HEGEL CDP2A CDP4A H2A H4A P2A P4A H1 H200 音質 比較 評価 テスト

北欧ノルウェーのオーディオメーカー HEGEL (ヘイゲル)の2007年に発売された全商品をテストしました。

2009年発売商品を含めで実施した、最新のHEGEL全製品音質テストはこちらからご覧頂けます。

HEGEL P4A HEGEL P2A

 

 

メーカー標準価格 ¥500,000(税別) メーカー標準価格 ¥300,000(税別)

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P4A とP2A の違いは何でしょうか?

P4A/P2Aは、共通の筐体、電源回路を搭載していますが、P4Aには、よりハイスペックコンポーネント、さらにより高精度なボリュームコンポーネントが採用され、P2A 以上に高度なラインアンプステージが構成されています。

このパーツと回路の違いにより、P4AはP2Aよりも大きなダイナミックレンジを持ち、P2A よりも低いカラーレーションとより優れた出力ドライブを提供します。

主な特徴(エレクトリホームページより抜粋)

P4A (mk2) ハイエンド プリアンプ P4A はデジタルコントロールボリュームアッテネータを使用しています。 また、新ラインゲインステージ、出力ラインドライバステージも使用 しています。 これにより、楽器類の正確な定位、よりスムーズなミッドレンジ及び高音域をリスナーに届けます。 ラインナップの要である、P4A は、どのような入力ソースからでも信号に何も追加、削除することなくHEGEL 最高品質で増幅出力します。

P4A は非常にユーザーフレンドリーな製品です。そのため、高度なミュージックシステム、また同等製品に関するオペレーション知識は必要あ りません。 ボタンは3 つしかありません。 それは音楽ソースの選択ボタン、オン/ オフ ボタン、電動ボリュームコントロールの3 つです。 

本機の入力ソース、ボリューム、ミュートは付属の17mm 厚のソリッドアルミニウムから切削加工されたRC2 リモコンで簡単に操作することが できます。この RC2 システムリモコンは、CD コントロールをはじめ全てのHEGEL 社製品のコントロールが可能です。 

P4A は、CD プレーヤ、SACD プレーヤ、DVD オーディプレーヤ、MD プレーヤ、カセットレコーダ、チューナー、TV セットのようなミュージッ クソース入力からの接続が可能です。 P4A は入力から出力まで真のバランス内部シグナルプロセシングを採用しています。また、アンバランス、バランス入出力双方を有しています。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラスト を施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。 

P4A は、ノルウェイの高級オーディオマガジン「Lyd & Bilde」により、2003 年度「High End Pre Amplifier of the Year」に選ばれました。 

P2A (mk2) ハイエンド プリアンプ P2A ハイエンド プリアンプ は、デジタルコントロール ボリュームアッテネータ、また革新的なラインゲインステージ、出力ラインドライバステー ジを使用しています。 これにより、楽器類の正確な定位、よりスムーズなミッドレンジ及び高音域をリスナーに届けます。

 プリアンプP2A は、HEGEL システムの要で、どのような入力ソースからでも信号に何も追加、削除することなく最新のアンプモジュールで増幅出力します。上級機のP4A と同じテクノロジープラットフォームをベースとし、P2A は、ハイパフォーマンス プリアンプラインステージと同じ機能、真の バランスシグナルプロセシングを提供します。

 P2A は非常にユーザーフレンドリーな製品です。そのため、高度なミュージックシステム、また同等製品に関するオペレーション知識は必要あ りません。 ボタンは3 つしかありません。 それは音楽ソースの選択ボタン、オン/ オフ ボタン、電動ボリュームコントロールの3 つです。 ノブは3 つしかありません。

本機の入力ソース、ボリューム、ミュートは付属の17mm 厚のソリッドアルミニウムから切削加工されたRC2 リモコンで簡単に操作することが できます。この RC2 システムリモコンは、CD コントロールをはじめ全てのHEGEL 社製品のコントロールが可能です。

P2A は、CD プレーヤ、SACD プレーヤ、DVD オーディプレーヤ、MD プレーヤ、カセットレコーダ、チューナー、TV セットのようなミュージッ クソース入力からの接続が可能です。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラスト を施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。 P2A は、Audiophile.no により「Reference プリアンプ」賞を受賞しています。

製品仕様

■周波数特性 : +/-0.05 dB 偏差以下 20Hz-20kHz
■位相応答: 0.5 度偏差以下 20Hz-20kHz
■入力: XLR バランス1 系統、RCA アンバランス(DVD、Tuner、CD、
Aux、Tape)
■出力: RCA アンバランス(PreOut 1 系統、TapeOut) 及びXLR バラン
ス1 系統
■ S/N 比: 115dB 以上
■クロストーク: -100 dB 以下
■高調波歪率: 0.0005% 以下
■混変調歪率: 0.001% (19kHz+20kHz) 以下
■消費電力:最大15W
■付属:RC2 リモートコントロール
■外形寸法/ 重量:W430 x H60 x D300(ノブ/ 端子含む)mm、10 Kg

製品仕様

■周波数特性 : +/-0.05 dB 偏差以下 20Hz-20kHz
■位相応答: 0.5 度偏差以下 20Hz-20kHz
■入力: XLR バランス1 系統、RCA アンバランス(DVD、Tuner、CD、Aux、Tape)
■出力: RCA アンバランス(PreOut 1 系統、TapeOut) 及びXLR バランス1 系統
■ S/N 比: 115dB 以上
■クロストーク: -100 dB 以下
■高調波歪率: 0.001% 以下
■混変調歪率: 0.001% (19kHz+20kHz) 以下
■消費電力:最大15W
■付属:RC2 リモートコントロール
■外形寸法/ 重量:W430 x H60 x D300(ノブ/ 端子含む)mm、10 Kg

HEGEL H4A HEGEL H2A

 

 

メーカー標準価格 ¥900,000 メーカー標準価格 ¥500,000(税別)

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生産完了

主な特徴(エレクトリホームページより抜粋)

H4A の各チャンネルは、電圧ゲインと電流ゲインステージが完全に分けられています。 リスナーは、より高いダイナミックレンジ、よりよい楽
器の位置、より幅広いサウンドフィールドが得られます。 可聴周波数レンジ全体にわたるダイナミックレンジの減少といういわゆる「トランジ
スタサウンド」を完全に排除、H4A サウンドは、細部までダイナミズムが損なわれることなく、高解像度のサウンドステージを持ち、スムーズ
で温かく、また明解かつパワフルなサウンドを提供します。

H4A は、増幅ステージに独自の新しく改善されたSoundEngine テクノロジー回路を使用しています。
■HEGEL SoundEngine テクノロジー
音の再生においてよくある問題は、入力ソースから出力ソースへの行程で信号が歪む、ということです。 HEGEL は、その弱点を克服した
SoundEngine テクノロジーをデザインし、シリアルアンプブロックを使用するすべてのアンプで採用しています。HEGEL 特許のSoundEngine
ローカル補正システムは、各回路ブロックの歪みを防ぎ、また音楽信号の詳細とダイナミックレンジを保護します。増幅ステージにおける歪みの修正が必要な場合、グローバルなネガティブフィードバックではなく、ローカルな適応フィードフォワードテクノロジーを使用、 最終的により
大きいダイナミックレンジとより低歪みのクリーンなミュージック信号となります。この独自のHEGEL SoundEngine テクノロジーは、クラス
AB アンプの長所及びクラスA アンプの長所を持ち、クラスA、クラスAB アンプの欠点を取り除きました。H2A は、非常にダイナミック、パワフルなベース、高い解像度、精緻なサウンドステージ、スムーズなミッドレンジをスピーカーから提供します。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラストを施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。H4A はLyd & Bilde(ノルウェーでもっとも有名なオーディオマガジン)にて「High End Pre Amplifier of the Year」を受賞しました。 

H2A はデュアルモノ構造で、各チャンネルは、電圧ゲインと電流ゲインステージが完全に分けられています。 リスナーは、より高いダイナミッ
クレンジ、より正確な楽器の位置、よりスムーズな高周波数が得られます。 可聴周波数レンジ全体にわたるダイナミックレンジの減少といういわ
ゆる「トランジスタサウンド」を完全に排除、H2A サウンドは、細部までダイナミズムが損なわれることなく、高解像度のサウンドステージを持ち、
スムーズで温かく、また明解かつパワフルなサウンドを提供します。

H2A パワーアンプは、H4A Reference アンプの兄弟アンプといえます。 より大型のH4A Reference アンプと同じテクノロジーを基に、H2Aは同じ機能、パワフルな2x160W/8 Ω、2x400W/2 Ωを提供します。 HEGEL は、入念に造られた特徴的なカーブを持つフロントパネル、前面に1つの電源ボタンをもつ珍しいユーザーフレンドリーな製品となっています。しかし、この穏やかなフロントパネル内部には、最強のパワーリザーブがあり、非常に厳しいスピーカ負荷にも十分な130A 以上の電流出力信号を供給することができます。H2A は、大型で複雑なスピーカーを駆動させるためだけにデザインされたわけではありません。これはまた、きめ細かく、繊細、正確であり、小型及び中型サイズのスピーカーとの併用が可能です。

H2A は、増幅ステージに独自の新しく改善されたSoundEngine テクノロジー回路を使用しています。
■HEGEL SoundEngine テクノロジー
音の再生においてよくある問題は、入力ソースから出力ソースへの行程で信号が歪む、ということです。 HEGEL は、その弱点を克服した
SoundEngine テクノロジーをデザインし、シリアルアンプブロックを使用するすべてのアンプで採用しています。HEGEL 特許のSoundEngine
ローカル補正システムは、各回路ブロックの歪みを防ぎ、また音楽信号の詳細とダイナミックレンジを保護します。増幅ステージにおける歪みの
修正が必要な場合、グローバルなネガティブフィードバックではなく、ローカルな適応フィードフォワードテクノロジーを使用、 最終的により大
きいダイナミックレンジとより低歪みのクリーンなミュージック信号となります。この独自のHegel SoundEngine テクノロジーは、クラスAB
アンプの長所及びクラスA アンプの長所を持ち、クラスA、クラスAB アンプの欠点を取り除きました。H2A は、非常にダイナミック、パワフ
ルなベース、高い解像度、精緻なサウンドステージ、スムーズなミッドレンジをスピーカーから提供します。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラスト
を施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。フロントの青いコントロールライトはアンプがオン状態であるこ
とを示しています。

製品仕様

■出力 : 300W+300W (8 Ω ) デュアルモノラル構成
■入力: RCA アンバランス及びXLR バランス
■スピーカー出力: 2 ペアのバインディングポスト
■周波数応答: +/- 0.2 dB 偏差以下 20Hz-20kHz
■位相応答: 2 度偏差以下 20Hz-20kHz
■ S/N 比: 100dB 以下
■クロストーク: -100dB 以下
■高調波歪率: 0.004% 以下(8 Ω、100W)
■混変調:0.01% (19kHz + 20kHz) 以下
■ダンピングファクター:1000 以上
■消費電力:最大1050W
■外形寸法:W430 x H210 x D550(ノブ/ 端子含む)mm

■質量:45 Kg

製品仕様

■出力 :160W+160W (8 Ω ) 200W+200W (2 Ω ) デュアルモノラル構成
■入力: RCA アンバランス及びXLR バランス
■スピーカー出力: 2 ペアのバインディングポスト
■周波数応答: +/- 0.2 dB 偏差以下 20Hz-20kHz
■位相応答: 2 度偏差以下 20Hz-20kHz
■ S/N 比: 100dB 以下
■クロストーク: -100dB 以下
■高調波歪率: 0.006% 以下(8 Ω、100W)
■混変調:0.01% (19kHz + 20kHz) 以下
■ダンピングファクター:1000 以上
■消費電力:最大700W
■外形寸法:W430 x H120 x D370(ノブ/ 端子含む)mm

■質量:25 Kg

試聴リポート

プリアンプのP2A/P4Aの外観は同じ。なぜこんなことから書き始めたかというと、H2AにP2Aを繋ぐところを誤ってP4Aを繋いで聞き始めてしまったからだ。

P4AとH2Aの組合せ

いつも通り、価格表を見る前にJAZZから聞いてみる。組み合わせたスピーカーは、VIENNA ACOUSTICSのT3G。第一印象「低域が甘い」。T3Gは、元々低域の引き締まったスピーカーではなく、どちらかというと低域がやや甘い。セパレートアンプなら、この低域を何とかして欲しいと期待するのだが・・・。とりあえず「がまん」しながら、CD一枚を聴き終える。ディスクを換えて2枚目。さすがにスピーカーの前でずっと音だけを聴いていられるほど、時間の余裕はないので仕事をしながら聞き続けることにする。

2時間ほど経過した頃だろうか?気付かない間に、気持ちいい音に変わっている。気になっていた低域の甘さも感じられない。静かな山間をゆったりと流れる清流のような音。きめ細やかで、滑らか。艶のある透明感。色彩感覚が少し薄めだが、それは繋いでいるAIRBOW DV15BLACK/SPECIALの影響もあるはずだ。期待以上のナチュラルで滑らかな音。この音なら、同じ価格帯の国産製品と比較しても十分なアドバンテージが期待できる。

P2AとH2Aの組合せ

ここで、プリアンプをP2Aに変える。その時にプリアンプの価格を調べてみると、P4Aが50万円でP2Aが30万円。20万円分のグレードダウンになる。ウォームアップなしでP2Aから音を出す。「えっ!」と思うほどP4Aとの差を感じない。外観が同じだからP4Aと間違えていないか?もう一度確認する。間違いなくP2Aが繋がっている。耳を凝らして聴いてみると、確かにP4Aよりもやや情報量が希薄(音が少ない)だ。しかし、音作りが巧みなためかありがたいことに音質のグレードダウンがそのまま音楽のグレードダウンにはなっていないのはさすがと褒めるべきだろう。

P4Aで聴くJAZZと同じように、ややクールでウェットなサウンド。チェリビダッケが振るブルックナーが似合いそうなサウンドだ。ディスクをヒラリー・ハーンの「J.S.BACH バイオリン協奏曲」に変える。木陰を抜ける一陣の涼風のような爽やかなサウンド。楽器の音を派手なコントラスト感で演出するのではなく、上質な薄絹のように自然な風合いで柔らかくきめ細やかに再現する。低音もオーケストラの量感を再現するには十分だ。

生産地が比較的近いためか?T3Gと音の傾向は、とてもマッチしているように感じられる。北欧系のJAZZやPOPSを聴いたことがあるなら、その録音を思い起こせばHEGELの音の方向は理解できるだろう。清々しく瑞々しい音だ。澄み切った空気の中に佇む針葉樹林を思わせるような、深く静かなサウンド。ウィーンという言葉から連想される「水気のある透明感」、「静けさ」を強く感じさせるサウンドは、「明るく艶やか」で「躍動感」の固まりのようなAMPZILLAとは好対照だ。

再びP4AとH2Aの組合せ

P2AとP4Aの音質確認のため、もう一度プリアンプをP4Aに換えてみる。

印象はまったく変わらないが、きめ細やかさと艶やかさが向上する。各楽器の分離感も若干上がっている。確実に音は良くなっている。じっくり聞き続けているとじわじわと違いが伝わってくる。元に戻すのは躊躇われるほどの差は、十分に感じられるが、その差を理解できるのはかなりの「音楽好き」に限られるだろう。だから、P2AとP4Aの差は、音質を向上させるというよりも、高い機種を使っている安心感のウェイトの方が高いと言うべきだ。それぞれの音をデジカメにたとえるならP2Aが100-150万画素ならP4Aは、200万画素に相当する。価格や製品のグレードから想像するよりも、差はやはり小さい。電源ケーブルの交換でもこれ以上の音質差が出ることがあるだろう。プレゼントとして受け取るならP4A、自分で買うならP2Aを選びたい。

機械的なことでアンプを判断したくないから、普段は絶対にやらないのだが、あまりにも音が似ているし、外観からは差異が一切分からないので、本当に違いがあるのかどうか?確認のため中を開けてみた。驚いたことに、電源回路や増幅回路はまったく同じ。上級機では、増幅回路のICに高級なモデルが使われているようだが(P2Aでは、オペアンプの種類は読み取れたが、P4Aでは文字は削り取られていた)確認はできない。説明書通り、P2AとP4Aの機械的な違いはほんの僅かのようだ。

P2Aに搭載されているオペアンプは、高級オーディオ機器によく使われている「バーブラウン」だ。形式の公表は避けるが、「バーブラウン」の特徴をよくご存じの方なら、HEGELのプリアンプの音もおおよそ想像できるのではないだろうか?

オペアンプが使われていると聞いて、顔をしかめるオーディオファンの為にひと言付け加えたい。確かに一部のオーディオメーカーでは、未だにオーディオ機器へのオペアンプの使用を頑なに拒否しているメーカーがある。しかし、よほど良くできた回路でない限り「ディスクリート回路」が「オペアンプ」の音質を越えることはない。それほど、最近のオペアンプの性能は向上している。もちろん安定した音質の製品を供給するためには、アンプの回路にディスクリートよりもオペアンプを採用する方が遙かに優れている。修理も容易い。高級プリアンプにオペアンプを搭載したHEGELの見識と合理性を高く評価したい。

P4AとH4Aの組合せ

プリアンプは、P4AのままでパワーアンプをH4Aに変える。

音を出した直後は、ウォーミングアップが終わっていないのでH2Aの聞き始めの時と同じように低域がやや甘く、全体的にベールが掛かっているような感触だ。それでも中低域の厚みの向上から、パワーアンプのサイズや重量の違いを如実に感じさせられる。H4Aの真の実力を引き出すため、CDを連続演奏してアンプを十分ウォーミングアップする。

ウォーニングアップが終わったところでヒラリー・ハーンから聴いてみる。弦の厚みやオーケストラの編成が確実に大きくなる。バックのバイオリンの数が増えたようだ。コンサートマスターの音は一段と冴えを増し、切れ込みが鋭くなりバックとのコントラストも鮮やかだ。全体的に数割〜5割程度の音質の向上を感じるが、価格さほど音質差があるか?と問われれば、少し疑問を感じなくもない。

ソフトをJAZZに変える。ベースの弾力や管楽器の切れ味、ピアノの打鍵感は、大きく向上しそれぞれの音の「芯」がしっかりとする。リズムセクションの骨格がしっかりと骨太になるので、JAZZの「ノリ」や「躍動」がパワフルなエネルギー感を伴うようになる。音の厚みが増し、音楽が一段と生々しくなったイメージだ。

プリアンプとパワーアンプの全体的な印象

HEGELセパレートアンプの音質と価格とを照らし合わせて考えてみる。

P2A+H2Aは、80万円。プリメインアンプの価格帯を超えるが、音質もプリメインアンプを確実に凌駕するレベルにある。この価格帯で購入できる内外のセパレートアンプと比べたとしても、その価格を正当化できるだけの実力が十分にあるはずだ。

P4A+H4Aは、140万円。この価格帯のセパレートアンプとしては、標準的かあるいはそれをやや上回る音質に感じられる。しかし、セット180万円に予算を上げられるなら、私のお気に入りAMBROSIA+AMPZILLA2000が手に入る。

それぞれのアンプの印象を女性にたとえるなら、AMPZILLAは、色っぽく饒舌で活発な女性。HEGELは、淑やかで品のある物静かな女性に感じられた。正反対と言って差し支えないほど、それぞれの音質の傾向はまったく違うが、私に価格差を納得させるのはAMPZILLA+AMBROSIAの組合せだ。

HEGELセパレートアンプ4機種の試聴では、上級モデルと比べても引けを取らないほどの性能があり、同価格帯のアンプの中ではトップクラスの実力を持つ、P2A+H2Aがベストチョイスに感じられた。

HEGEL CDP4A HEGEL CDP2A

 

 

メーカー標準価格 ¥500,000(税別) メーカー標準価格 ¥300,000(税別)

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主な特徴(エレクトリホームページより抜粋)

CDP4A は、全く新しいデジタルフィルタを使用しています。これは非常に低いレベルにおいてもパルス波形を歪みから守ります。新デジタルフィルタにより、高解像度、細密なサウンドが得られます。これは以前と比べ極端に歪みが低くなっています。 CDP4A は、楽器の正確な位置、よりスムーズなミッドレンジ及び高音域をリスナーにお届けします。

たった2 つのコントロールボタンしか持たないCD プレーヤを想像してみて下さい。 他のCD プレーヤ同様、CDP4A は音楽を再生します。 し
かし、より素晴らしく再生するのです! CDP4A は、この確約と気品をお届けします。 受賞経験のあるデザイン、シンプルなコントロール、際立ったサウンドを持つ優れた名品で、機能的な彫刻品ともいえます。
CD に録音されたアナログミュージックの体験を再現する、ということに関してHEGEL CDP4A 以上のCD プレーヤはありません。

真のバランス変換のためのマルチレベル24 ビット、352kHz DA コンバータ(同期アップサンプリング付き)、HEGEL 社独自のアナログステー
ジが高度なサーフェイスマウント オーディオサーキットボード上に装備されています。 CDP4A はより高精度で極めて低いジッタレベルを持つ
HEGEL 社製SuperClock2 を使用しています。CDP4A はより高精度コンポーネントパーツを採用、より高度なパワーサプライ、進歩したサーキットボードを使用し、大きなダイナミックレンジを持ちながら、CDP2A よりも低いカラーレーション、よりよい出力ドライブを有しています。

左のコントロールボタン(加えて、オン/ オフボタン)は、プッシュ位置によってCD の様々なトラックをナビゲートすることができます。 右のボタン操作も同様に、再生を開始/ 停止し、さらにCD トレイをオープン/ クローズする機能を持っています。 これは非常に使いやすく、また他のHEGEL システムのコンポーネントと見事にマッチします。CD コントロールは、プリアンプコントロールを兼ね、17mm 厚のソリッドアルミニウムから切削加工されたHEGEL RC2 リモコンが付属しています。

CDP4A は、デジタル/ アナログ出力を装備、トランスフォーマーバランスデジタル出力は、外部DA コンバータ、MiniDisc プレーヤに、またコンピュータもしくはCD レコーダーへ音楽データを送信するのに最適です。 CDP4A はどのようなタイプのミュージックシステムとも使用することができます。しかし、HEGEL の画期的な音楽再生技術をトータルで最大限活用するため、弊社プリアンプ/ パワーアンプと組み合わせて
ご使用されることをお勧めします。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラストを施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。 このインダストリアルデザインは、Norwegian Design Councilにより優秀デザイン賞を受賞しました。 

この素晴らしいハイエンドCD プレーヤは、HEGEL 社reference CDP4A プレーヤ同様、同じテクノロジープラットフォームをベースとしています。 これはCDP4A と同じパワーサプライ、プロセッサコントロールシステムを使用しています。また、完全なバランス マルチレベル24 ビット192kHz のDA コンバータ(同期アップサンプリング付き)を採用しています。

たった2 つのコントロールボタンしか持たないCD プレーヤーを想像してみて下さい。 他のCD プレーヤ同様、CDP2A は音楽を再生します、 しかし、より素晴らしく再生するのです! CDP2A は、この確約と気品をお届けします。 受賞経験のあるデザイン、シンプルなコントロール、際立ったサウンドを持つ優れた名品で、機能的な彫刻品ともいえます。 プレーヤにはRC2 リモートコントロールが付属しています。CD に録音されたアナログミュージックの体験を再現する、ということに関してこの価格帯でCDP2A 以上のCD プレーヤはありません。

真のバランス変換のためのマルチレベル24 ビット、192kHz コンバータ、HEGEL 社独自のアナログステージが高度なサーフェイスマウントオー
ディオサーキットボード上に装備されています。 CDP2A 高精度で低いジッタレベルを持つHEGEL 社製SuperClock を使用しています。
左のコントロールボタン(加えて、オン/ オフボタン)は、プッシュ位置によってCD の様々なトラックをナビゲートできます。 右のボタン操作も同様に、再生を開始/ 停止し、さらにCD トレイをオープン/ クローズする機能を持ちます。 これは非常に使いやすく、また他のHEGELシステムのコンポーネントと見事にマッチします。CD コントロールは、プリアンプコントロールを兼ね、17mm 厚のソリッドアルミニウムから切削加工されたHEGEL RC2 リモコンが付属しています。

CDP2A は、デジタル/ アナログ出力を装備、デジタル出力は外部DA コンバータ、MiniDisc プレーヤに使用する、またはコンピュータもしくはCD レコーダーへ音楽データを送信するのに最適です。 CDP2A は、どのようなタイプのミュージックシステムとも使用することができます。しかし、HEGEL の画期的な音楽再生技術をトータルで最大限活用するため、弊社インテグレーテッドアンプなどと組み合わせてご使用されることをお勧めします。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラスト
を施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。CDP2A は、Hi-Fi Choice マガジン社主催の「Best Buy」賞を受賞しました。 また、Norwegian マガジン社「Lyd & Bilde」にて、2006-2007 年度CD プレーヤ賞、また、Swedish マガジン社「Bild och Ljud」にて、2006-2007 年度CD プレーヤ賞を受賞しました。

製品仕様

■ DAC : 24 ビット352kHz マルチレベル DAC 
  (同期アンサンプリング付き)
■ Hegel SuperClock 2 ジッタレベル: 10ps 以下
■アナログ出力: RCA アンバランス及びXLR バランス
■デジタル出力: 75 Ω SPDIF RCA コネクタ
■周波数応答: +/- 0.1dB 偏差以下 20kHz
■位相応答: リニア位相フィルタ
■ノイズフロアー: -130dB 以下
■クロストーク: -100dB 以下
■高調波歪率: 0.002% 以下
■混変調: -110dB (19kHz + 20kHz) 以下
■信号レベル: バランス、アンバランス出力用2.3V
■消費電力:最大20W
■付属:RC2 リモートコントロール
■外形寸法:W430 x H80 x D290(ノブ/ 端子含む)mm
■質量:10 Kg

製品仕様

■DAC : 24 ビット192kHz マルチレベル DAC
  (同期アンサンプリング付き)
■ Hegel SuperClock  ジッタレベル: 14ps 以下
■アナログ出力: RCA アンバランス及びXLR バランス
■デジタル出力: 75 Ω SPDIF RCA コネクタ
■周波数応答: +/- 0.1dB 偏差以下 20kHz
■位相応答: リニア位相フィルタ
■ノイズフロアー: -120dB 以下
■クロストーク: -100dB 以下
■高調波歪率: 0.002% 以下
■混変調: -110dB (19kHz + 20kHz) 以下
■信号レベル: バランス、アンバランス出力用2.3V
■消費電力:最大20W
■付属:RC2 リモートコントロール
■外形寸法/W430 x H80 x D290(ノブ/ 端子含む)mm
■質量:10 Kg

HEGEL H200 HEGEL H1

 

 

メーカー標準価格 ¥500,000(税別) メーカー標準価格 ¥300,000(税別)

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主な特徴(エレクトリホームページより抜粋)

H200 の企画は、P2A プリアンプ技術の新しいデジタルコントロールデバイス アクティブプリアンプステージ及びH2A / H4A パワーアンプと
同じ新しく改善されたSoundEngine アンプテクノロジーを基にした、新世代のアンプを創ることでした。主なゴールは、1 つのシャーシにH2A / H4A のパワフルでダイナミックなプレゼンテーションを保ちつつ、非常に分かりやすいプリアンプステージを組み込む、ということです。

H200 ハイエンドインテグレーテッドアンプは、パワフルな出力 2x200W(8 Ω )、2x350W(4 Ω ) を誇り、またデュアルモノパワーサプライを搭載、H1 以上にダイナミックなアンプとなりました。

可聴周波数レンジ全体にわたるダイナミックレンジの減少といういわゆる「トランジスタサウンド」を完全に排除、H200 サウンドは、細部まで
ダイナミズムが損なわれることなく、高解像度のサウンドステージを持ち、スムーズで温かく、また明解かつパワフルなサウンドを提供します。

H200 は、インテグレーテッドアンプH1 及びプリアンプP2A/ パワーアンプH2A 間のギャップを埋めます。 H200 の新機能は、外部サラウン
ドサウンドシステムとともに使用するためのホームシアター用入力です。H200 はリレースイッチ入力ソースセレクタを採用しています。また、様々なタイプのミュージックソースからの接続が可能です。 ディスプレイには、選択された入力ソースと、ボリュームセッティングが表示されます。 入力にはバランス、アンバランス双方を兼ね備えています。
H200 の入力ソース及びボリュームは、17mm 厚のソリッドアルミニウムから切削加工されたHEGEL RC2 リモコンでコントロール可能です。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラストを施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。

H1 は、H200 インテグレーテッドアンプの技術を基にしています。 H1は、H200 より新デジタルコントロール アクティブプリアンプステージ技術、並びに新しく改善されたSoundEngine アンプテクノロジーを取り入れています。

可聴周波数レンジ全体にわたるダイナミックレンジの減少といういわゆる「トランジスタサウンド」を完全に排除、H1 サウンドは、細部までダイナミズムが損なわれることなく、スムーズで温かく、また明解なサウンドを提供します。インテグレーテッドアンプH1 は、HEGEL 製品の中では価格的にエントリーレベルの製品ですが、 H200 アンプより新技術を取り入れ、アップグレードしています。 

H1 のフロントパネルは、特徴的なHegel カーブとなっています。また、入力ソース及びボリュームは、17mm 厚のソリッドアルミニウムから切削加工されたHEGEL RC2 リモコンでコントロール可能です。

H1 は、リレースイッチ入力ソースセレクタを採用しています。また、様々なタイプのミュージックソースからの接続が可能です。パワーアンプ部は非常に高い出力 2x120W/8 Ω、2x200W/4 Ωを持ち、厳しいスピーカー負荷を適切に駆動します。 H1 は、70A を超える出力信号電流を伝えることができ、非常にダイナミック、パワフルなベース、高い解像度、精緻なサウンドステージ、スムーズなミッドレンジをスピーカーから提供します。

本機のフロントパネルは緩やかなHEGEL 曲線に切削された無垢のアルミニウムの表面に微小なガラスビーズによるショットピーニングブラスト
を施し表面硬度を上げ、独特の美しい風合いを持つパールシルバー仕上げです。

H1入力には、バランス信号ケーブル用コネクタを装備しています。 スピーカーコネクタは、最高品質のバインディングポストとなっています。

製品仕様

■周波数特性 : +/-0.2 dB 偏差以下 20Hz-20kHz
■位相応答: 2 度偏差以下 20Hz-20kHz
■出力:200W+200W (8 Ω ) デュアルモノラル構成
■入力: XLR バランス1 系統、RCA アンバランス(CD、AUX、Ht 入力/ ホームシアター用Max Volume/ バイパス)
■プリ出力: RCA アンバランス(PreOut x2、RecOut x1)
■スピーカー出力:2 ペアバインディングポスト
■ S/N 比: 100dB 以上
■クロストーク: -100 dB 以下
■高調波歪率: 0.01% 以下 (8 Ω、100W)
■混変調歪率: 0.01% (19kHz+20kHz) 以下
■ダンピングファクター: 1000 以上
■消費電力:最大700W
■付属:RC2 リモートコントロール
■外形寸法:W430 x H120 x D380(ノブ/ 端子含む)mm
■質量:25 Kg

製品仕様

■周波数特性 : +/-0.02 dB 偏差以下 20Hz-20kHz
■位相応答: 2 度偏差以下 20Hz-20kHz
■出力:120W+120W (8 Ω )
■ 入力: XLR バランス1 系統、RCA アンバランス(DVD、CD、Tape、
Tuner、AUX)
■プリ出力: RCA アンバランス(PreOut x2、Tape/RecOut x1)
■スピーカー出力:1 系統バインディングポスト
■ S/N 比: 100dB 以上
■クロストーク: -100 dB 以下
■高調波歪率: 0.005% 以下 (8 Ω、50W)
■混変調歪率: 0.01% (19kHz+20kHz) 以下
■ダンピングファクター: 1000 以上
■消費電力:最大400W
■付属:RC2 リモートコントロール
■外形寸法/ 重量:W430 x H80 x D480(ノブ/ 端子含む)mm

■質量:15 Kg

試聴リポート

CDP2A

アンプはP4A+H4Aのまま、プレーヤーをAIRBOW DV15Black Special(以後DV15BSP)から、HEGEL CDP2Aに変える。 

試聴するのは、引き続きJAZZ。DV15BSPに比べ、厚みとコクが出る。音のきめ細やかさは、大きく変わらないが、空間の広がり空気感は、専用プレーヤーならでは。ひと味違う良さを出してくる。ピアノが躍動し、シンバルのリズムが心地よい。テナーSAXも肉厚になる。全体としてJAZZらしい躍動感が出てくるが、押し出しはやや控えめでエッジは上品で滑らか。どちらかと言えば、バラード系の静かなJAZZによりマッチしそうなサウンドだ。

CDをヒラリー・ハーンに変える。透明感の高さが特徴的だったアンプとは違って、CDプレーヤーの音は「非常に濃く」感じられる。JAZZで感じたのと同じ印象だ。EMT986ほどではないが、色彩の濃さはかなりのものだ。雰囲気もかなり色濃く再現される。この「濃さ」は、UNISONI-RESEARCH CDP/CDを越えるはずだ。その反面、音の細やかさレンジの広さは、30万円という価格を考えた場合、ちょっと物足りない感がある。雰囲気や音楽性は十分以上のものがあるのだが、音質(クオリティー)では、国産の同クラスの製品を越えることはないだろう。

しかし、そのどちらで音楽を聴くか?と問われれば、私なら間違いなくHEGELを選ぶ。音楽を聴いて楽しめる音だからだ。

CDP4A

ソフトは変えずにCDP4Aを聴く。 音が出た瞬間から、ハッキリ感(明瞭度感)にかなりの違いを感じる。音の輪郭がクッキリしてシャープだ。バイオリンの音の冴えにかなりの違いが出る。音がハッキリすることでCDP2Aで演出されていた「音の濃さ」はやや減退するが、それは悪いことではない。全体的にクオリティーが上がったことで癖は抜けるが、音楽の再現性は確実に高まったからだ。コンサートマスターと伴奏が細かく分離し、それぞれの関係がより明確となる。ハーモニーの調和も深くなる。同じディスクだが、演奏の質がワンランク上がったように感じられるからさすがだ。

もし、同価格帯のDENON DCD-SA1とCPD4Aを比べたとすれば、解像度や物理特性が若干劣ったとしても、切れ味を失わない程度の絶妙の柔らかさと雰囲気の濃さを備え、海外製らしく音楽の表現力に一日以上の長が感じられるCDP4Aを私は選ぶだろう。何よりも音楽が音楽らしく再現されるのが耳に心地よい。 

ディスクをJAZZに変える。CDP2Aよりも格段にクリアで繊細でありながら、独特の厚み(CDP2Aの持ち味)が失われていない。厚みが失われていない(癖が消えない)という部分では、クラシックを聞いたときと若干印象が異なる。

テナーSAXは、抜けがよいカラッとしたドライな音になる。ベースも余計な響きが少なく、クンクンと前に押し出す感じが出てくる。ドラムは、ブラシやシンバルの音がハッキリしてスパイスがしっかり利いてくる。ベールが剥がれたように、すべてがクリアに感じられる。雰囲気も良く出る。CDP2Aは小気味く、CDP4Aはバランスの取れた大人のサウンドだが、JAZZを聴いてもCDP2AとCDP4Aの差は大きい。価格差20万円を考慮してもCDプレーヤーは、CDP4Aを選んだ方が後悔しないはずだ。

H1

CDをAIRBOW DV15BSPに戻し、プリメインアンプのH1を聞く。CDP2/4Aを使わないのは、よく知っているプレーヤーと組合せた方が、アンプの個性をより明確に見極められるからだ。

セパレートアンプのような厚みこそ感じられないが、音が軽やかでよく鳴るアンプという印象だ。P4A+H4Aでは、重厚だがやや重々しく感じられた、JAZZのセッションが楽しく弾み出す。比べると一音一音は軽いのだが、それがマイナスに感じられず、逆に清々しい開放感となる。H2A+P2Aの感覚に近いが、H1はさらに解放的で軽快だ。元気が出そうな私好みの音。

セパレートアンプがしなやかで艶やかなシルクのタッチなら、H1Aは爽やかなコットンのタッチだ。低域がちょっと軽いが、ピアノのプレゼンスは鮮やかに出る。テナーSAXの音色もドライでクッキリする。P4A+H4Aで聞くJAZZが夜を連想させるなら、H1で聞くそれは昼過ぎのライトなセッションというイメージ。P4A+H4Aは、手を止めてリラックスしたくなるが、仕事しながら聞くには、H1の方が俄然やる気が出る。

ヒラリー・ハーンにディスクを変える。ヒラリー・ハーンらしい、一筆書きの勢いの良さが出る。音楽の切れ味が断然良い!これはP4A+H4Aには感じられないH1の良さだ。回路が単純なせいだろうか?あるいは、筐体同士を結ぶケーブルが不要なせいだろうか?とにかく、H1は音抜けが良く元気が良い!小気味よいという言葉がピッタリだ。

逸品館お薦めのUNISON-RESEARCH UNICO Pは、やや濃密で厚みの濃さがお薦めポイントだが、HEGEL H1は、それとは違う切れ味の鋭さが特徴的だ。音が軽く、音楽の変化が速い。ひらり、ひらりと音が自在に宙を舞う感じだ。ヒラリー・ハーンの演奏には、この小気味よさがとても良くマッチする。音のメリハリが強いので全体的にやや明るい感じになるが、沈むところはきちんと沈み、彼女らしい明るく理知的な感じが良く出ている。よどみなく躍動的で楽しい音。

機能も豊富でRCA入力/4系統にXLR入力/1系統が備わっているところはプリアンプのP2/4Aと同じだが、H1ではさらに1系統のTAPE入/出力が加わる。プリアウトもRCA/2系統が装備される。これでP2Aと同価格の30万円というのは、すごくお買得ではないだろうか?

H200

締めくくりにH200を聞く。このアンプの試聴を終えれば、HEGELのラインナップはすべて聞いたことになる。

のっけから音ではなく機能の話になって恐縮だが、他の製品はすべてモーター駆動のアナログボリュームでH200だけがラインナップの中で唯一デジタルボリュームを搭載している。やや唐突に音が大きくなるアナログボリュームに比べて、ボリュームの調節が無段階と言っていいほどきめ細かく行えるデジタルボリュームは、非常に便利である。また、入力ごとにボリュームがプリセットされる(入力ごとのボリュームの大きさが記憶される)が、この機能はAVプリアンプなどとH200を接続して、H200をパワーアンプとして併用するときに重宝するはずだ。

ヒラリーハーンを聞いてみる。音質は、良い部分も悪い部分も含めて、H1よりP4A+H4Aに近い。厚みは出るがアタックの切れ味や音のエッジの鋭さがやや減退する。バイオリンの音の「ひげ」の部分のタッチもやや太くなる。曲調はやや暗く、沈み込む部分ではミサ曲のようなイメージを帯びる。「重厚」な感じは、それはそれで悪くはないが、やや電気的な着色が感じられる。オーディオを生の音と比較するのは、あまり意味がないかも知れないが比べるとすれば、私はH1が一番生の音の感覚に近いと思う。生の音に近いという言い方が適切でないのなら、癖はH1が一番少ないと言えば間違いないだろう。クラシックの繊細なタッチを軽々と描き出すH1の音は魅力的だ。

ディスクをJAZZに変える。ベースに重みが出る。テナーサックスも厚みが出る。ピアノの重厚感も向上する。音の厚みや低音の充実感は、H200が圧倒的にH1を上回る。ネットリとした高級感漂うサウンドは、高級HiFiらしいまとまりが感じられ、ある種の凄みや説得力を帯びてくる。曲調は、再び夜のイメージになり、どことなくアルコールの臭いが漂い始めるから不思議だ。H1のライトな方向が良いのか?H200のゴージャスな方向が良いのか?好みで選べば良いと思うが、このアルバムの聴き方としては「黒っぽさ」をより強く感じさせるH200の方がふさわしいのではないだろうか?

H200の50万円という価格を国産プリメインアンプと比較しても、その性能は決して引けを取らない。

後書き

リモコン、本体共、動作にややがたつきが目立つものの操作感は悪くない。本体はスイッチの数が整理されデザイン的には繁雑さを感じない反面、一つのボタンに複数の機能が割り付けられるCDプレーヤーの操作は、慣れるまでとまどいを生じるかも知れない。そんな時には、リモコンを使えばよいだろう。

ボタンは小さく、文字も英語表記になるが、操作が機能的にまとめられているので私には使いやすかった。

リモコンは、頑丈なアルミ製で見かけも立派。

H200の試聴リポートでも触れたが、デジタルボリュームを採用しているH200を除いてボリュームが唐突に上がるので小音量の調節が難しく、ボリュームを細かく操作できないリモコンでは、ほぼ不可能になる。

外観の仕上げや意匠は、国産品ほどの精緻さは感じられないが、総じて美しいと感じられるレベルで、北欧らしいスッキリとしたあか抜けたデザインは、嫌みがない。

パワーアンプのH4Aの奥行きが深いのは納得できるが、プリメインアンプもそれと同じくらい奥行きが深く、フロントの端子からスピーカー端子まで含めると、前後なんと50cmもある。発熱は多くないのだが、狭い場所には納められない。

今回試聴したHEGELの音調は、やはり北欧のスピーカーDYNAUDIOと同じ傾向のやや沈み込んだ暗い音色が基本となっているように感じられたが、暗すぎる、重すぎるということはない。

中でもH200は、4343時代のJBLのように暗く、黒い感じの音を出す傾向が強い。H1が同世代のアルテックのように抜けが良く明るい音を出すのと好対照だ。また、この底抜けの明るさを感じさせるH1だけがHEGEL一族で特殊な存在と言えるだろう。

以前輸入されていたときには、音質は評価が高かったもののトラブルがやや多かったHEGELだが、今回輸入が再開された製品を見る限りでは、その悪癖は完全に払拭されているようだ。少なくとも私が触れた限りでは、動作に対する不安感は皆無だった。

CDプレーヤーは、将来のアフターサービスに不安が残る海外製品ということや30万円、50万円という価格を考慮すると、他の選択肢も考えられるが、P2A+H2A、H1、H200という低価格のアンプは、独自の魅力に溢れデザインも悪くないから、国産アンプの音質に疑問を感じらたなら、是非一度お聞きになられては如何だろう?

特にH1は、フレッシュな魅力に溢れ、機能も豊富な優れたプリメインアンプとしてお薦めできるモデルである。スピーカーの組合せやサブウーファーの追加などで魅力を生かし、欠点を補う使いこなしができればH1は、音楽を聴く知的な楽しさをあなたに教えてくれるはずだ。今回の試聴では、AIRBOW DV15BSPとの組合せの相性も良かったのだろうが、H1はHEGELの新ラインナップの中で飛びきり魅力的な製品に感じられた。

2007年 8月 6日 清原 裕介

 

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