逸品館メルマガ バックナンバー 299

ここしばらくAIRBOW SSS-2013を中心としたPC/ネットワーク・オーディオ関係の話題を多く取り上げてきましたが、お客様の反応は「様子見」といった感じでしょうか。

 

各メーカーもPC/ネットワーク・オーディオ関係商品は、瞬発力はあるもののスタミナがなく、パット売れて、パット止まる、と言った様子です。その中では価格も比較的安く、簡単なプリアンプとしても使える「Luxman」製品がロングヒットになっているようですが、それは、「オーディオがハーフ&PC/ネットワーク・プレーヤーがハーフ」的なつぶしのきく中庸さが評価されているのでしょう。

私自身は仕事で一日中音楽を聞いている関係から、「選曲がPC(iPod)からリモート操作が可能」、「プレイリストで聴く曲をプログラム可能」、「対応機器ならPCから音量などのコントロールが可能」などPC/ネットワーク・オーディオの操作のメリットが非常に大きく、毎日それで音楽を聴いています。

今私が気に入っているのは、SSS-2013とDA3N/Analogueのセットです。適度に分厚く、響きの豊かなDA3N/Analogueと、癖がなくさっぱりしたSSS-2013のマッチングからは、名前の通り「アナログディスクを聞いているような音」でデジタルデーターを再生します。このセットであれば、CDプレーヤーを使わなくても十分感動的な高音質で音楽を楽しめます。しかし最高の音でこの曲を聴こう!となると、奥の部屋(メイン試聴室)に移動してTAD Reference1 Mark2に接続したD600でディスクを再生することになります。

私も知らない間に「最高の音=ディスクプレーヤー」、「簡単便利な高音質=PC/ネットワーク・プレーヤー」と使い分けていることに気づきました。逸品館のお客様は簡便さよりも音質をお求めなので、従来と同じデジタル・プレーヤー(CD/SACDプレーヤー)により強い興味をお持ちなのでしょう。

それはともかく以前から書いてきたように、精神集中には「ある種の儀式」が欠かせません。音楽を聞くという気持ちを高めるため、私達はレコードやCDをプレーヤーにセットする手間を「最低限の儀式」として求めているのかも知れません。

お盆のお墓参り、毎年行われる高校野球での終戦記念日に捧げる黙祷、私達の「今」を確認するために過ぎた時を振り返ることは大切です。茶道や華道の「作法」、あるいは特別な日に特別な衣装を身に纏うのも集中や感動を高め、時間を充実させるでしょう。

便利だから、面倒だから、という理由だけで「省いたこと」が実はとても大切なことなのかもしれません。我慢する時間、切望する時間、それが喜びや幸せの最大の燃焼促進剤だとすれば、合理化は大切な機会を奪います。何でもすぐに手に入る利便よりも、その道程を深く考えることで心は成長するのだと思います。

芸術や音楽は「心の大切さ」、「考えることの大切さ」を見聞きする人に伝えるものであって欲しいと願います。同時に逸品館が販売するオーディオ・シアター機器もそういう深みを持つものであって欲しいと切に願います。

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