かくし、クォリティーを向上さえるだけ」という単純な「ミス」を犯しがちです。聞き分けるべきは「音の細やかさ」や「音の良さ」ではなく「音の立ち上がりから減衰に欠けての時間軸上の音の振る舞い方の精度」なのです。その「音の過渡的な精度」さえきちんと保たれていれば「音の細やかさ」は、あえて切り捨ててもかまわないのです。
つまり、音の聞き分けに重要なのは「音のきめ細やかさ」ではなく「音の成り立ちの正確さ」なのです。それが「クォリティー」では勝るはずのUX−1がDV12S2/Specialを超えられなかった最大の理由であり、すべてのAIRBOW製品に通じる「科学的に立証可能な魔法のチューニングの正体」です。(もちろんAIRBOW製品は、少なくとも同価格帯の製品より遙かにクォリティーは高いはずですが、更に高額な製品と比べても「圧倒的に音が良い」と感じられる秘密は「測定器ではなく人間が聞く音だから=脳の働きを考慮・重要視してチューニングを行っている」所にあるのです)
楽器から音が出る時に「物理的に不自然に振る舞い」があると、人間は意識せず「その機器に対して機械的な色づけ」を感じるようになります。UX−1のそのような「色づけ(癖)」が「不自然」・「硬い」・「冷たい」などという評価に繋がりました。それは、評価グラフの描く三角形が「DV12S2/Specialがバランスの取れた正三角形」なのに対し「UX−1は頂点(音に対する情報だけ)が突出した二等辺三角形」になっていることからも分かります。
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