スピーカーには、試聴テストに最もよく使う Vienna
Acousutics "T3G"を選びました。
Vienna
Acoustics T3G \638,000(ペア)
アンプはたまたま試聴機として手元にあったMusical
Fidelity A5.5を繋いでいます。
Musical
Fidelity A5.5 \400,000
デジタルプレーヤーには、音質に絶対の自信を持つAIRBOW
UX1SE/LTDを選びました。
AIRBOW UX1SE/LTD \1,500,000
届いた試聴機には「最低4時間以上のウォーミングアップが必要」と書かれていたのですぐに通電を開始し、試聴までに「タップリ10日間」ぶっ通しでウォーミングアップを行って万全を期しています。

UX1SE/LTD、Musical
Fidelity A5.5、BEETHOVEN-CONCERT-GRAND(T3G)の組合せを一聴して感じたのは、「音色の美しさ」です。さすがにMusical
Fidelityのアンプは違い、まるで生楽器を聞いているような鮮やかで美しい音色をスピーカーから出します。暖かいが緩くはなく、柔らかいがボケていない、その絶妙のチューニングはソフトの粗を消し、音楽だけをリスニングルームに浮かび上がらせます。ビンテッジという言葉が頭をよぎる、この上ない芳醇なサウンド。ずっと聞いていたくなるような、ずっと身を委ねていたくなるような、桃源郷で聞くような音。なんて気持ちが良いのでしょう。A5.5とT3Gの相性は、想像を大きく越えていました。
その素晴らしい音につい聞き惚れて、「OCX」の試聴を忘れていました!
まず、OCXの発信周波数を「44.1kHz」にセットし、UX1SE/LTDにワードクロックを入力し、先ほど聞いていた音と比べてみました。試聴に使ったソフトは「峰純子/チャイルド・イズ・ボーン」です。
接続用のデジタルケーブルには、音質に信頼を持っているAET UR
DG75(生産完了モデル)を使いました。
“A
CHILD IS BONE” 峰純子 TDCN-5127
クロックが入力された瞬間、あり得ない変化が起きました。これ以上はないと自信を持っていたUX1SE/LTDの音質が一変し、CDをSACDに変えたときよりも音質が一気に向上したのです。
個々の音はハッキリしますが、輪郭は不要に硬くなりません。シンバルに芯が出て、それらしい音になります。トランペットのアタックは鮮明で、空気を切り裂きます。とにかく、楽器の音の変化はすさまじいものです。音量を変えていないにもか変わらず、音圧感が2倍くらいに大きくなりました。
ドキドキする気持ちを落ち着けて、CDを最初に戻し聞き直します。OCX(クロック・ジェネレーター)を使わないときには、聞き取れなかった「マスタテープ」のヒスノイズが聞こえてきます。そればかりではなく、音が出る前から「音源を取り巻く空気感」が聞き取れるではありませんか!まるで目の前にスタジオが出現したような、まるで目の前がスタジオになってしまったかのような、なんて言えばいいのでしょう?リアルという言葉を遥かに通り越し、「生演奏」と錯覚するほどのリアリティーのある音がスピーカーから再現されるではありませんか。こんな音はあり得ません。オーディオでこんな音は、今まで聞いたことがありません。
曲が進むにつれて楽器の音の美しさ、ボーカルのデリケートさ、そしてエネルギー感、あらゆる表現力がすさまじく向上し、思わず目には涙が溜まるほど感激しました。想像だにしなかった、こんな世界がまだオーディオにあったなんて!暖かいエネルギーと感動に満ち溢れた音。最高のレコードシステムで同じ曲(同じマスターからダイレクトカットされたレコードを持っています)を聴いたときを遥かに超える素晴らしいサウンド!今日は、私のオーディオ史上記憶に残る幸せな日になりました。
感情に溺れるのはこれくらいにして、OCXのさらなる力を引き出すことにチャレンジします。
付属する説明書の推奨周波数は、私が今聞いている「44.1kHz」1ではなく「176.4kHz」となっています。そこで発信周波数を44.1kHzから176.4kHzに変更して試聴を再開しました。
一段と音質がクリアになります。余計なものが浄化されて、さらに演奏の本質に一歩近づいた感じがします。しかし、元々相当音が良いUX1SE/LTDとの組合せでは、ちょっと「行き過ぎた」感じがしなくもありません。音は良くなりましたが、「スタジオ」が見えてきました。44.1kHzでは「ステージ」が見えていたので、好みの違いはあるかもしれませんが、私は「ステージ」が見えた44.1kHzの音により強く感動しました。
※その後の経験からCD/SACDでは、OCXの発信周波数を高くすると「音質の明瞭度(純粋な音の良さ)」が向上する事が分かりました。今回は44.1kHzと機器の相性が最良でしたがソフトの録音状態や、機器との組合せ次第で最良の周波数は変化します。色々とお試し頂くのが良さそうに思います。CD/SACDでは、発信周波数と関連して音質が明瞭に変化するので最良の周波数を選ぶのは、それほど難しくないと思います。
DVD系のソフトでは発信周波数を無闇に上げず48kHz(特にドルビーデジタルではその感じが強い)で固定する方が音が良さそうに感じましたが、CD/SACDと比較して音質変化の幅が小さく周波数を選択するのは難しいかも知れません。よくわからない場合には、48kHzをお使い頂くことを薦めいたします。
次に「設置条件(インシュレーターやボード)」による音質差を検証するために、床の上に転がしていたOCXをKRIPTONのボードに載せてみました。音質は僅かに木質感を帯びるて響きが良くなるのですが、それが時としてボードの癖として感じられます。個人的にはさっきの音が好みでした。
KRIPTON
AB3000
Antelope
Audio Isochrone OCXはラックマウント機器(フロントのねじ穴で業務規格のラックに固定する)のため、脚が着いていません。そのまま直置きするとラックに傷が付きやすく、本体も上手く固定できません。
KRIPTON ミスティックホワイト(MW40502)
を併用すると、音質的にも設置的にも良い結果が得られると思います。
電源ケーブルによる音質変化を探るため、ボードを外しOCXを再び床に直置きし、電源ケーブルをAIRBOW
CPSC-L変えてみました。
AIRBOW CPSC-L
電源ケーブル交換による音質の変化は、ボードを遙かに上回ります。個々の音がよりきめ細やかに、高域のレンジが大きく伸びます。CDからSACDへソフトを変えたような、それくらい大きな変化が認められました。
最後にクロックをプレーヤーに送るデジタルケーブルの音質変化を検証しました。それまで使っていたAET
DG75を一旦外し、AIRBOW MSD-090Vに変えて見ました。
AIRBOW
MSD-090V
解像度感が僅かに低下しますがMSD-090Vの持ち味である「暖かさ」が音に乗ってよりアナログ的な音になりました。音質は明らかに劣化していますが、音楽としてはこれでも全然悪くない感じです。その価格差を考えるなら、MSD-090Vでも十分納得できる音質改善は実現します。
AET
UR DG75(生産完了モデル)
しかし、どちらのケーブルが欲しいか?と問われれば、間違いなくAETを選びます。やはり「聞こえない音が聞こえるようになる」その魅力には抗えないからです。いずれにせよ、ocxを使うときにはBNC端子付きの良質なデジタルケーブルをお選び頂くのがポイントです。