逸品館メルマガ バックナンバー 174

皆様こんにちは。お盆はいかがでしたか?私は特別な予定がなかったので、会社でパソコンの交換作業を行いました。7年前にくんだ今までのマシンは、OSがWindows2000、CPUにはPentium4ベースのXeonを2個搭載する当時としては高性能なマシンでした。このマシンはOSを一度も再インストールすることもなく、ほぼノートラブルで使えました。

Windows NTベースのOSが登場するまでは考えられなかった安定性はすごいと思います。古いマシンですが性能に不満はなく、まだまだ現役で使えそうでした。しかし、さすがにソフトへの対応性とOSのセキュリティーに不安が生じたため、マシンを新調することにしました。

新マシンは自作ではなくDELLの特注品です。OSはソフトの対応を考え、二世代前のXP
Professionalを選びました。CPUは新型のi5-750です。i7-860が欲しかったのですが、あいにく希望仕様のマシンがなかったので、これで十分という判断で選びました。届いたマシンにRatokのHDDケースを組み込み「お引っ越し」をスタートしました。

パソコンを仕事に使う方ならご理解いただけると思うのですが、長く仕事で使い込んだマシンの「環境」を新しく移動させるのにかなり時間がかかり、その間仕事はほぼ完全にストップします。そこでお盆の3日間の休みを利用しようと考えたのです。休みがつぶれたのは痛いですが、そこは社長の特権を利用して、後日に臨時休暇を取るつもりです。


十分慎重に作業を行ったつもりでしたが、ソフトウェアーの特殊な設定や後から付け加えたアドインプログラムの存在を忘れていて、実際に使い始めるとたびたび設定のため仕事を中断しなければなりませんでした。こういうときには普段から細かくメモを残しておけばと思うのですが、どうしても面倒でルーズなってしまいます。後悔先に立たず。面倒と厭わずに、気づいたときにやっておいた方がよい。そんな感じです。

PCのお引っ越しの「待ち時間」を利用して、車で音楽を聴くためのi-Podの研究にもチャレンジしました。それは、買い換えた車のカーオーディオ(カーナビ)がCDをリッピングしないため、好きな音楽を聴こうとするたびにCDをCD-Rに焼く手間が大変だからです。CDを車に持ち込んでもいいのですが、やっぱり大切なCDを傷つけたくはありませんから。

i-Podをカーオーディオに繋ぐには、有線と無線(FM)の二つの方法があります。過去の経験から無線が有線を超えることないと判断し、まず接続用のケーブルを自作しました。とりあえず現在発売されている4機種のi-Podからシャッフルを除く、ナノ・タッチ・クラシックを購入し車で聞き比べてみました。最初に聞いたのは大本命のクラシックです。純正のCDと比べてどれくらい音質が劣化するか危惧していましたがそれは杞憂に過ぎず、ほぼCDと同じ音で音楽が聴けました。タッチはクラシックよりもほんの少し解像度が低く、音も整っていないように感じます。クラシックを100とするとタッチが90暗いわずかな差ですから、大抵はその差に気がつかないと思います。ナノは解像度が低く、高域がくすんで丸く、音源は同じなのに大幅に圧縮して音楽を聴いているような印象で60点くらいです。この音の差なら、私はナノでは音楽を聴かないでしょう。i-Podはクラシックに決まりました。

次に車の12Vから電源をとるためのアダプターの音質テストを行いました。このときFMトランスミッターを搭載した電源も購入し、FMでカーオーディオにつないだ音も聞きましたが、購入したアダプターが安物だったせいもあって、やはり有線に比べ音が悪く使い物になりませんでした。しかし、電源としての性能が高かったため、車から電源をとるために使うことにしました。

この状態でだいたい納得して音楽を聴いていたのですが、CDと比較して少し解像度が低く、高音が伸びきらない感じがしたのでさらなる音質を求め「CDのリッピング方式」を試すことにしました。少し説明しましょう。CDをデータとしてPCへ取り込む方法で、もっとも性能が高いのが「WAVE/WAV方式」です。この方法ならCDに記録されたPCM信号を一切損なうことなくデータ化し再現できます。

当然WAVE方式が最も音が良いと考え、通常よく使われる音楽ソフトのI-TUNE、Windows Media Playerに加え、高音質にリッピングできると評判の高いフリーソフトのExact Audio Copy、さらにWIN-AMP、Fooberを加えた5種類のソフトでCDをWAVEでリップし音を聞き比べました。さすがにここまでくると、いちいち車で聞くのは大変なので、比較はCDを取り込んだパソコンのヘッドホン出力にヘッドホンを繋いで行いました。

CDの取り込みはExact Audio Copy(以下EAC)の取り込み速度が最も遅く「丁寧にリップ」しているように見えます。しかし、最高20倍近い速度でCDを高速リップできたFooberで取り込んだデーターとEACのデーターは「ファイルサイズ」が全く同じです。もちろん、他のソフトで取り込んだ場合もファイルサイズは同じになりますが、ファイルサイズは「時間で決まる」ので、ファイルサイズが同じでも中身が違う可能性はあります。とりあえず、それぞれを聞き比べると、EACの音が若干くっきりしているように思えました。そこでEACでCDをリップして再び車で聞いてみると!気になっていた高音の伸びや低域の甘さは見事に改善されていました。


しかし、その「良い音」でしばらく聞いていると初期のCDとレコードの違いのように「音が良くなったけれど、音が固くデジタルチックになる傾向」が強く感じられ、結局前の方が雰囲気良く音楽を楽しめたことに気がつきました。そこで「音質」と「音楽性」はイコールでないと判断し、WAVE以外のAACやMP3、WMAといった圧縮を伴うファイル形式でCDを取り込んだ音も聞き比べることにしました。

その結果の詳細なご報告は後日ホームページで行うとして、このメルマガでは結果だけをお伝えしましょう。現在、私がi-PodにCDを取り込むときに使っているファイル形式は「MP3/320K」です。音の良いWAVEに変えて「音が悪い」とされているMP3に圧縮することで音の角が少し柔らかくなります。クリア一辺倒だったEACのWAVEと比べ、MP3にすることで響きや雰囲気がより深まりました。カーオーディオのCDと比べるとほんの少しだけ音が丸いと感じることがありますが、とても雰囲気良く「こんなに小さなi-Podから音が出ている」とは信じられないほど良い音でとても納得してドライブと音楽を楽しんでいます。

低価格な製品、音源としてのチューニングの度合いが低い機器で「むやみに高音質」を追求しても、結局は「悪い部分が露呈」するだけで音楽性の向上が実現しません。音を変えるのは楽しいですが、方向や情報を間違うと良い結果が出ません。普段触れているハイエンドオーディオではなく、入門機で音楽を聴いた結果「音の良さ=音楽の良さ」に繋がらないことがあるという、オーディオ入門で最も犯しやすい間違いをじっくりと再確認できて良い勉強になりました。

いつまでも安心して音楽を聴ける音にならないと感じていらっしゃるなら、それは方向違いの音質追及が原因かもしれません。料理と同じで音楽再生に重要なのは「バランス」。「質」は二の次です。質を追求して高価な買い物に失敗してからでは後悔が残ります。その前に是非逸品館にご相談くださいませ。

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