逸品館メルマガ バックナンバー 226

今回は私の愛車のお話になります。1年前に中古で購入したBMWは走行距離が1.8万キロを超え今月くらいから俄然調子を上げています。サスペンションが馴染んだせいなのふわふわ感が消え、しっとりとした感覚でしっかり地面を掴んでくれます。エンジンもエアコンを使わないのとオイルを変えた(Nutec)のが奏功して、レスポンスがグンと上がり「回転の抜け」が良くなりました。製造から3年走行距離が2万キロに近づいて、やっと「馴染み」が出たのでしょうか?とても快調で、ハンドルを握るのが楽しくなります。

オーディオ機器も車と同じように馴染みが出るまでに、かなり長い時間がかかることがあります。寿命が格段に長いパーツを使ってカスタマイズするAIRBOW製品は特に時間がかかり、50時間を過ぎれば良い音で鳴るのですが最高の調子が出るまでには500時間近くかかります。一旦「馴染み」が出ると、格段に自然な音で音楽を楽しめます。
AIRBOW製品は鳴らせば鳴らすほど使えば使うほど良くなりますので、ガンガンお使いください。

車の話に戻りますが、ある程度の年齢に達すると「後何台の車を所有できるか?」という考えが頭をよぎるようになります。運転できる限界年齢が近づくからですが、そう感じると「何と何を買うのか?何を買っておけばよいのか?何を買いたいのか?」を真剣に悩むようになります。こういう「選び方」は、以前はしなかったことです。無駄な買い物をしてお金を無駄にするよりも、「時間」を無駄にしたくないという気持ちが強くなったからです。

中古でBMWを買うまでは、日本車オンリーで乗り換えていました。これまでの経験でえは、国産ではHONDA車の操縦安定性能が最も高いように思います。HONDAは安全で早く、燃費も良い最高の「実用車」です、しかし、記憶に残っているのはなぜか、すべてMazdaの車です。最初のMazda車は、2台目のFFファミリアのアンフィニでした。1.6Lターボエンジンに固めた足回り、そしてレカロのシートが付いていました。この車でFFのやんちゃさとレカロの良さに目覚めます。次に買ったのがFD RX-7(GT-X)です。この車でロータリー・エンジンを積む(重量物が車の中心にまとまった理想的重量配分の)車の気持ちよさを知りました。

次にFC RX-7を買いかけたのですが、この時バブルの頂点を迎えていたMazdaは、M2という子会社を作り、そこでほとんどレース仕様にチューンナップしたロードスター(M2-1001)を発売します。300台限定のこの車をすったもんだの末に苦労して手に入れ、7年乗りました。M2-1001では、初めてのサーキット走行(タイムアタック)を経験しました。車を速く走らせるのはどういうことか?ということをM2-1001で学びました。ロードスターは二人乗りなので、この時セカンドカーとしてMazdaの初代MPVを購入しました。

初代MPVは基本設計がアメリカなので、まるでアメ車のように大らかで気楽にどこへでも乗っていける感覚が大好きでした。この車では車中泊をして魚釣りに出かけたり、移動する自室(モーターホーム)のような感覚を初めて味わいました。

スポーツカーと足車の2台を乗り比べていると、公道を速く走ることの限界に気づかされ、今後年齢的にも公道で走り屋まがいのことをすることはないと思い、M2-1001を売り、MPVとM2-1001の両方の良さを持っている、早くて広くて安全なSUBARU レガシーを買いました。レガシーはM2-1001で苦労して飛ばしていたのが嘘のように早く、そして驚くほど安全な車でした。早くて安全な車を得たことで、一旦私の車遍歴は休止します。

話を戻しますが、Mazdaの車は私の趣味と生活に密着し、所有したMazda車すべてがそれによって始まった繋がりを含め濃密に記憶に残っています。Mazda車そのものよりも「車を使ったライフスタイル」の変化がもたらした記憶が多いのです。それに比べMazda以外の車は、なぜかその記憶が圧倒的に「薄い」のです。

「薄い」車に乗り続けた私が40才を超えて、くたびれてきたと感じた友人から「フォーミュラスクール」へ一緒に行こうと誘いを受け、そこからフォーミュラカー、レーシングカートへと車遍歴は進み、車遍歴は再びスタートし現在に至ります。モータスポーツを再開して,心身ともに若返ったことは言うまでもありません。

私にとって車に関わらず趣味の道具とは、道具そのものだけではなくそれを取り巻く「生活」と共に記憶に残ります。だからこそ「新しいライフスタイル」をもたらしてくれる「道具」には、道具を所有する以上の「思い出(付加価値)」が生み出されます。趣味は人生を輝かせます。良い趣味は人を育て、見識と交友を深めます。それは、間違いありません。

Mazdaの車には、作り手の熱い「思い」が凝縮されていました。だからこそこれほど強く記憶に残っているのです。作り手の「思い」が使い手に伝わるからこそ、その「思い」に人は集うのです。そして、交流の輪が広がります。私が薦めるオーディオ製品も「音質」は無論のこと、それだけではなく「作り手の情熱が使い手に伝わるかどうか?」をなによりも大切に選んでいます。

趣味の交流によって培われた「思い出」。そのどれもが、私には掛け替えのない財産です。寝食を忘れるほどに情熱を燃やしていた時間。それこそが私たちの人生の実りなのかもしれません。

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