逸品館メルマガ バックナンバー 217

毎週、水木曜日はお休みを頂戴しているのですが、今週は水曜が東京出張、木曜がコンポの配達と休みを取れませんでした。仕事があれば働き、時間があれば遊ぶ。それが私の生活パターンになっています。

水曜の東京出張は、パイオニアの新製品発表会への参加でした。発表開場は目黒叙々苑と、パイオニアの新製品発表会開場は伝統的にものすごく豪華です。今月中頃に大阪でも発表会が行われますが、その時の会場も帝国ホテルと超豪華です。個人的にはもう少し質素でも良いと思うのですが、もちろん豪華開場へのお招きは悪い気はしないです。

それはさておきプラズマTVを発売した頃のパイオニアと、今のパイオニアはかなり様子が違っています。昔はちょっとお高い感じがあったのですが、最近は驚くほど低姿勢でおもてなしの心に満ちています。まず発表会冒頭の山崎社長の挨拶が素晴らしかった。要約すると「震災で傷ついた人々の心を映像と音楽で癒すお手伝いをしているオーディオショップの皆様に全社を挙げて素晴らしい商品をお届けしたい」という内容でしたが、人の役に立ちたい、社会に貢献したいという強い情熱と熱意がひしひしと伝わりました。業績不振で自ら血を流しながらも、思いやりの気持ちを忘れない姿勢に思わず心が熱くなりました。

引き続き行われたメインテーマの新型AVアンプの試聴、TAD新製品の試聴も素晴らしい内容で参加されたショップの皆様から「素晴らしい音だ」、「こんな音は聴いたことがない」という感嘆の声が漏れ聞こえるほどでした。

この素晴らしい新製品の内容はメディアから発表があるまで漏らしてはいけない部分もあるのですが、このメルマガをお読みの皆様に少しリークしてしまいましょう。

パイオニアフラッグシップのAVアンプSC-LX83後継モデルSC-LX85(予価33万円)はLX83に増して素晴らしい出来で安心を通り越して驚きました。記憶に残った大きな変更点は二つです。一つは、SC-LX83に搭載されていた、「フルバンド・フェイズコントロール」が「プラス」へと進化したことです。パイオニアオリジナルの「フルバンド・フェイズコントロール」とは、デジタル演算によって「接続されたすべてのスピーカーの正確な位相制御を行う技術(高音から低音まで音の出るタイミングをピタリと合わせる技術)」ですが、従来は全帯域の信号を演算し作られる低域信号(サブウーファーの信号)はどうしても演算時間(10ミリ秒)の分だけ遅れてしまっていたところを、今回はその領域まで完全に位相を合わせたということです。

さらにSC-LX85では、SC-LX83の出力素子を「基盤直付け」に変えたことで余分な配線が不要となり信号がよりストレートに増幅されるようになったということでしたが、企業の新技術の多くが絵に描いた餅の領域を出ないのに対し今回の「フルバンド・フェイズコントロール・プラス」と「パワー素子変更」の威力は非常に大きいように感じました。少なくとも試聴会で聞いたSC-LX85から出てきた音には、パイオニが狙った通りの改善がハッキリと聞き取れました。

黒人のドラムはタイミングが微妙に早く、突っ込んでくるように感じることがあるのですが、SC-LX85ドラムを聞くとまさしくこの雰囲気で、低音がぐんぐん前に出てきます。SC-LX85の低音を聞くと「今までのアンプでは低音処理が遅れていたんだ」と実感できるはずです。

SC-LX83から引き継がれる美点で不要な色づけが少なく、音も細かく、バランスが良いこの音ならピュアオーディオマニアが聞いても文句のでない音で音楽が楽しめるでしょう。違和感のなさを突き詰めたSC-LX85のサラウンドデモでは、見事にスピーカーの存在感が消えていました。一体型AVアンプでここまでの音質を実現した技術と努力に敬服します。SC-LX85は機能・音質・デザインとも申し分なく、高級大型TVと組み合わせて山崎代表が仰った「心を癒しと感動で満たす素晴らしいシアターの実現」に間違いなく寄与することでしょう。

先月に3号館で行った試聴会でその真の実力に驚かされたTADからは、CR1の半額程度の価格でスピーカーが発売されます。この製品は正式発表が今月末なので、詳しいことをお伝えできないのですが、デザインはトールボーイ型でTADお得意の同軸2Wayユニットが軸となり、二つのウーファーが搭載されています。

ツィーターの材質はベリリウムで、それを取り巻くスコーカーはマグネシウム合金が使われています。ウーファーはカーボン繊維で作られます。形状やサイズ・価格はB&Wの802Diamondoと似ていますが、それよりも細身でほんの少し安価です。

新製品発表会では、このスピーカーをTAD D600/C2000/M2500の組み合わせで鳴らしていましたが、低域から高域まで完璧に位相が整合した(低音から高音まで音速が統一された)ノン・カラーレーションの世界は、今までオーディオマニアが経験したことのない次元です。もちろん、世界で唯一のスーパーサウンドです。

好き嫌いはあるでしょうが、個人的にはTADの思想を余すことなく現実としたこの音は絶賛に値すると思いました。このスピーカーは、ハイエンドショウ東京の音源出版のブースに出展されますが、評論家がその良さを台無しにしてしまわないか今から心配しています。

パイオニア関係者皆様にこのような素晴らしい新製品発表会にお招き頂いたことを心からお礼申し上げます。私もこの素晴らしい発表会に負けない熱さで今年の今年も10月7/8/9日の日程で開催される、ハイエンドショウを盛り上げたいと思います。ご期待下さいませ。
http://www.hi-endshow.jp/

◎逸品館 U Streamチャンネルを更新しました。
Triodeの新製品 TRX-M845(150万円モノラルペア)とEAR 912(198万円)のテストを行いました。時間がなかったので、あまり出来が良くないのですがよろしければご覧下さいませ(ヘッドホンをお使い頂くと良い音で聞けると思います)。
http://www.ustream.tv/channel/ippinkan

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