逸品館メルマガ バックナンバー 310

オーディオの音質向上に取り組んで四半世紀が経過しました。


最初は「自分が聞いて心地よい音作り」からスタートして「原音に最も忠実な音作り」を経て、ま
た「聞いて心地よい音作り」に戻ってきました。茶道の掛け軸に「○(円)」を描いた軸があります。その意味は「経験を得るとスタートに戻る」、「修行は同じ事の繰り返し」というようなものだと聞きました。同じ円を描きながら、円はより真円に近く、直径はより大きく、それが成長だという意味もあるそうです。まあ、私の記憶は時々「自分なりに美化」されているので本当の意味は違っているのかも知れませんが、「○」は物事が成就するモデルの一つとして気に入っています。

当初「音に色を付ける」ことでより良い音を目指し、やがて「何も足さずなにも引かず」が最高の音と考えて音作りをしました。しかしそれが行き詰まって、また「音に色を付ける方向」に戻ってきた。「音作りを一周回ってきた」ということをお伝えしたかったのです。

 

そんな考えから、ステレオサウンド誌の広告に次のような文章を掲載しました。

「オーディオは響きから生まれる芸術である」

オーディオの基本は、「原音忠実再生」だと考えられています。元の音が最良で、なにも引かずにそれを再現することが成功すれば最高の音が出るという考え方です。そこから生まれたのが、振動は「させない」。ケーブルは「短く」。接点は「少なく」。という方程式です。しかし、オーディオにはそれでは解けない謎が残ります。はたして不要振動や歪みは、余計な雑音なのでしょうか?

CDとレコードを例に挙げて考えましょう。CDでは左右の信号は完全に分けられた状態で記録され、望めば左右のスピーカーへ左右を混じり合うことなく出力できます。しかし、レコードは一本の針で左右の信号を読み取るため、右から左へ、あるいは左から右へ、という左右信号の混じり(クロストーク)が避けられません。モノラルがステレオになったとき「中央の音が薄くなる」という問題が発生しました。それはモノラルではすべての音が中央に定位したのにステレオでは一
部の音が左右に散ってしまったからです。


レコードからCDへの移り変わりでも同様の問題が発生しました。レコードでは左右の信号が混じるため、左だけに音を入れてもその音が右側から出ていました。擬似的に定位を中央に寄せる響きをレコードは発生したのです。当然マスタリング時にはこの「クロストークの発生」を考えて左右に分ける音量を決めています。そうして作られたマスターをCDで再生すると、当然中央定位が薄くなり、前後の奥行きが浅くなります。つまりレコードで発生していた「クロストーク(歪み)」は、ボーカルをより濃くするために「必要な音」だったのです。

当初は「原音忠実再生がオーディオのゴール」と考えていた逸品館も、設立から25年を経て「原音忠実再生がオーディオのスタート」だと考えるようになりました。すべての楽器は、「単純な振動を複雑に共鳴させる」ことで良い音質を実現します。高級な弦楽器とリーズナブルな弦楽器に使われる「弦」は、同じですが「胴」つまり共鳴体の良否でその音には大きな差が生まれます。オーディオ機器を「楽器」と同じと考え、入力される信号に「楽器的に共振」させれば出力される音は入力される音よりも良くなるはずです。原音忠実再生から一歩考えを進め、「オーディオ機器を楽器として考えて入力される音よりも出力される音をより良くする」こと。それが、逸品館の考える「新たなオーディオの目標」です。


この考えから生み出されたのがAIRBOW Beat Seriesです。スパイクベースのMetal Baseは、従来のスパイクベースとは次元が異なる「音の広がり(立体音響」と「楽器の色艶の向上」を実現します。
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/accessory/accessory4.html


これをさらに進化させて生み出した、Beat Boardはオーディオ機器の音質を今までの常識を遙かに超えて向上させるオーディオボードです。

http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/accessory/beat-board_parts.html


Tiglonのラックに組み込めば、搭載するオーディオシステムが「楽器に変わった!」と感じられるほど音が生々しく、そして美しくなります。オーディオ機器が楽器に変わる。その表現は決して大げさではありません。
http://ippinkan.jp/055512041632501#global_navi

AIRBOWの新製品「CD3N Analogue」は、CECのCD3Nをベースに考えられるほぼすべてのパーツをグレードアップして生まれたベルトドライブ方式CDプレーヤーです。セパレート型のTL3N/DA3N Analogueが「響きの多い高音質」を実現しているのに対し、CD3N Analogueは「響きの少ないストレートな音質」に仕上がりました。ベルトドライブの弱点である高音のもたつきや低音の緩さを一切感じさせず、高域から低域までベルトドライブならではの滑らかさと高い透明感を保ちながら音楽を再現します。Esotericとはまた異なるアポローチのAIRBOWのアキュレートなサウンドは注目です。
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/cd/cd3n.html

「SingingBox4」は、Marantz MCR610を徹底的にカスタマイズして生まれた、驚くべき音質のネットワークCDレシーバーです。その音の細やかさや透明感は、数十万えんを超えるCDプレーヤー/プリメインアンプのセットに迫ります。また、4kgを切る軽量でありながら、30cmの大型ウーファーをきちんと駆動し、グランドピアノの左手の濁らず膨らまず、重厚に再現するのは驚きを通り越してあっけにとられるほどです。ペア10万円以下のブックセルフ型スピーカーから、ペア100万円を超えるような本格的なスピーカーまで納得の音質で鳴らしてくれるその驚くべき音質は、国産な
らEsoteric RZ-1、海外製品ならLINNあたりの高級品と本気で比べられると思います。
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/others/singingbox4.html

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