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audio-technica VM型カートリッジ全モデル 音質比較

  

間違いだらけのアナログブーム

最近、何かと話題が多い「アナログ」は、デジタルよりも音が良いと盛んに持ち上げられています。けれど、オーディオの音は、アナログやデジタル、CDやレコードという音源よりも「再生装置」による違いの方がずっと大きいことは、オーディオマニアの皆さまがご存じの通りです。

ゼンマイ時計と同じように機械仕掛けで動く「レコードプレーヤー」の能力は、「工作精度の高さに比例」します。つまり、価格が高いほど「音が良い可能性が高い」のですが、それは決して正しい答えではありません。

その根拠を説明します。

オーディオ機器は、「入力される信号と異なる音=歪み」を発生します。この「歪み」とは、元々そこになかった音なので、「忠実再生の邪魔もの」とされています。例えば、一本の溝に左右の音を記録しているアナログは、再生時に左右チャンネルの音が混じり合うことが避けられません。これを「クロストーク(歪み)」と呼びますが、電子的に左右が分けられて録音されているデジタル機器(例えばスマホ)のクロストークは、100万円を超える最高級レコードプレーヤーシステムと比べて「1/100以下」です。また、信号とノイズの比率を示す「S/N比(再生を妨げるノイズの量)」や、一番小さい音と大きな音の対比を示す「ダイナミックレンジ」もデジタルは、最高級アナログの50倍から100倍くらい優れているのです。

この「物理特性の高さ(音響スペックの優位性)」を論拠に、CDが発売されたとき各メーカーは「デジタルはアナログ(レコード)」よりも音が良いと謳いオーディオ業界からレコードを駆逐したのが1980年頃です。けれど同じメーカーが今度は、スペックの劣るアナログを「デジタルにはない音がアナログ(レコード)には記録されている」と盛んに宣伝しています。

念のため付け加えておきますが、彼らがデジタルを導入してから40年間、デジタルの音は革新的に改善されましたが、最盛期の良質な装置が破棄されてしまっている「レコード(プレス)」の音は当時よりも,逆に悪くなっています。つまり、現時点で「アナログ」が「デジタル」を超えることなどあり得ないのです。

それなのにデジタルの「売れ(需要)」が頭打ちになると、アナログを売りつけようとする。このように利益のためなら消費者を欺くことをなんとも思わないのが、大企業のオーディオ部門です。そして企業子飼いのメディアは、当然そういう話しは微塵も取り上げず大企業の良いなりに宣伝をまき散らし、消費者を困惑させるのです。

消費者の利益や幸せを大切にしたい私の怒りは収まりませんが、きな臭い話をしても音は良くならないので話を戻します。

「デジタル」と「アナログ」のどちらの音が良いかを決めつけるのはメーカーに任せるとして、ここでは簡潔に「歪みの大きさ」は、必ずしも「音の悪さ」に繋がらないこと、オーディオ機器の音質は「必ずしも販売価格に比例しないこと」を説明します。

私は、自分自身が納得できる音質を実現するオーディオ機器として「AIRBOW」を作っています。設立当初は「歪みを少なくすること(録音された音と再現される音の違いを小さくすること)」が最良の音質を得られる唯一の方法だと信じていました。

けれど、最近ではそこから「一歩進んで」オーディオ機器が発生する「歪み」を、音楽をより良く聞かせる「補助的な音」として取り出すことを考えています。この考え方を「楽器」に置き換えて説明します。
ギターの弦は、せいぜい数千円で6本買えます。ギターの弦は一例ですが、バイオリンなどの弦楽器に使われる弦や、サックスなどに使われるリードなどの音源は、消耗品なのでそれほど高価ではありません。

けれど、同じ弦やリードを使っても楽器から出てくる音の美しさは全然違っています。それは、高価な楽器とそうでないものでは、弦(リード)の音が胴に共鳴して発生する「響き」の美しさが違うからです。
この原理をオーディオに当てはめて考えます。

オーディオ機器が発生する歪みは、楽器が発生する「響き」と発生原理が似ています。だから、もしオーディオ機器から生み出される「響き=歪み」を楽器のような「美しい響きとして取り出せる」なら、オーディオ機器を使うことで演奏は、録音されたときよりもさらに美しく、楽しく聞かせられるかも知れません。
最初にデジタルに比べてアナログは歪みが大きい(大体100倍以上の歪みを発生する)と説明しましたが、歪みが大きければ大きいほど、「機器が発生する歪みが美しいかそうでないか」で再生される音質に大きな違いが生まれるのは当然です。

レコードプレーヤーの針を「発音体」とするなら、針先とカンチレバーは「共鳴部」です。これ以外にもアームやプラッター(ターンテーブル)、ターンテーブルシート、プレーヤー本体、さらには「レコード盤そのもの」もすべて「共鳴部」です。測定的には、共鳴部で発生する音はすべて「歪み」です。

けれど、この避けられない「共鳴(響き)」を楽器の胴が奏でるような「美しい響き」として、取り出せるなら、歪みが多くても素晴らしい音で音楽を聴けるようになります。これが、低価格=歪みの大きな装置から、高額な製品を超える高音質を実現するための合理的な解決方法です。

オーディオ機器の音質を決めるのに、もう一つ大事な要素があります。

私は「オーディオの音楽再生」を「絵画」に例えます。ある「風景」を記録するとき、最高性能のカメラで撮影した「写真」よりも、巨匠が描く「絵画」のほうが、現場の雰囲気をより直感的に正しく伝えられることがあります。これは「人間が意図的に情報を取捨選択すること」で、人間に雰囲気がより強く伝わるからです。

人が手を加えることで、現実がより現実味を強くする。それこそが「芸術」の本質です。

つまり音楽の審美を判定できるサウンドマネージャーが機器をしっかりと聞きながら作り込めば、「歪み」を味方にして、安価な装置から高価な装置よりも心地よい音を引き出すことが可能なのです。逆に、高価だから、音質が優れているから、素晴らしい音楽を再現出来るかというと決してそうではありません。

巨匠が鉛筆で素晴らしい「絵画」を描けるのと同じように、オーディオも作り手次第で、安価な装置で高音質を実現することが可能です。オーディオは、技術と芸術の両面を持つのです。それがオーディオの現実であり、真実です。

カートリッジの聞き比べに使う装置

レコードプレーヤー、フォノイコライザーアンプ、ターンテーブルシートの音質比較は、「カートリッジ聞き比べ」に最適な再生装置を見つけるためでした。しかし、結果としては「今回の音質テスト結果が、ユーザー宅で再現する保証はない」という、求めたのとは全く逆の答えが出てしまいました。このような場合、本来ならすべての組み合わせを聞き比べるべきです。

けれど「audio-technicaのカートリッジを全部聞いてみたい」という私のリクエストに応えて、audio-technicaはありったけの「試聴機」をかき集めてくれました。その総数は24個に及び、その中から重複するモデル(ヘッドシェル付きとなし)、汎用性のないモノラル専用機、SPレコード専用機を除いた15個を選びました。さらにライバル製品としてPhasemationの2モデルを加え、聞き比べ総数は17モデルになりました。さすがに、それらをすべて異なるプレーヤーとフォノイコライザーアンプで聞き比べるのは、余りにも大変です。

どれか一つに組み合わせを絞るため、レコードプレーヤーには、より数多く売れている「DENON DP-500M」を選びました。フォノイコライザーアンプは、聞き比べにふさわしいストレートな音質のEA-350と音楽をより楽しく聞かせてくれた真空管方式のQUAD QC-24Pで悩んだのですが、納得できない音を聞き続けるのは辛いので、

今回は、DP-500Mと相性の良かったQUAD QC-24Pを選びました。

ターンテーブルシートは、「トーンアームの水平」を保つために、「付属ゴムマット」を使うことにしました。

ヘッドシェルも音の違いを考慮して、audio-technica「AT-LT13a 希望小売価格 3,800円(税抜)」を共通して使いました。

カートリッジ聞き比べに使う製品の主な仕様

DENON(デノン) DP-500M メーカー希望小売価格 \85,000(税別)

DENON(デノン)レコード製品のご購入お問い合わせは、経験豊富な逸品館におまかせください。

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QUAD(クオード) QC-24P メーカー希望小売価格 \350,000(税別)

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聞き比べるレコード

「聞き比べ」は、YouTubeアップロードのための録音に使うUSBインターフェイスのライン出力をAIRBOW PM12 Masterで増幅し、Focal 1028BE+AIRBOW CLT-5の組み合わせたスピーカーシステムで行いました。

聞き比べるレコードは次の3枚です。

1曲目:マイケル・ジャクソン アルバム「Thriller」より、B面の1曲目「Beat It」。このレコードは、EPIC SONYの国内プレス。大学時代に買ったものです。一般的に「ダイレクトドライブレコードプレーヤー」は、音がハッキリしている(比較的デジタルサウンドに近い)と言われています。この曲では、音の鋭さや低音のハッキリした感じなど「明瞭度」や「音の広がり」を聞き比べて下さい。

2曲目:アン・バートン アルバム「サム・アザー・スプリング」より、A面1曲目の「Dream a Little Dream of Me」。パイオニアが技術供与してロブスター企画が作ったこのレコードは、究極のアナログ録音「ダイレクトカッティング」で録音されています。編集装置を使わない「ピュアなアコースティック楽器やボーカル」の滑らかさや、表情変化(ニュアンス)の細やかさを聞き比べて下さい。

3曲目:ヨゼフ・シゲティー アルバム「ヨーゼフ・シゲティーの芸術、Bach:無伴奏バイオリン・ソナタ全集」から、「Bach Violin ソナタ第一番」。最盛期のキングレコードから発売されたこのレコードは「モノラル録音盤」です。ステレオカートリッジでモノラルレコードを聞いたとき「左右チャンネル」の特性がきちんと揃っていないと、楽器が中央に定位せず左右にぶれます。バイオリンという再生の難し楽器の音の比較だけではなく、カートリッジの音響特性(左右の歪みの違いやバランス)もチェックできます。

試聴テスト

ここから先の聞き比べでは、時間と共に正確性を欠くかも知れない「音質コメント」に加え、より正確な相対的評価を下しやすい「低音/中音/高音」の物理的バランス、「細やかさ、滑らかさ、色彩感」のイメージの6項目について、付属品を基準の10点として評価数をつけることにしました。
今回の聞き比べは、audio-technicaのDJ用を含むVM型が10モデル、MC型が5モデル、PhasemationのMC型が2モデルの合計17個に及びます。それを1ページに書くと長くなるので、レポート掲載ページを「VM型:10モデル」と「MC型:7モデル」の二つに分けることにしました。それではそれぞれの簡単な特徴と主な仕様をご紹介しながら、それぞれの印象をレポートしましょう。

それぞれのカートリッジの詳細は、audio-technicaのホームページから御覧いただけます。

DJモデル

DJに使うカートリッジに求められるのは「頑丈さ」です。正回転だけではなく、逆回転にも対応する「太い(頑丈な)カンチレバーと、音飛びを起こしにくいように「重めの針圧」が用いられます。駆動系が頑丈で質量が嵩むため、どこまでの感度(細やかな音の再現)が実現しているかが比較のポイントになります。

AT-XP5 メーカー希望小売価格 オープン(実勢価格 8,500円前後)

低音は良く出るが、DP-500Mの付属品(以下:付属品と書く)に比べ音が濁っていてやや重い音質。高音の切れ味や細やかさも明らに後退している。

ギターソロのパートでは、細やかさが不足してギターやギターアンプの音「安っぽく」感じられる。
けれど付属品もaudio-technicaのOEM品なので、XP5とは音色やバランスがほとんど変わらず、聞き続けていると徐々に慣れてきて、カートリッジを買えたという「感動」は感じられなくなる。

あえて言うなら、グレードが8割くらいにダウンした同一メーカーの低価格品といった感じだ。

DJ用だから、繊細なアコースティック・サウンドには向かないだろうと思っていたが、意外にこれが良い。

付属品で気になっていた子音の荒れが抑えられ、ボーカルがより滑らかで艶っぽく鳴る。ベースもなかなかリアルな音だ。

XP5で特に素晴らしいと思うのが、ピアノとウッドベース、ボーカルのバランスだ。実に自然な鳴り方に驚かされた。

細やかさはそこそこだが、レコードらしい音で心地よく聞ける。

この曲でも、XP5の長所である「バランスの良さ」が生きている。確かに細かい部分は余り出てこないし、高音もなだらかに減衰してゆく。けれど、その雰囲気がとても自然で無理がない。同じ演奏をコンサートホール後方で聞いているイメージだ。

S席の音ではないが、誰の演奏かがハッキリと理解できる。

DJ用と聞いて、もっとお粗末な音を想像していたが、意外にまとも。いやいや、とてもまともな音だ。
AT-XP5 総評

針先は接合楕円針が使われ、発電部分もそれほど特別なことはしていない製品だからこそ実現した「高バランス」、「無理のない自然な音」です。きめ細やかな音ではありませんが、ノイズ感が小さく、バランスが良い音が出るこのカートリッジは、良い意味で普通のど真ん中の見本の様な音質です。

スクラッチノイズが出にくい針先を持つAT-XP5は、レコードの状態が良くない場合でもノイズが小さく、音楽に集中できます。

安物だからと言って侮れない、エントリーながらゴールに通じる立派なサウンドに仕上がっています。

AT-XP7 メーカー希望小売価格 オープン(実勢価格 17,000円前後)

XP5に比べて高音の伸びやかさ、切れ味の鋭さが向上した。価格差を考えると、もう少し頑張って欲しい気もするが、きちんとグレードアップの効果が感じられる。

パッと聞いた音質は付属品と大差ないが、低い効果音は明らかに良くなっている。ギターソロの部分も厚みと密度感が増している。付属品に比べ音の芯、音の骨格もしっかりしてきている。

中低音重視で高音はそれほど伸びていないが、親しみやすいおむすび型バランスの好感が持てるサウンドだ。

余り細やかな音が使われていない”Beat It”では気づかなかったが、ピアノのデリケートな感じ、奏者のタッチの細やかさの再現性が向上している。ボーカルは、XP5と同じく子音が荒れず滑らかで厚みもあるが、XP7の方が高域が伸びていて発音が明瞭だ。

ウッドベースの音階やリズムもハッキリしてきた。

XP5の良さであるバランスはそのままに、音質は数割向上している。

XP5よりも高域が伸びて明瞭度が向上したからだろうか、バイオリンが僅かに「ブリリアント」になり、演奏の雰囲気も明るくなった。しかし、その変化は「許容範囲内」にとどまっているので心配は無用。

XP5では感じられなかった、シゲティーの指使いや、弓を引く感覚が伝わってくる。同演奏をよりステージに近い、高い席で聞いている印象だ。

XP5よりもほんの少し高域のエネルギーが強くなり、結果としてよりデジタルサウンドに聞き慣れたバランスになった。

バイオリンが奏でる低い音(低弦)「太さ」の出方が良く、印象に残った。
AT-XP7総評

AT-XP5とほぼ同じバランスを保ったまま、高音の明瞭度と中低音の解像度感が向上したのがAT-XP7の音質は、「家庭用」としても十分に通用するでしょう。

良い点は、「音飛び」を抑えるため針圧がやや重いから、レコードの上を「滑り」レコードを痛める心配が少ないことや、針先が鋭すぎないので、ノイズが少ないことです。AT-XP7なら少々レコードの盤面が痛んでいてもノイズに悩まされる心配がありません。

DJ用という言葉とは裏腹に、その音質はオーディオ的な水準を満たします。さらに頑丈で使いやすいので、高年齢者にも扱いやすいカートリッジだと思います。

AT-VM95C メーカー希望小売価格 5,500円(税別)

付属品と比べると、僅かに音の粒子が大きく、ボーカルも粗雑に感じられる。

高域の伸びがやや不足気味で、リズムも少し重い。躍動感もやや小さくなった。ただ、音質は若干損なわれているもののギターソロの部分では、ギターの特徴や音色変化のリニアリティーはきちんと再現され、少なくとも演奏者の意図は明確に伝わってくる。

音調バランスや全体的な鳴り方のイメージは変わらないが、レコードの「質」が少し落ちたような雰囲気にグレードダウンする。

しかし、5千円程度という価格を考えれば、十二分に健闘しているし、レコードで音楽を聞くのに十分な音質を発揮している。

細やかさや明瞭度は僅かに低下しているが、ピアノノ表情の変化、楽器の色彩感の変化は鮮やかに再現している。XP5と比べボーカルの子音は付属品と同じように伸びている。”Beat It”では、明かなグレードダウンを感じたが、この曲では不思議とそれが感じられない。アナログらしい滑らかで色彩豊かな音質は、価格を信じられないほどだ。ウッドベースも指が弦から離れる瞬間の音まで聞こえてくる。ピアノもクッキリして、なかなか心地よい音だ。

なかなかどうして、私が聞いても文句の出ない「正しい音」で鳴る。癖のある高価なカートリッジを使うよりはよほど「シゲティー」らしい演奏を聞かせてくれる。特に二本の弦を同時に鳴らす部分での「二本の弦の頭の音が揃って出るところ」などは、見事と聞き入るほどだ。

レコードという回転している「皿」から音が出てくるという不安定な感じはまったくないし、1万円以下のチープなカートリッジで音の強弱、速度の変化。音楽の再現に必要な項目が、正しいスケールで再現される。これは、ちょっとした、いいや大変な驚きだ。
「我慢して聞いている」というイメージも皆無。下手な高級デジタルプレヤーよりもよほどまともな音だ。

AT-VM95C 総評

1曲目に聞いた”Beat It”では、付属品よりも明らかに「グレードが低い」という感覚があったのですが、2曲目、3曲目と音がどんどん良くなったように思えます。

もしかすると完全な新品が試聴機として提供されたため、僅か数分の「エイジング(ならし)」でも効果があったのでしょうか。

付属品が壊れたとき、同等の音質を求めるなら、このカートリッジはほぼ聞き分けられない「同等の音質」を実現してくれるでしょう。また、先に聞いたAT-XPシリーズが採用している「楕円針」よりも、針先形状がマイルド「丸針」が使われるこのモデルは、さらにノイズ感が小さく、音楽に集中できたのも高く評価できます。

求めるなら、さらなる繊細感と鮮やかな色彩感ですが、普通にレコードを聞くなら十分な性能です。

これから試聴する「VM500 シリーズ」は、共通のボディを持ち、針先形状だけが違います。そのため比較試聴は「針先の交換」だけを行いました。また、audio-technicaのHPにも書かれていますが、上級機の針先を購入することでカートリッジの買い換えなしにグレードアップできます。

VM510CB メーカー希望小売価格 14,500円(税別)

VM510CB メーカー希望小売価格 14,500円(税別)

付属品とほぼ同じ音質バランスながら、あらゆる方向にワンランクグレードがアップしている。

低音はしっかりとするし、高音はハッキリと伸びやかだ。ボーカル子音の再現性が向上し、Michaelの英語の発音がより明確に聞き取れる。楽器の音にも張りが出て、演奏がさらにパワフルになった。

音楽のリズムの刻みが細かくそしてハッキリ(クッキリ)とする。ギターソロの部分でも、ギターの音とギタリストのテクニックがが冴え渡る印象。

この曲では、カートリッジをVM510CBに交換すると、DP-500Mがオーディオ機器として確実にワンランクアップした。

ピアノの特徴が際立ってくる。ウッドベースは、良い木の響きが香り立つ。弦をリリースする瞬間の音も明確になった。

ボーカルは「口の動き」が見えてくる。プロっぽい丁寧な感じと唇のぬれた感覚。”Beat It”で感じたように、あらゆる方向に音質がランクアップし、同じ演奏を近づいて聞いている感じ。あるいは、マイクの質を上げて録音したような音質の向上が感じられる。

バイオリンの音がより鮮やかになるが、聞こえてはいけない部分まで再現され始めた。

本当に良い音は、自然なまま音が良くなる。つまり楽器に近づいた様な変化、あるいは楽器そのものの音が良くなったような変化が感じられる。しかし、このカートリッジでは「音は良くなる」イメージは確かにあるが、楽器そのものの質感、音色の変化の大きさなどが、その向上に僅かに追いついていないように感じる。

ごく僅かだが、「電子機器の介在感」が強くなっているように感じられた。ただ、それは本当に僅かなことなので、集中して聞いていると気にならなくなって、それよりも改善された音によって深く演奏に引き込まれて行く。

もしかすると、このカートリッジもまた「当たり」がついていない新品のままなのかも知れない。もう少し使い込めばそういう「硬さ」が緩和されて、より自然な音質に変化するかも知れない。

VM520EB メーカー希望小売価格 16,000円(税別)

音はさらに細かくなって、低音もしっかりとしてきた。しかし、それがどれくらい明確な差があるかと問われると、聞き比べても分かるか分からないか程度の差でしかないようにも感じられる。

VM510CB/VM520EBに共通して感じられるのは「色彩感が薄い」と言うことだ。確かに音質は向上するが、色彩感や音の厚みが変化しないので、より「口先だけで歌っている」ような「軽さ」がVM510CBよりも強く感じられるようになってくる。

針先が丸から楕円になり「高域の感度(細やかさの情報)」が増加したことで、VM520EBではそれがより顕著になる。

音質はここまで良くなかったが、このレコードとの相性ではAT-VM95C(C/H)の印象がここまでで最も良い。

VM510CBでも若干感じられたが、帯域エネルギーバランスが高域に偏りピアノの音が明確に「軽く」なっている。

ボーカルもボディー(体の存在)が感じられず、アン・バートンが痩せっぽちになってしまう。子音も伸びてくるが明らかに過剰。ベースも胴鳴りの太さが消えた。

解像度の増加、高域の音質の改善に、中低域の重量感の向上が伴っていない。バランスが崩れて、結果としてグレードが上がったとは感じられない。

長時間の試聴で疲れてきたせいもあるかも知れないが、VM520EBは高域が硬く強く、聞いていてイライラするようなバランスになっている。

バイオリンの音は細く、針金のようだ。晩年のシゲティーらしい深みは消えて、古い録音の演奏を我慢して聞いているような雰囲気になってしまう。弦を奏でる右手の動きは見えるが、弦を押さえる左手指先の圧力や角度の変化が伝わらない。音を生み出すのは右手の動きかも知れないが、情緒を引き出すのは左手のコントロールではないのだろうか?

VM520EBは音楽の根幹の部分が薄れた、初期のデジタルのような硬くて細い音。音質はともかくとして、DP-500MとQUAD QC-24Pとの組み合わせで音楽を味わうという方向から評価するならば、AT-VM95C(C/H)、もしくは付属品がより優れている。

VM530EN メーカー希望小売価格 23,000円(税別)

イントロの鐘の音に重さが感じられない。その後に続く「キューン」という効果音にも実在感がない。

ギターは指先だけの動きしか見えず、ボーカルは口先だけ。とても軽薄なサウンドだ。さらに細やかさも感じられない。

カートリッジの鳴らし込みが不足して誤った判断をしないように、一応事前にしばらくレコードを聞きつづけて音に変化がないことを確認しているから「当たり」が強いわけではないだろう。また、先に書いたようにVM-500シリーズは「針先の交換でアップグレード」が可能なので、今回の試聴は針先交換だけで行っているので、ボディーの鳴らし込みが足りないことも考えられない。それでさ、この軽薄な音は何なのだろう。ギターソロでは、ギターが金切り声を上げてうるさいだけ。

完全にレコードと針先のコンタクトが悪くなっている。価格は向上しているが、音質は逆に低下してしまった。

これでは、音楽を聞く気にはなれない。

”Beat It”と同じで、針先がレコードの溝に刻まれた音の「一部しか引き出していない印象」が強い。

バランスは高域に偏ってしまい、ボーカルからはニュアンスが伝わらず、聞いていてなにも感じない。試聴機を用意して下さった、audio-technicaには申し訳ないが、こんな音で演奏を聞くのは時間の無駄でしかない。

VM530ENの音の悪さに我慢が限界に近づいてきて、論評が乱暴になりつつある。

けれどそれを差し引いたとしても、再生される音にはシゲティーらしい深みはなく、下手なバイオリニストが安物のバイオリンを弾いているようしか聞こえない。たしかにガルネリの音は硬く強いが、こんなに細くはない。何よりももっと色彩感が豊富なはずだ。

私は、晩年のシゲティーの演奏を多くは知らないが、少なくともこのバッハソナタには、一本芯の通った揺らぎないイメージが感じられても良いはずだ。それが感じられないVM530ENから聞こえるのは、ただの老いぼれの演奏だ。

そんな情けない音でこの曲を聞きたくない。

VM540ML メーカー希望小売価格 32,000円(税別)

VM530ENより針先がさらに鋭くなったことで、音もさらに細くなってしまうと予想したが、良い方向にその予想は裏切られた。

バランスの良さを高く評価したVM510CBと比べ、高域が伸びたVM540MLのエネルギーバランスはやはり高域に偏ってしまうが、VM520EB/VM530ENよりは、まともなバランスだ。それでもまだ高域よりだが、音質の改善がバランスの偏りを「音の細やかさの向上」は補っている。ギターの音の細やかさ、伴奏とボーカルの分離感などはさすが高級モデルと感じられるからだ。

しかし、もっと廉価なVM-95Cや付属品の「でれでこのレコードを聞くか?」と問われれば、残念ながらVM540MLはその選択肢にはない。価格を信じて買う買わないは、消費者の自由だが、DP-500Mとの組み合わせでは、VM540MLはおすすめしない。

音楽を躍動させるために欠かせない色彩感が不足し、表情が平坦だ。イントロのピアノはきめ細かいが、実在感がない。ボーカルは、説得力に欠ける。ウッドベースは、弱々しい。「生命感」が弱いのは致命的だ。

Goldringカートリッジの比較でも感じたが、針先が余りに細くなりすぎると再生される音に力がなくなるようだ。

録音しているレコーダーのボリュームを変えず「針先だけ」を交換して録音(聞いて)いるが、音量は明らかに小さくなっている。

音量だけでなく、エネルギー感も小さくなり、音楽の躍動感が弱くなっている。やはり針先が鋭くなりすぎると、レコードから振動エネルギーが発電部までしっかりと伝わらなくなるのだろうか?

それでもVM530ENよりは、中低域に厚みが出てきて、なんとか聞くに堪えるくらいの音にはなっている。

シゲティーの左手操作も弱々しいが、伝わるようになってきた。それでもVM510CBや付属品と比較してこの音が「良い」とは思えない。

VM 500シリーズ 総評

VM-500シリーズは、針先だけの交換で「カートリッジのアップグレード」が実現します。それは素晴らしいことですが、DP-500Mを使った今回の聞き比べでは、「高額品=高音質」という方程式が成り立ちません。高額品になればなるほど「帯域エネルギーバランスが高域」に偏り、音楽そのものの「力強さや生命力」が弱まってしまいました。たぶん録音してYouTubeにアップロードした音でもそれが確認できると思います。
アナログオーディオは「響きの芸術」です。レコードカートリッジなどはその最たるもので、針先の振動がカンチレバーを伝わり発電部で信号に変換されるまでの「経路」のすべての響きが整っていなければ、バランス良く音楽を奏でることは出来ません。VM-500シリーズは、針先の高性能化をボディー側が上手く処理できていないように思えます。もしかするとそれぞれのモデルが機械的に設計され試聴がなおざりにされているのかも知れません。カタログに書かれている文言からも、針先だけが理論的に高性能化されているようなイメージが感じられます。
オーディオテクニカが生産しているカートリッジは、OEM品を含めると100種類をかるく超えるはずです。そのすべてのモデルをレコードプレーヤーや、レコードそのものとの相性まで考えて完全な状態にまで作り込むのは、audio-technicaのような大企業にとっも不可能でしょう。audio-technicaはカートリッジだけでなく、イヤホンやヘッドホン、ケーブルなど、あらゆるオーディオアクセサリーを設計生産しているメーカーです。そのすべてに「魂を込めろ」と言うのは、無理な話です。
ただし、それは「悪いこと」ばかりではありません。機械的に価格が設定されているからこそ「より良い音が、より安く手に入る可能性が広がる」からです。

唯一の問題は、ユーザー自身が「価格という呪縛」から逃れ、「自分にとっての良い音を見いだす」ことが出来るかどうかです。
装置の組み合わせによって評価は変わりますが、今回のシステムで聞く500シリーズは、最も価格の安い「VM510CB」が良かったと思います。

VM700シリーズも、VM500シリーズ同様に「針先交換」だけで、グレードアップできます。今回の比較試聴は、「針先交換」だけで行いました。

VM740ML メーカー希望小売価格 42,000円(税別)

今回のカートリッジ比較テストの音量は「1KHz正弦波」の音量で合わせている。けれど、先にテストしたAT-VM540MLに比べ、AT-VM740MLの音は明らかに大きく感じる。

VM540MLとの価格差は、1万円。針先形状が同じなので、この差は主に「ボディーの違い」だと感じられるが、VM540MLに比べ低音から高音まで音が細やかで質感が高いことが伝わってくる。物理的な性能は、500シリーズを大きく上回っていることは間違いない。けれど、滑らかさや色彩感など「情緒に訴える部分」は、VM-510CBと大差がないように感じられる。

曲が進みギターソロのパートが始まるとそれが顕著になる。音質は良いが情緒や躍動感の表現力向上がそれに伴わず、ギターが上手く感じられない。もしかすると、それを引き出すには、DP-500Mでは力不足なのだろうか。あるいは単純に、DP-500MとQC-24Pと相性が悪いだけだろうか?

音は派手だが、表情の変化がそれについて行かない。空振りしている。

音量を録音機で確認すると、やはり音量が数割以上大きくなっている。正弦波の音量は、同じに合わせているから、700シリーズは500シリーズよりも過渡特性に優れ、ぎざぎざした波形の先端がより鋭く尖って再現されるのだろう。チャンネルセパレーションも録音機で確認できる範囲で、約10dbくらい向上している。この「スペックの差」は、そのまま音質に再現される。聞こえる音が細やかで明快だし、音の分離も優れている。

けれど、より良くクリアに聞こえたからといって演奏がより楽しめるとは限らない。

ピアノは国産品のように聞こえるし、アン・バートンの声には粘りと艶が足りない。ウッドベースも腹にずしんと響いてこない。これではまるで「アナログ2比べて薄い」と言われる、デジタルサウンドではないか。

私がアナログに求めるのは、もっと濃厚(濃密)なサウンドだ。

モノラルレコードをステレオカートリッジで聞いているからだろうか、背後に「ゴー」という連続したノイズが聞こえるようになってきたが、色彩感のコントラストがそれほど求められないバッハの曲、特にこの演奏では「音質の改善」が演奏をより良く聞かせる方向に働いている。

700シリーズの音は500シリーズよりもあらゆる点で精密で、音のディティールにこだわるオーディオ・マニアや、精密に鳴らすことを良しとする「現代的なシステム」には、良くマッチするかも知れない。けれどそういう音は「デジタル」に任せて、アナログは「違う方向」からアポローチするべきだと思う。

VM740MLの音は色合いが薄い。そして「微細な色彩の変化」も見えてこない。

「それ」を引き出すには、やはりさらに高価なレコードプレーヤーシステムが必要なのかも知れない。

VM750SH メーカー希望小売価格 50,000円(税別)

740MLと比べ、ひときわ音質が向上するが、滑らかさや色彩感がそれに伴わないのは500シリーズと同じだ。今聞こえてくる音は、かなり高価なデジタルシステムで聞く音とほとんど変わらず、レコードを聞いているという感覚はほとんどない。

マイケルは無表情に歌うだけ。伴奏は正しく奏でられるだけ。そこに血の通った繋がりや、人間らしい感情の変化はない。ただし、この評価が「一般的に通用する」という保証はまったくない。アナログでは組み合わせの是非が、デジタルよりも遙かに優位だからだ。確実なのはVM750SHは、VM740MLよりもさらに音質が向上していることだ。豊富に取り出せた情報を、どういう風に料理するかはまた別の問題になる。

だから、VM760SLCを聞いた後、確認のためフォノイコライザーアンプをPhasemation EA-350に変えて聞き直してみようと思う。

ピアノの音は繊細で色彩感もそれなりに向上している。ウッドベースの音も良くなっているし、ボーカルもきめ細かくなっている。

しかし、なぜだかそれが「音楽的なイメージの向上」に結びついて行かない。こういう感覚は、アナログではなくデジタルでよく感じられることだ。ともかく、良い音だと感じられないので、良い評価を書くことが出来ない。原因がどこにあるかは、後ほど確認できる範囲内で探ってみよう。

VM750SHから出てくる音を「どう感じるか」はともかくとして、700シリーズはDP-500M付属カートリッジやaudio-technicaの低価格帯製品に比べ、圧倒的に音が細かく精度が高いことは間違いがない。この曲では、バイオリンの音が鳴り始める瞬間や、複数の弦が重なって鳴る部分での倍音構造の明瞭度は格段に向上している。

ただ、バイオリンの音の変化から、奏者の表情変化が読み取り辛いのは相変わらずだ。なぜそうなるのかも分からない。

長時間の試聴により私自身が疲れている影響もあるだろうが、伝わってこないことを書くことは出来ない。
自分の評論分に自信を持てないから、それぞれのカートリッジの音質は、この評価文ではなくYouTubeにアップロードしている「録音音源」で確認願いたい。

試聴の最後で気づいたのだが、たぶんカンチレバーが細長いためだろう「高域のどこかに固有の付帯音」が聞き取れた。もしかするとその「付帯音」が音楽を感じ取る障害になっていたのかも知れない。

VM760SLC メーカー希望小売価格 80,000円(税別)

 

ボリュームは固定しているが、また音量が一段と大きくなった。念のためカタログで出力電圧を確認するが、700シリーズはすべて同一になっている。サイズがそのままの空間に細やかな音が詰め込まれている。だから、ちょっと息苦しい。スピーカーではなく、高性能なヘッドホンで音楽を聞いているようだ。

ただ、音の細やかさや分解能力は半端ではない。このレコードから、この安価なプレーヤーからこれほどの情報量が取り出せるのかと感じるほど、すごい音が出ているのは間違いのない事実だ。もしかすると、レコードプレーヤーの限界をとっくに超えているのかも知れない。

演奏が機械的に聞こえてしまう欠点は相変わらずだが、音の細やかさは圧倒的と言えるほど向上している。

ウッドベースの音質、ピアノの複雑さ、ボーカルの変化など、すべての項目がVM750SHを大きく上回っている。この音ならば、3万円の価格差は納得できる。ただ、今回テストしているシステムには明らかに「行き過ぎ」ていることも間違いなさそうだ。

バイオリンは生音と比べて「重量感」が不足して音が軽く、色彩がモノトーンだ。そのネガティブなイメージを除けば、出てくる音は相当レベルが高い。レコードを聞いているとは思えないほど音は細かいし、不要な揺らぎがなく安定した音が出てくる。

繰り返しになるが、その情報量が音楽的な情報量増加や情緒的快感に繋がらないのは相変わらずだ。ただし、これほどまでの音質と情報量が再現されるのであれば、何かちょっとしたことでバランスが適正化されて「大化けする」可能性は高い。

今回の限られた条件では、VM760SLCの能力を引き出しきれなかった可能性が高い。

VM500/700シリーズ 総評

相性云々の問題はあるとしても、VM500シリーズのおすすめは最も廉価なVM510CBだと思います。すでに510CBよりも高価な500シリーズをお持ちなら、騙されたと思ってVM510CB用の交換針「VMN10CB メーカー希望小売価格 9,500円/税別」を購入されてはいかがでしょうか?少なくとも盤面の荒れたレコードや録音の悪いRock系のレコードは、より良い雰囲気で楽しめると思います。

VM700シリーズは、VM500シリーズとは別物に音が良くなっています。それをMercedes Benzのグレードに置き換えるならば、CクラスとSクラスの違いになります。また、価格と音質が比例しているとは思えなかったVM500シリーズと違い、VM700シリーズの価格と情報量の豊富さは、ほぼ正しく比例します。

VM700SLC 追加試聴

「色彩感が薄い」、「あるいはモノクロに感じられる」と言う問題は、すべてのVM700シリーズに共通して感じられた問題は、「再生システムとの相性」で改善し、音質が劇的に改善する可能性を否定できません。

その確認のため、フォノイコライザーアンプを真空管式のQUAD QC-24Pからトランジスター式のPhasemation EA-350に変えて、同じレコードを聞いてみることにしました。

音が重くなるのはある程度予想できたが、驚いたことに解像度感がQUAD QC-24Pよりも低下する。QUAD QC-24Pよりも情報量が激減してしまうことは、先に付属カートリッジでそれぞれのフォノイコライザーアンプを聞き比べた印象とは違う。

DP-500MとVM760SLCの組み合わせでは、Phasemation EA-350はQC-24Pよりも明らかに相性が悪い。

ボーカルはさらに薄く硬く、マイケルは苦しげに歌っているし、合いの手も「首を絞められた悲鳴」のように聞こえてくる。

ベースラインは切れが悪いし、パワーもない。改善を期待したが、逆に悪くなってしまった。

録音機のモニターで見ると「波形の立ち上がり」が早く、振幅も大きくなっている。波形の複雑さも、目で見て分かるほどの変化がある。

ピアノの音は重心が低く、とても細やかで指使いが鮮やかだ。ウッドベースの音は重みがある。ボーカルは、舌の動きまで見えるほど細やかに変化する。この音の変化に色彩の変化が伴えば、驚くほどよい音に変化するはずだ。

少なくとも、QC-24Pよりは良い音でこの曲を聴くことが出来た。

VM700シリーズでずっと引っかかっていた「高音のどこかに付帯音が絡みついていること」がフォノイコラーザーを変えたことで、ハッキリ感じ取れる。かなり高い倍音の帯域なので、もしかするとカンチレバーの共振音なのかも知れないが、バイオリンの音をやや不自然に感じさせる原因になっている。その部分を除けば、デジタルと比べて明らかに細やかで滑らかな音質だ。

けれどその音の良さが、逆に「アナログらしさ」を損なう原因になっているようにも感じられる。

ピカソの画風が抽象を極めたように、「曖昧さが創造力をかき立てる」のがアートの本質だと思う。だから、オーディオでは音楽の聞き手が、良い方向に想像を巡らすことの出来る曖昧さが必要だ。

アナログはアナログらしく「やや曖昧な音」で鳴る方が、私はそれらしくて良いと思う。正確無比でより細やかな音は、今なら最新のデジタルで取り出せる。VMシリーズを一挙に聞いて、そういう感想にたどり着いた。

明日は、audio-technicaのMCシリーズとPhasemationのEA300/500を聞き比べることにしよう。

audio-technica Phasemation MCカートリッジ聞き比べはこちらから御覧いただけます

2019年5月 逸品館代表 清原 裕介

 

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