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Goldring ゴールドリング MC、IM、MM型カートリッジ、音質比較テスト

 Legacy-MC Eroica-MC 2500/2300/2100-IM 1042/1006/Elektra-MM

  

 Project 2-Xperience-JPN

  

Goldring / ゴールドリング (輸入代理店ナスペックのHPから編集・転載)

Goldring(ゴールドリング)は、1906年ドイツのベルリンで蓄音機のアクセサリー製造の会社として設立され、その後カートリッジとアナログターンテーブルのリーディングカンパニーとして、100年以上に渡って人々に音楽の楽しみを提供してきました。

時代が変わり、Goldringはイングランドに移転します。使用されるツールも伝統的な顕微鏡から、コンピュータ・ビデオカメラに変わりましたが、微小な部品を手作業で作ることができる高度な技術とそのサウンド・クオリティは変わらず引き継がれています。

レコードとアナログサウンドを知り尽くしたと言える、その100年にわたる歴史とノウハウと英国伝統のクラフトマンシップによって、、Goldring(ゴールドリング)社は常に時代に則した先進的な技術を活かし、最高級使用から普及品まで幅広くラインナップされた音楽性の高い高性能カートリッジを生み出し続けています。

カートリッジとは?

レコードの溝には「音」がそのままの形で記録されています。針を使ってレコードの溝をトレースし、その音をそのまま大きくして聞くのが蓄音機です。

蓄音機では小さな音しか出せないので、レコードの溝から音を「電気信号」として取り出して増幅し、大きな音を出せるようにしたのが、私たちが聞いているレコード(LP/EP)です。

私たちのアナログシステムでは、レコードの溝に刻まれた音を電気信号に変換して取り出すために「カートリッジ」を使います。

振動を電気に変換するために電気が流れるコイルの周囲で、磁界が変化するとコイル電気が発生する「発電の原理(ローレンツ力)」が利用されます。中学の理科実験で習った記憶があると思いますが、コイルか、磁石のどちらかを動かすと磁界が変化し、コイルに電気が発生し「電球」がともります。理科の時間で習う「フレミング左手の法則」は、コイルと磁石を使って電気が発生する原理を簡単に説明したものです。

カートリッジには、レコードから音を拾うための「針(スタイラス)」それを発電部に伝えるための「棒(カンチレバー)」そして発電のための、コイルと磁石が必要です。

カンチレバーの先(針の反対側)に磁石が付いているタイプのカートリッジをMM(Moveing Magnet)型、コイルが付いているのをMC(Moveing Coil)型と呼んでいます。

MMカートリッジの仕組み

MMカートリッジは、カンチレバーの先端に取り付けられたMagnet(磁石)を動かして発電します。ダンパーで中央部が固定されたカンチレバーの両端には、針(スタイラス)と磁石が取り付けられ、てこの原理で針先の動きが磁石の動きになります。

上図では省略していますが、磁石の周りにはコイルが配置され、磁石が動くとコイルに電流が流れるようになっています。カートリッジから取り出せる電圧は、コイルの巻き数に比例しますが、MM型では巻き数の多い大きなコイルを使えるので、出力電圧を大きくできるという特徴があります。

MCカートリッジの仕組み

MCカートリッジは、カンチレバー両端に針(スタイラス)とコイルが取り付けられています。針先が動くとコイルに電気が発生します。

コイルに電流を発生させるためには「磁力(線)」が必要ですが、それを生み出すためにMC型カートリッジのボディー側には強力な磁石が配置されています。磁力線(磁石)が強ければ強いほど、コイルからより大きな電力を取り出せます。

重くても強力な磁石をボディー側に取り付けられるので、カンチレバーには軽いコイルが使えます。そのためMC型では動作する部分をMM型よりも軽くすることができ、レコードの溝に刻まれた信号をより繊細に拾い上げられます。慣性質量も小さく、動的な追従性にも優れるため、MM型よりも高性能とされています。ただし、コイルの巻き数(ターン数)を多くすると重くなるので、ターン数の少ないコイルが使われるため、MM型に比べて出力電圧が低くなります。

IMカートリッジの仕組み

MM、MC型のカートリッジでは、コイルと磁石だけを使います。しかし、磁石とコイルの間に磁性体を配置し、この磁性体を動かすことでもコイルの周りの磁力が変化し、コイルに電流が生まれます。

カンチレバーの先端に「鉄片」などを取り付けて、カートリッジ本体の磁石とコイルの間でそれを動かせば、コイルに電気が流れます。

一般的にはMM型の亜流のように思われているIM型ですが、小さな磁力線の変化で効率的に電力を発生させるための、強い磁石(思い)とターン数の多いコイル(重い)は、ボディー側に固定することができます。ボディー側に取り付けた強力な磁石と巻きターン数の多い大型コイルの間を「遮るようにで小さな鉄片(軽い)」を取り付け、それを動かせば、繊細かつ高い出力が得られます。

IM型は、小さな動的質量(慣性質量)にもかかわらず、MM型と同じ高い電圧を発生できるという優れた特徴を持っています。

聞き比べるカートリッジ

今回は、現在ナスペックが取り扱っているGoldring社のElite-MCをのぞく、カートリッジの全ラインナップを比較試聴しました。

価格は、2万円から18万円、方式もMM/MI/MCと様々です。下に今回聞き比べるカートリッジの主な仕様比較表を掲載します。

方式は「Elektra、1006、1042」がMM型、「2100、2300,2500」がIM型、「Eroica-LX、Eroica-H、Legacy」がMC型です。ただし、MC型でも「Eroica-H」は、MMポジションで使える高出力型MCカートリッジです。

針先形状の違い

カートリッジの音質は、発電方式(MM/MC/IM)によって大きく変わりますが、忘れてはいけないのが「針先の形状」です。

上の図は、カートリッジに使われている針先の形状を上下方向から見たときのイラストにしたものです。丸針〜楕円針〜ラインコンタクト針の順序で「レコードと接触する部分の面積が小さく鋭角になっている」ことがわかるでしょうか。

レコードと針先の接触する面積(部分)が小さくなれば、より小さな溝の変化まで追従し、細かい音が再現されます。

けれどあまりにも感度を高くすると、レコードに付いたほこりや小さな傷まで再現してしまうので、録音の悪いレコードや摩耗した状態の悪いレコードでは、ノイズが大きくなる欠点があります。

上の図は、今回テストするカートリッジの針先形状をほぼ正しいスケールでイラスト化したものです。丸針は「穏やかな曲線」でレコードに接するのに対し、ラインコンタクト針は「ほぼ点に近い」狭い面積でしか接触しないことがわかります。

今回テストするカートリッジで「丸針」は採用されていませんが、7*18(μm)の楕円針は、Elektra、1006、2100に採用されています。5*38のラインコンタクト針は、2500に使われています。

また、Goldringはラインコンタクト針にも二つの種類を採用しています。2500とLegacyには幅が狭い38-40μmのものが使われ、1042と2300、Eroicaには幅が広い100-120μmのものが使われています(上図)。

この二つのラインコンタクト針を横から見ると、上図のように幅が広いものの方が、角度が緩くなっていることがわかります。

ざくっとした感想ですが、今回聞き比べたカートリッジの音質の特徴は、MM/MC/IMという方式と出力電圧、そしてこの針先形状によって、その音質が特徴付けられたように思います。

電圧の高いMM/IM型は、MC型に比べるとパワー感に優れます。

6*100のラインコンタクト針は、5*38の針よりも「重心が低い」感じがしました。

ただし、これは今回のテストだけに当てはまり、一般的にはそうならないケース(例外)もあると思います。

各カートリッジの仕様

Goldring(ゴールドリング) Elektra メーカー希望小売価格 \21,000(税別)  交換針 \12,500(税別)

Goldring(ゴールドリング) 1006 メーカー希望小売価格 \50,000(税別)  交換針 \30,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) 1042 メーカー希望小売価格 \85,000(税別)  交換針 \55,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) 2100 メーカー希望小売価格 \35,000(税別)  交換針 \22,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) 2300 メーカー希望小売価格 \70,000(税別)  交換針 \54,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) 2500 メーカー希望小売価格 \100,000(税別)  交換針 \68,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) Eroica LX メーカー希望小売価格 \105,000(税別)  本体交換 \70,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) Eroica H メーカー希望小売価格 \115,000(税別)  本体交換 \78,000(税別)

Goldring(ゴールドリング) Legacy メーカー希望小売価格 \180,000(税別)  本体交換 \120,000(税別)

試聴環境

3号館常設のレコードプレーヤーは、Nottinghamですが、このモデルではカートリッジの交換が迅速に行えないので、ユニバーサルアームを搭載する「Project 2-Xperience JPN」を用意しました。

Project(プロジェクト) 2-Xperience-JPN 日本限定特別モデル メーカー希望小売価格 \300,000(税別) 

Project アナログ製品のご購入お問い合わせは、経験豊富な逸品館におまかせください。

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フォノイコライザーアンプには、真空管式のQUAD「QC24P」を使い、MCカートリッジはQC24Pが内蔵する昇圧トランスを使う「MCポジション」で試聴を行いました。

QUAD(クォード) QC24P 真空管式フォノイコライザーアンプ メーカー希望小売価格 \360,000(税別) 

QUAD クォード製品ご購入お問い合わせは、経験豊富な逸品館におまかせください。

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試聴は、MM、IM、MCの価格の安いものから高いものへの順に行い、音量を合わせた上で「48KHz/24bitのWAV形式」で録音を行いました。A/D変換には、「TASCAM UH7000」のAIRBOWカスタムモデルを使っています(このモデルの販売は行っていません)。録音は、Windows7のノートPCを使いましたが、UH7000のドライバーが優秀なためか、音の取り込み(録音)では、スタジオレベルの高音質が実現しています。

YouTubeの音声は、48KHz/24bitからAAC/320bpsに圧縮されたデジタル音声ですが、それでも「レコードで音楽を聞いているイメージ」はきちんと伝わると思います。

比較試聴の概要をYouTubeで見る

試聴したソフトは、音の良いレコードから選んだ3曲です。ジャズ、電気楽器を使った女性ボーカル、交響曲を聴きました。

音質比較評価

「ポップス」での音質比較をYouTubeで見られます。

価格は最も安いカートリッジですが、project 2-Xperience JPN+QUAD QC24Pとの組み合わせで、アナログらしい滑らかで色彩感のある音を聞かせてくれました。ボーカルの明瞭度、シンセサイザーの切れ味には少し甘さがありますが、気になる癖も少なく、十分な音質だと思います。穏やかで優しい音調です。

メーカー希望小売価格、5-10万円程度のレコードプレーヤーの付属カートリッジが寿命を迎えたら、交換用カートリッジと使うとグレードアップを実感していただけると思います。

カートリッジが2倍高くなると、同じMMでも音がグンと良くなります。Elektraですこし不満があった、シンセサイザーとボーカルの分離感、シンセサイザーの切れ込みの甘さが改善し、録音の良いレコードらしい透明感と鮮やかさが出てきました。シンセサイザーの響きの透明感も高く、さすがに5万円のカートリッジだと感じさせられます。

後半部分でレコードの傷によるプチプチノイズが入るのですが、ノイズの切れ味もエレクトラよりも優れていることで、1042のトランジェント(レコードの溝に刻まれた音に対する追従性)が改善していることがわかります。針先の形状は同じなので、発電系やカンチレバーなどの構造が音質に影響するのでしょう。

Elektraとの価格差は、3万円ほどですが、大切にレコードを聞くのであれば、これくらいのクォリティーは欲しいと思いました。

針先形状が楕円からラインコンタクトに変わった影響で、高域のレンジが伸びただけではなく、低域方向へのレンジも伸びています。1006と比べて音の深みが増し、ボーカルの説得力、ボーカルを盛り上げる伴奏の良さも際立ってきました。

音の品位も非常に高く、CD(デジタル)と比べても何ら遜色のない、音質が実現しています。

1006との価格差、3.5万円は納得できますが、カートリッジの価格が8.5万円まで上昇するので、この価格あれば、MCなど他のカートリッジにも手が届くので、他のモデルを聞いてから選択という感じになるでしょう。

価格的には、3.5万円とElektraと1006の中間あたりですが、音質は1006に近い感じがします。MM型からIM型に変わったからでしょうか?針先はElektraと同じですが、音の細やかさ、明瞭度、低音の量感が向上して、演奏がボリュームアップして感じられます。

また、設計が新しいためかも知れませんが、全体のバランスや音楽を聞かせる力、ニュアンスや表情が深く、しばらく聞いていると何に問題も感じる事なく、演奏に深く引き込まれて行きます。この音質、質感で3.5万円なら納得です。

カートリッジによるグレードアップを狙うなら、少し張り込んでもElektraよりもこちらを選びたいと思わせる音質です。

イントロ部分のシンセサイザーの響きが長くなり、音の透明感や深みが増しました。ボーカルもしっとりとした感じが出て、一層艶やかになっています。伴奏とボーカルの分離感も素晴らしく、演奏の味わいがグンと深まりました。また、この曲の主題である「寂しさ」もより深く、特別なニュアンスを帯びてきます。

じっくりと聞いていると、自分の感情が演奏と一体化し、自分の経験を振り返っている。そんな心情に気がつきました。

演奏がぐっと心の奥に入り込んでくる、そういう深みのある音でDreamingを聞かせてくれました。この音は好きです。

価格は7万円ですが、「レコードを特別な音で聞きたい」、「デジタルより良い音でレコードを聞きたい」とお考えなら、このモデルが一押しです。MMポジションで使えるのも便利で、音質的に有利です。

2300に比べて、さらに音が細かく品位が高くなりました。ただ低音の量感が少し減ったようにも思いますし、演奏が少し神経質な方向にシフトしているようにも思います。

アマンダさんの声の深みも薄まり、2500の音は心の奥に入ってきません。少し、表面的でさらりとした感じです。

私は2300の情感的な音が好きですが、2500のように、少し距離のある客観的な鳴り方を好まれる方もいらっしゃると思います。

2300/2500に比べると少し音が明るく感じます。IMとMCの差はそれほど大きいとは思いませんが、音の細部の細やかさが向上しています。2500とEroica-LXの価格はほとんど同じです。

MCカートリッジを使うには「MCポジション」が必要です。けれど、今までの経験ではかなり高価なフォノイコライザーアンプか、もしくは昇圧トランス(QUAD QC24Pは昇圧トランス内蔵)を使わなければ、MCカートリッジの音の良さは完全に発揮されることがありませんから、プリメインアンプ内蔵フォノイコライザー程度のシステムなら、冒険してMCを使うよりも良質なMM/IMカートリッジを組み合わせる方が音が良いはずです。

Eroica-LXは、良い音ですがIM型でベストサウンドを奏でた(私はそう思います)2300と比較しても、特別に優れているとは感じません。けれど、どうしてもMCにこだわりたいとお考えなら、この音は推薦できます。

Eroica-Hは出力が高いので、MMポジションで使えます。試聴は、QC24Pの入力をMCからMMに切り替えて行いました。

高出力MC型というと、通常のMCが頼りも音質が劣るように思いがちですが、全くそういう感じはありません。音の細やかさは、もしかするとほんの少し後退しているのかも知れませんが、エネルギー感や低音の量感、押し出し感はHがLXを確実に超えています。

MCカートリッジの出力はわずか「0.5mV」ほどしかありません。この微弱な電力を伝えるには、かなり高性能なケーブルなどが必要になると思います。せいぜい十万円程度のプレーヤーやフォノイコラーザーアンプを使うのであれば、LXよりも高出力のHを使う方が伝送ロスが小さくなって、MCよりも良い音でレコードが聞けるでしょう。

一音が出た瞬間から音の「深み」、演奏の「表現力」が俄然違うことが感じられます。シンセサイザーの音の変化、きらめくような純度の高い音。伴奏とボーカルの完全なマッチング。ボーカルの息づかいまで聞き取れそうなほど、細やかな変化。

すべてがフラッグシップモデルにふさわしいグレードに向上します。

特に音が重なった部分での分離感、情報量の違いは圧倒的で、これほどの音を聞かされてしまうと、やはり18万円という価格を納得せざるを得なくなります。

ここまで来ればやはり「MCは一段良い!」という感じがします。

ポップスで聞き比べた感想
Goldringは、老舗のカートリッジメーカーです。今回はMM/IM/MCの3種の方式、それぞれ3種類の合計9のカートリッジを比較しましたが、すべてのモデルの「音色」が統一されているところに、Goldring社の音作りの確かさを感じました。

一般的にオーディオ雑誌(評論家)やネットでは、MM型、MC型の音質は大差があって「MCが良い」とされているようです。けれど、今回の結果でもそうであったように私は経験的に「MCが絶対優位」とは考えていません。むしろ、使いこなしの難しいMCよりは出力電圧の高いMM/IMが、躍動感などの点で優位だと考えています。

けれど、最上級モデルで出力電圧が最も低いLegacyの音が最良だったので、「出力電圧が低い=音が悪い」という「考え方」も「万能」ではないとわかります。このレポートでは、実際に音を聞くことができるので、その音を聞いて判断していただければ確実だと思います。

この曲での比較試聴で、私が最も音が良いと感じたのは、「Legacy」です。しかし、価格(バリュー)を考えると「2300」が一推しになります。MCにこだわるなら、高出力の「Eroica-H」を選ぶのが良いと思います。

「Jazzボーカル」での音質比較をYouTubeで見られます。

ピアノの音色が優しく変化します。ウッドベースは低い音まで良く出て、量感豊かな響きです。ボーカルは少し濁りを感じますが、艶やかでいかにもレコードを聞いているという満足感があります。子音やリップノイズにも荒れがなく、滑らかです。

気になるのは、メリハリがやや効かないことで、ウッドベースが少しだらだらと響きすぎる事があります。

全体的には、アナログらしい穏やかな鳴り方に好感が持てました。

Elektraは、バラード系のゆっくりした曲にマッチするようです。

音像のフォーカスがシャープになって、ボーカルの口元が引き締まりました。きめ細やかさと、深みも増しています。

ウッドベースも響きがきちんと止まり、響きすぎる感じがなくなりました。

ピアノは、打鍵感がクッキリして金属的な響きと木質的な質感の混ざり合った上質なピアノの感じが良く出ます。

楽音の分離感が向上し、Elektraで気になっていた濁りが消えました。

このレコードを聞くのに、十分な音質です。

このソフトでは、Dreamingで聞き比べたときよりも1006と1042の「音質差」が小さいように思います。けれど、音楽の深みや品位はやはり違ってきます。

ボーカルは、少し上品で丁寧な感じになりました。ピアノも同様です。ウッドベースは、少し引っ込んだ感じで控えめです。

1006では、ライブハウスの演奏を聞いているようなイメージでしたが、それが1042ではホテルのラウンジで同じ演奏を聞いているようなより上質なものに変わりました。

1042は、1006に比べて、音が少し上品で、明るい1042は、ジャズよりもクラシックによりマッチしそうです。

価格が1/3になりましたが、ピアノの音質感はそれほど大きく変わらないように感じられます。ボーカルも少しフォーカスが甘くなり、細かい部分が聞き取りにくくなりましたが、表情はとても良く醸し出され、味わいは1042に引けを取りません。

ウッドベースの音は低く、Elektraよりも明らかに無駄な響きが少なくなっています。

それぞれの音の関係性が正しく、ダイレクトカッティングらしい「整然とした雰囲気の濃さ」が良く出ます。

レコードそのものの録音の良さ、カッティングの良さにも助けられているのでしょう。3.5万円のカートリッジとは思えない立派な音を聞かせてくれました。

2300の音は、2100ととてもよく似ています。違うのは、響きの透明感が高く(濁りが少なく)、それぞれの音の品位が高まることです。ボーカルは驚くほど丁寧に聞こえます。表情が驚くほどきめ細かく変化し、ボーカリストが力を入れたところとそうでないところの違いがハッキリと聞き取れます。ボーカリストの息づかい、ため息のような部分まで伝わってくるほどです。

ピアノは、上質で知的。ハンク・ジョーンズさんらしい、控えめながらもしっかりと鳴っている感じが良く出ます。

ウッドベースは、ピアノとボーカルを支えるようにしっかりと鳴っています。

その場の雰囲気がとても濃く、それぞれの奏者を取り巻く「空気感」までが再現されました。聞き惚れる音です。

峰純子さんの声は、体の脂肪が落ちてスキニーな感じになりました。本来はもう少し、ファットな感じのはずです。

Dreamingでも感じたのですが、2500の音は細かい反面、高域が伸び過ぎるのか低音の量感が不足しています。それが原因で、2300よりも音の重心が高くなり、演奏のボリューム感(豊かさ)が減っている感じです。やや「オーディオ的」に分解された音に感じられます。

このレコードでも、私は2500よりも2300の音が好きだと感じました。

ピアノの音は打鍵感が少し緩くなりましたが、響きの繊細さと音色の細やかさはぐっと向上しています。ボーカルは滑らかで上質ですが、2300と比べるとすこし軽く、やや「口先で謳っている」ようなイメージがあります。

滑らかさ、響きの良さも少し後退し、CDでこの曲を聞いているようにも感じられます。

音は良くなっていますが、音楽の表現力やバランスの良さでは、2300の方が優れていたように思います。

良い音ですが、なぜか少しクールに感じられました。

ピアノの音は、もう少し量感がある方が好きですが、元の音に近いという意味では、今まで聞いた8モデルの中で最良かも知れません。峰純子さんの声もそういう感じで、良い意味でも悪い意味でも「オーディオで正しい音を聞いている」という感じがします。

解像度は高く、その場の空気感もきちんと伝わります。ドラムのブラシワークもとても細かく再現されます。けれど、なんとなく暗く、雰囲気が重い感じです。

Goldring車のカートリッジの中でEroicaは好きなモデルで、個人的にも所有しているのですが、今回は2300に思いが偏っています。

Legacyは、やっぱり良いです。音が出た瞬間に「違う!」と思います。

シルクのような滑らかできめ細やいボーカル。ピアニストの指使いが見えるようなピアノの音。ベーシストが体を動かす様が伝わるようなウッドベースの音。「その場」が見て取れるほど、細やかな音にしびれます。

やっぱり「Legacy」はすごい音です。

価格的には、ortofonのSPU Synergyとほぼ同じですが、Legacyはヘッドシェルがないので、あらゆるプレーヤーの装着が可能です。Legacyでレコードを聞くと、デジタルとは違う「アナログの世界に酔いしれる」でしょう。

Jazzボーカルで聞き比べた感想
デジタル的な雰囲気もある「Dreaming」に比べて、完全にアナログ音源のみで構成され、編集されていない「ジェシー」では、それぞれのカートリッジの個性がより明確に反映されたように思いました。

「シンフォニー」での音質比較をYouTubeで見られます。

イントロのトランペットが伸びやかに響きます。その他のソフトではフォーカスの甘さが少し気になりましたが、この曲では全くそれが気になりません。音の数が多く、明確に楽器が定位しないように演奏されているシンフォニーは、分離感や解像度感よりも全体のバランスや、響きの豊かさが音楽の再現により大切だからでしょう。

下手なデジタル、ハイレゾでは楽器の音色の変化(色彩感)が痩せて、モノクロームのような音になります。Elektraは解像度でそれらに劣ったとしても、生演奏を聞いているような雰囲気の色彩感が実現するので、素晴らしいと思います。アナログの醍醐味がこの価格のカートリッジで引き出せるのはうれしいことです。

また、このレコードは盤面の荒れによるノイズが若干多いのですが、エッジの穏やかな楕円針ではそれがほとんど気になりませんでした。状態の良くないレコードは、丸針や楕円針で聞く方が、ノイズが小さくなるかも知れません。

イントロのトランペットの音が少し細くなりました。弦楽器の厚みも少し薄くなってしまったように感じます。

また、針先形状はElektraと同じなのに、Elektraでは聞こえなかった、チリチリというノイズが気になります。盤面の状態が悪くなってきているこのレコードとの相性では、1006はあまり良くないのかも知れません。

この曲では、1006の音の良さが上手く引き出されませんでした。

イントロのトランペットが生き生きと鳴ります。色彩感の鮮やかさが向上しているからでしょう。トランペットの音が太くなり、弦楽器の厚みも増しました。

これまでのソフトでは、1006と1042の音質差はそれほど大きく感じられなかったのですが、このソフトではとても大きく感じられます。また、1006で気になったチリチリというノイズも、1042ではあまり気になりません。

針先は、1006は楕円針の7*18μm、1042は5*120μmです。両端の鋭い1042の針先では、もっとノイズを拾うかと思ったのですが、意外にノイズが少ないのは「針先のどの部分がレコードに触れるか?」が関係しているのでしょう。

ノイズが多くなったレコードは、針先形状の違うカートリッジで聞くと、ノイズが低減するのかも知れません。

全体的に音が細かくなり、表現力や立体感がアップしました。

2100の針先形状はElektraや1006と同じです。けれど、ノイズは1006だけがきわめて大きく、Elektraと2100ではほとんど気になりません。針先形状だけではなく、それがレコードに当たる角度などが影響しているのでしょう。

音質はElektraに似ていますが、音がさらに細かく、デリケートな表現まできちんと伝わります。

ピアニシモからフォルテへの変化もスムースで、変化の対比が大きく、シンフォニーの大きいダイナミックレンジがリニアに引き出されます。かなり納得できる良い音です。

2300の音は、2100よりも明らかに細かく、透明感に優れています。高音が伸びていますが、中低音の厚みにも優れ、全体的なバランがもとても自然です。音の重なる部分での分離感に優れ、立体感も十分です。

音の変化への対応性に優れ、楽器の音色音量がくるくると変化し、チリチリノイズもほとんど気にならないので、レコードを聞くのが楽しくなります。ピアニシモでは、今までのカートリッジでは聞こえなかった細やかな音まで聞こえるようになりました。

生演奏を聞いている気分でレコードを聞けました。

イントロのトランペットの音が少し金属的で、やや薄っぺらく感じられます。弦楽器のボリュームもやや痩せて、楽器の数が減ったように感じられます。

2500の音は細かく、品位が高いのですが、どこか不自然です。それが原因で、オーディオで音を聞いているという意識が、いつまでも消えずに残るのです。

今回試聴したどのソフトでも、私は2500よりも2300の音を好ましいと感じました。

イントロのトランペットは、切れ味が良く鮮やかになります。弦楽器との分離感にも優れ、さすがにMCはひと味違うという音が出ます。楽器の数(音の数)が多いシンフォニーでは、カートリッジに対する評価軸が変わるのでしょうか。2300にくらべると音は少し暗く、演奏も重い感じがしますが、もともと明るい曲ではないので、それはあまり問題ではありません。それよりも、音が重なる部分、ハーモニーでの厚みが増していることが良い方向へと働くようです。

多くの楽器が使われる「シンフォニーの醍醐味」をEroica-LXは、味わわせてくれました。

イントロのトランペットは、音抜けが良くホールの天井が少し高くなったように感じられます。トランペットと弦楽器の絡みや、ハーモニーでの各楽器の構成もより緻密で正確になったように感じられます。

透明感や分離感でもLXに勝るように思います。

今回のテスト環境では、聞き比べた3曲共に出力の低いLXよりも出力の高いHの方が好印象でした。

イントロのトランペットがスムースに、すっと音が出てきます。弦楽器の重なりも重厚ですが、音が団子にならずに分離し、ハーモニーは細かな音が重なって形作られていることがよくわかります。

こういう音を聞くと、やはり「コストのかかったオーディオの音」は、ひと味違うと納得させられてしまいます。

言葉にするのは難しいのですが、Legacyで聞く「展覧会の絵」は、最上の席で生演奏を聞いているような雰囲気です。

もはやレコードを聞いている、オーディオを聞いているという意識は全くありません。良い演奏を聞いている。そういう気持ちだけがふつふつとわき上がってきます。

Legacyは質感に優れるだけでなく、情感にも訴える力が強いので始末に悪いのです。こんな音を聞かされると、思わず買いたくなってしまいます。

シンフォニーで聞き比べた感想
盤面がやや荒れてきたこのレコードでそれぞれのカートリッジを聞き比べると、ノイズの音量がカートリッジによって大きく変わることがわかります。ノイズが出始めたからといってそのレコードを見限るのではなく、カートリッジを変えればノイズが減り、駄目だと思っていたレコードが蘇るかも知れません。今回の比較試聴での新たな発見です。

出力電圧の高い「MM/IM」型は、総じてMCよりも力強く、躍動的な音を奏でます。けれど、楽器(音)の数が多く、ダイナミックレンジも広い交響曲では、MC型カートリッジの「音の良さ」が生きてきます。(都市)伝説的に交響曲には「SPU(MC型)」、ジャズには「Shure(MM型)」と言われる理由がよくわかりました。

MC型の「定番」は、ortofonとされています。けれど、ortofo SPUは評価できますが、それ以外のortofon MC型には「外れ」もありますから購入時にはよく知る人のアドバイスを参考にすると良いでしょう。

MM型の「定番」は、Shureとされていますが、これには異論があります。Shureは、Type3や5など複数所有しています。癖のない音ですが、やや乾いていてインストルメンタルなジャズや器楽曲には合いますが、女性ボーカルではもう少し艶があればと感じます。また交響曲を聞くには、解像度が物足りません。その点、今回テストしたGoldringのMM/IM型カートリッジは、Shureよりも音が細かく、粘りや艶も感じられるので、個人的にはこちらを好んで聞いています。

総合評価

アナログは、消耗するという欠点がありますが、工夫するという面白さがあります。

繊細さが要求されるアナログは、デジタルよりも奥深く、趣味性が高いと思います。

そして、自分が音を出している、自分で音を変えているという実感をデジタルよりも強く感じられるところも魅力です。

けれど残念なのは、大切なレコードを傷つけてしまったら、それがもう二度と手に入らないと言うことです。

大切なレコードは、盤面の状態が良いときに「デジタル化(デジタルアーカイブ化)」しておくと安心です。USBバスパワーで動作する、1〜2万円クラスのTASCAM USBインターフェイスでも十分な音質でデジタルライブラリー化が実現します。

現在「レコードをデジタルアーカイブ化する仕事」を行っています。少しでも音を良くするため、カートリッジやインターフェイスのテストを兼ねて、最近は「レコード関連」のレポートが多くなっています。当然「収録するフォーマット」もあらゆるタイプを試しています。その結果、収録するフォーマットは、48/96KHz 24bitが適当だと言う結果になりました。

192KHzまで周波数を上げて見ましたが、レコードにはそれほど高い周波数が入っていませんし、サンプリングする回数が増える分、量子化に伴う歪みが大きくなってしまいます。48KHzと96KHzは、わずかに違いを感じますが、決定的に大きな差はありません。どちらでも良いという感じですが、不安ならば96KHzを選ぶと良いと思います。

量子化ビット数、24bitと32bitは数万円程度のインターフェイズのアナログ回路は、それを反映するほど微細な信号には対応していませんから、再生する時に音質が反映されず、それなら24bitで十分という感じです。

日本のマニアは「数字」にこだわりすぎる傾向があります。国際的に見ても、日本の「数字競争」は、とても特殊に感じられるようです。それ以外にも初心者(中上級者も)を惑わせる迷信が、オーディオには様々あって、それが正しい選択や挑戦をを阻害しています。「これが絶対!」と決めつけて得をするのは、高いものを売ることで潤う雑誌社や評論家、メーカーです。当然彼らの主張は全く信頼できません。また、圧倒的に少ない経験から断定をするマニアの言うことも同様に「絶対」ではありません。

最近、Facebookのオーディオグループに入会し、毎日何十も書き込まれる記事をウォッチングしていますが、たいそう難しい言葉が並べられている割には「中身のレベルが低い」ことに驚かされます。また、断定型の書き込みは、経験者から見れば、ほとんど「スタートライン以下」のレベルでしかありません。けれど、それに目くじらを立てるのではなく、そこが「きっかけ(スタート)」となって、オーディオの楽しみに目覚めることもあることは間違いないので、ウォッチングに徹して見守っています。

オーディオは、何をしても音が変わります。だから、面白いし、その楽しみには、奥行きがあるのだと思います。否定せず、取り入れることができれば、一歩前に進めます。

2017年6月 逸品館代表 清原裕介 

 

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