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逸品館ショッピングカートメルマガ 2009.2.15

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今日は、「プリンター購入にまつわるお話」です。

逸品館では、かなり以前からお客様への「送り状」をドットインパクト・プリンターで打ち出しています。これまで使っていたプリンターは、NECの年代物で「単票」に対応していなかったため、運送会社の送り状を一枚一枚セットするのがとても大変でした。そこで、今さらながらですが「単票」に対応しているプリンターへの買い換えを考えました。

プリンターといえば、信頼しているメーカーは「CANON(最近嬉しくないニュースが多く、ちょっと嫌になりつつありますが)」と「NEC」です。他に有名なメーカーとして「EPSON」がありますが、過去何度も「嫌なこと」があって、基本的に「EPSONのプリンター」は個人的にあまり信頼していません。

買い換えに先立ってインターネットで情報を集めたところ、EPSONのPLQ-20Sという新製品が良さそうに感じました。早速、現品を確認しようと近くの「ジョーシン(日本橋テクノランド)」に行ってみると、ありました!店員を呼んで、持っていった「運送会社の送り状」に試しに印字したいとお願いしたところ「パソコンに繋いでいないので出来ない」との素っ気ない返事。価格は約13万円からポイントが10%の表示だったので、「ネットでは10万円で売ってるけど、いくらまで安くなるの?」と最初に言ったせいかもしれないと思いながら、それでも食い下がると、EPSONのサポートに電話をして「テストモード」でA4の用紙に印字サンプルを出してくれました。

そのときに挿入したA4用紙が破れたのが気になったのですが、店員は知らぬ顔。更に質問をすると、うるさそうな顔で「それならEPSONのショウルームに行ってください。そこなら、持ち込んだ用紙に印字してくれます」との返事。納得できなかったので、購入を一旦諦めて「別な店」で売っていないかインターネットで検索。しかし、どこも展示はおろか在庫もおいていない状態。仕方ないのでEPSONのサポートセンターに電話をすると、「最寄りのショウルームは昨年末に閉鎖」されていることが分かりました。現在は「最寄りの営業所」で印字テストを実施してくれるようですが、申し込みは「FAXだけ」というサービスの悪さ。


「やっぱりね!お客様より自分たちが優先なんだ」と憤慨しながらも、仕方ないのでEPSONのホームページからPLQ-20SSの情報を得ようとすると、重要なページへのリンクが切れてしまっている状態(EPSONにかなりきつくクレームをつけたので今は直っていますが)。仕方なく、とにかく在庫を持っているジョーシンで買うことにして、もう一度日本橋テクノランドに出向きました。

その時に対応してくださったのは、さっきとは違ってとても愛想の良い店員Hさん。Hさんは、先ほど対応した店員の非礼を私に詫び、ネットほどは安くできないけれど、と断りつつ11万3千円まで値引きをしてくれました。購入を決め、会社に持って帰って印字すると、恐れていたことが起こりました。用紙が破れるのです。その時点で時間は、すでに夜の8時を過ぎていたので、翌朝まずEPSONのサポートに電話しましたが「そのモデルで特にそのようなトラブルが多発している報告はない」との返事。

仕方ないので「不良」を確認するため、ノートパソコン持参で「ジョーシンの展示品でテスト印字しても良いか?」とHさんに連絡すると、なんと「近いから持って行きましょう」と言うことで、すぐに会社まで展示していた実機を持って来てくださいました(逸品館は、ジョーシン本社の向かいにあるので場所もよくわかっていらっしゃった)。ジョーシンの展示機で送り状を印刷すると、やはり用紙が破れてしまいました。

そうこうしていると、EPSONのサポートから電話があって「分かりにくい場所に緩衝材が入っているから、それを取ってください」との連絡。何でさっきの電話で言ってくれないの?と思いながら、もう一度中を開けてみると「緩衝材の取り忘れ」が判明し、それを取ることで「用紙の破れ」は解決しました。しかし、この緩衝材を取るのは説明書に書かれておらず、箱のベロ(フラップ部分)に英語の注意書きと小さなモノクロの絵が描いてあるだけというお粗末さ。これでは、緩衝材を取り忘れない方がおかしいでしょう。現にジョーシンの展示品にも緩衝材が入ったままでしたから!その緩衝材が用紙に引っかかり、印字が上手く行かず、用紙が破れていたのです。緩衝材を取ることで、一応印字と紙の破れは解決しました。


このモデルについては、もう一つ大きな問題があります。用紙を送る「ローラー」の圧力が強すぎて、複写紙に「ローラー痕」が付いてしまうのです。これについては、EPSONのHPにも注意書きがありますが、そのくせ、ローラー痕を写した写真がありません。お店によっては「店頭で印字を行ってローラ痕を確認していただかないと販売できない」という対応を行っているところすらあります。にもかかわらず、EPSONのHPのPLQ-20Sの説明写真では明らかに「運送会社送り状を印字サンプルとして使っている」のです。結局、私が印字した「送り状」には、すべてこのモデル特有の問題である「ローラー痕」がべったりと付いてしまって、とてもじゃないけれど「お客様にお見せできるような綺麗な印字状況」には、仕上がりませんでした。


「やっぱりね!EPSONはこんなもんだ。」と思いつつ、こんなこともあろうかと、目をつけていた下位モデルのVP-930をPLQ-20Sを持ってきていただけるついでに貸してもらえないか?との私の無理なお願いに二つ返事で快諾を下さったHさんの手で、2台のテスト用プリンターが逸品館に迅速に届けられたのでした。

結果は、圧倒的にVP-930が良かった!このモデルで気になっていた7枚重ねの用紙
への印字もまったく問題なく、とても調子よく使えました。それに比べて4万円も高い新型のPLQ-20Sは印字が汚く、しかもモデルの売りである「単票用紙の自動セット」が上手く働かないという、とんでもない代物でした。堅実な従来型に比べ、新型はまるでオモチャで使い物になりません。はっきり言って「欠陥品」です。少なくとも販売する製品にこだわりを持つ逸品館では、このように大きな問題を抱え、お客様に有効な利便のない製品は「絶対に販売」しません。

やっぱり安くて古いモデルの方が良かったんだ!私の中のEPSONのサポートに対する信頼は(最初からなかったけど)、最低を通り越してマイナスになりました。後日、サポートの状況をリサーチする部門から「無作為に抽出したお客様」と言うことで、電話アンケートへの協力の依頼があり、そのとき「簡単なアンケートでは今回のような複雑な問題点は指摘できない。きちんと今回の問題を上に伝えられるなら、アンケートにお答えしよう(なんという善意のある回答)」と答えたところ、なんと!「それなら結構です。ありがとうございました。」と電話を切られてしまいました。これじゃ、いつまで経ってもEPSONのサポートは良くならないはずです。VP-930のように安くて良い製品も作っているのに、もったいないことです。

その後も、PLQ-20Sの返品交換と差額返金のために逸品館に行きますよ!というHさんから嬉しい申し出がありましたが、さすがにそこまでは甘えずに、こちらから3台のプリンターを持って行きPLQ-20Sを「良品返品(PLQ-20Sは、出来が悪いだけで壊れてはいませんでした)」して安いVP-930に買い換え、差額を返金してもらいました。

その時、Hさんは次のように仰っていました。

実店舗がインターネットより高いのは当たり前だから、ネットの価格をベースに値切られることに気分を悪くしていたらきりがありません。しかし、値段が高い分「サービスの向上」に心がけて、お客様に満足した買い物をしていただけることを心がけなければ、誰もこの店に来てくださらないでしょう。だから、接客とサービスには、常に注意をしています。

その言葉を実践するサポート・サービスを受けられて、とても気持ちよく買い物が出来たのと同時に「敵ながら天晴れ!」と思いました。実は、EPSONのプリンターはメーカーからネットよりも安く入手可能だったんです。だから、ジョーシンにPLQ-20Sを返品し、何気ない顔でVP-930を2万円近く安く買うことも出来たのですが、私はそうしませんでした。なぜ?皆がそんなことをすれば、皆が自分だけ得すればよい、と考えたら私たちのように「サービスで食べている職種」は必要なくなるからです。

もし、知り合いがプリンターを欲しいと言うなら、私は喜んでジョーシン日本橋テクノランドのHさんを紹介するでしょう。確かにインターネットで買うよりも、VP-930は1万5千円近く高かったですが、それだけの価値あるサポートを得られれば「十分納得」できます。

同じジョーシンでも、オーディオ製品を「一律に安売り」しているだけのWEBショップのイチノセは、どうか???と思います。すくなくとも業界の健全な成長には役立っていないはずです。消耗品を買うにはインターネットは便利ですが、長く使うものを真剣に選ぶことは出来ません。まして、オーディオのように「好み」が明確な商品を、一般的なネットの「薄い情報だけで購入する」のは、失敗する可能性が高いと思います。

人は人と繋がって、満足し納得します。人が動いたら、コストが掛かります。でも、それを支払うことで世の中は上手く回ります。そのコストを惜しんでいると、それが回り回って自分の首を絞めることになるのです。物流がネットに流れるのは時代の成り行きですが、行き過ぎたコスト低減、行き過ぎたダンピングは、確実に社会を崩壊させます。給料が安くなり、仕事がなくなるのは、企業だけの問題ではありません。一人一人の心配りが、人と社会を豊かにします。逸品館も、そういう「善意の連鎖」の中にありたいと強く願います。

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