逸品館メルマガ バックナンバー 148

1月末から昨日までHPを更新できずにいましたが、それは2泊3日で中国(深セン市)と香港のオーディオショップ視察の旅に出ていたからです。飛行時間僅か3時間程度の身近なアジア旅行でしたが、深セン市に日本発展のスタート、香港には日本の行く末を感じるなど有意義な旅となりました。


では、オーディオショップのご報告から始めましょう。深セン・香港のオーディオショップの品揃えは日本と少し違います。日本で著名なブランドの製品がなかったり、逆に日本ではまだまだ認知されていないブランドが主流であったり、明らかに日本とは品揃えが違います。もちろん中国という特殊な条件は考慮しなければなりませんが、日本で高級ブランドとして認知されている製品が、実は「日本だけ」であることが少なくないのです。

 

少し例を挙げましょう。WEST MINISTERを頂点としてTURNBERRY、STARLINGに続くTANNOYのプレステッジ・シリーズは、日本で代表的なTANNOY製品です。しかし、これは日本だけのことで欧米ではプレステッジ・シリーズはほとんど見かけません。中国・香港でも同じです。では、なぜプレステッジが日本で評判になったのでしょう?それは、「五味康祐さん」が理由であると私は考えています。

五味康祐さんは日本を代表する作家(剣豪作家)であると共に、熱烈なオーディオファンとして知られています。彼はTANNOY AUTOGRAPHを愛用し、彼のオーディオ評論には、度々彼の所有するAUTOGRAPHとMACINTOSH MC275が登場します。その「刷り込み」で日本のオーディオファン、特にクラシックファンはTANNOY プレステッジ・シリーズを「神格化」してしまったのです。


このように著名人と同じ製品を使いたいと考えるのは、世界共通の傾向だと思いますが、中でもアジア人はそれを「神格化」する傾向が強いように思います。この手法はオーディオに限ったことではなく、化粧品のコマーシャルに「有名女優」を使うのも同じことです。この「巧妙なすり替え」が「広告」の正体ですから、ある程度までは許されます。しかし、度を超すのは、どうかと思います。

特にオーディオは数値化できないのでごまかしやすく、「限度を超える」広告の改編が日常的に行われています。それを婉曲に批判した「逸品館が雑誌に掲載する広告コラムの内容」についてまで、彼らは「検閲」を行い修正を求めます。形式上は、出版社からの「お願い」ですが、事実上は修正しなければその広告を掲載しないという脅しです。彼らが「神格視」するメーカーや評論家への批判は、例えそれが匿名に近くても「絶対に許されない」のが、日本のオーディオ雑誌の実体なのです。


広告費を払って購入したスペースへの広告が検閲され、修正を要求される。「やりかた」はいくらでもありますから、その程度は別にかまいませんが、そんなことを平気でできるのが日本のオーディオ雑誌です。当然彼らが掲載している評論や記事の真偽は?推して知るべしです。オーディオマニアの「従順さ」を逆手にとって「雑誌」と「評論家」が、結託し自分たちの「利益」に繋がるブランドを強く薦め売上からバックマージンを得る。こんなことが日常的に行われている「日本市場の歪さ」は、海外に出てみると大変よくわかるのです。

まあ、そんなことはともかくとして、最近お腹の底から笑えるような出来事が少ない私の気持ちを深セン市は完全にリセットし、自然体で生きる力を思い出させてくれました。それだけでも、日本を離れた甲斐があったと思います。


視察旅行の様子まとめたHPは次のアドレスからご覧頂けます。
https://www.ippinkan.com/travel_20100201.htm

 

今回の視察旅行では撮影にCanon G11を使いました。確かに明るい場所ではヨーロ
ッパに持っていった、RICHO R8の方が綺麗だったかも知れません。しかし、今回の撮影は「ストロボなし」で行わねばならないことが予想された(見知らぬオーディオショップ店内でストロボをバチバチ焚くわけにはいかない)ので、暗さに強いG11は大変重宝したことを付け加えておきたいと思います(ピントがちょっと甘いのが気になりますが)。

話は変わって、最近はSONYがSACDの発売を止めてブルースペックCDを発売するなど、SACDが市場から消えるような印象を強く受けていました。また、それを度々文字にして発信したこともあります。この「SACDが消える」と言う不安を、数年ぶりに会った某国営放送の録音関係の知人に話したところ「そんなことは全然無い!今でも毎月100タイトル以上の新譜がSACDとして発売されている」と聞かされ、自分の不勉強を恥じました。


彼は続けて、最近発売されたSACDの中から「これ!」というソフトを教えてくれました。実際に購入して聞いてみると、確かに素晴らしいソフトばかりでした。今回は、その中から3タイトルをご紹介したいと思います。

・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲1番 ¥1,037(税込)

・バルトーク:管弦楽のための教則曲 \1,995(税込)

・ボーカルアンサンブル:THE GENTS \2,906(税込)

いずれの録音も演奏も共に素晴らしいものです。個人的には、“バルトーク”の素晴らしいオーケストラレーションに強い感銘を受けました。
詳細とお求めは、次のページからご利用頂けます。
https://astore.amazon.co.jp/ippinkan-22?_encoding=UTF8&node=31

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