QUAD クォード 22L2 22L 音質 評価 比較 試聴 テスト

本国、イギリスでは一足先に発売になっていた22Lのマイナーチェンジモデル22L2がいよいよ日本に上陸しました。

22L2を入手した(ロッキーインターナショナル扱い品)逸品館では、従来モデル22Lとの使用の比較と音質テストを行いました。

※21Lは、22Lに比べ日本国内での販売があまり好調でないため、21L2の輸入は見合わされることとなりました。

(このページの画像はクリックで拡大します。一部画像を除きます。)

QUAD 22L (チェリー)

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QUAD 22L2 (チェリー)

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ツィーター 25mm(ソフトドーム/テキスタイル)
ミッド 170mm
ウーファー 170mm
最大入力(RMS) 300W
インピーダンス 6(オーム)
感度(出力音圧レベル) 89dB/1W/1m
周波数帯域(−6dB) 30Hz-24KHz
高域限界周波数 43KHz
クロスオーバー周波数 150Hz、3KHz
外形寸法(スパイク15mm含む) H865×W205×D278mm
質量(逸品館にて計量) 約14.5Kg(1本)
メーカー標準価格 ¥220,000(ペア・税別)
ツィーター 25mm(ソフトドーム/テキスタイル)
ミッド 170mm
ウーファー 170mm
最大入力(RMS) 300W
インピーダンス 6(オーム)
感度(出力音圧レベル) 89dB/1W/1m
周波数帯域(−6dB) 30Hz-28KHz
高域限界周波数 32KHz
クロスオーバー周波数 150Hz、3KHz
外形寸法(本体寸法) H850×W205×D278mm
質量(逸品館にて計量) 約16.5kg(1本)
メーカー標準価格 ¥280,000(ペア・税別)

22L2は22Lと外観の大きさや仕上げは、同じですが各部の仕様が異ります。

● ツィーターが、11L2などと同じ新型に変更されています。

● ウーファーが、中央部に凸部のない新型に変更されています。

● エンクロージャーの重量が14.5Kgから16.5Kgへとアップしていますが、これは板厚の増加に伴うものでエンクロージャーの強度が増加していると考えられます。

● スピーカー端子部のジャンパーが棒状のものからプレート状のものへと変更されています。

● 黒い鉄製のスパイクだけだった脚部が、転倒防止用の脚部プレートと高さ調整が可能な金メッキされたスパイク脚・スパイク受けに変更されています。

変更された部分 (左22L、右22L2)

ツィーターがL2シリーズ専用の新型へ

ウーファーが、センターにプラグのない新型へ

 

ベースプレートが付き(同梱されているので取り付けます)、スパイクの意匠が高級になりました。

スパイク受けも樹脂製から金属製へとグレードアップしています。

スピーカーケーブルの接続

22L同様22L2もバイワイヤリングに対応しています。22Lでは棒状のジャンパーを交換することで音質が向上しましたが、ジャンパーがプレート状のものに変更されている22L2ではどうなのか?それぞれの音質を比べてみました。

22Lでは、棒状のジャンパーをAET+Yラグに変更することで明確に音質が向上した。

22L2では、ジャンパーは金メッキされた板状のものに変更されている。

比較試聴には、Vienna Acoustics T3G-Bのテストと同じAIRBOW LITTLE PLANET2とCC4001/Specialの組合せを使いました。

AIRBOW'プリメインアンプ'Little Planet 2_2

AIRBOW LITTLE PLANETE2

AIRBOW CC4001/Special

22L2のジャンパーを付属品のままにしてスピーカーケーブルをどの位置に繋ぐと音がどのように変わるかを最初にテストし、好ましい順に並べてみました。

(1)プラスを上、マイナスを下の端子に繋ぐ。=バランスが良く自然な鳴り方。

(2)プラス、マイナスの両方を下の端子に繋ぐ。=厚みがあり暖かい音。

(3)プラス、マイナスの両方を上の端子に繋ぐ。=中低域の厚みが少ない細身の音であまり楽しくない。

(4)2の逆、プラスを下、マイナスを上の端子に繋ぐ。=音が引っ込んでエネルギー感が小さくなってしまった。

次に22Lで音質の良かったAET+Yラグにジャンパー線を変更すると音の質が細かくなって空気感もより強く感じられるようになりましたが、エネルギー感や音の自然な感じが減少したため、付属の金色プレートのまま音質テストを行うことにしました。付属品の音が良いので、22L2ではプレートの交換は考えなくて良さそうです。

音質テスト

 

CANTATE DOMINO

Format:CD (PCM 44.1KHz/16Bit)

輸入盤 : PRCD 7762

1976年録音

オーディオマニアなら誰でも知っている超有名なオーディオチェックにも最適なCDソフト。

録音が非常に優秀で自然。教会で行われた演奏の雰囲気が大きく展開し「場の広さ」特に天井の高さまで再現されるか?

パイプオルガンの重低音、金管楽器の輝き、男女コーラスの厚みや定位感など聞き所満載のソフト。

このソフトをかけた瞬間に今回テストしているシステムの実力の高さをまざまざと感じさせられることになった。空間には、一切の濁りが感じられず空気が澄み切っている。音は止めどなく広がり、スピーカーをいい加減に設置しているにもかかわらずストレスを全くと言っていいほど感じない。

ボーカルは、確かな定位感・実在感を伴うが声が一点に塊ってしまうのではなく、歌手を取り巻く残響も余すところなく再現され、広い空間が美しいハーモニーで満ちてゆく。金管楽器は、ハーモニーで満ちた空間を割くように輝きながら飛んでくる。オルガンは、少し厚みが足りないが量感は十分だ。このクラスのスピーカーで、これほど濁りとストレスを感じないスピーカーは、他にほとんど類を見ない。

まるで小型スピーカーのように、音が素直に広がってゆくのが素晴らしい。22Lとの比較では、この「透明感」と「ストレスのなさ」が格段に向上しているはずだし、新型ウーファーの採用で低域の遅れや濁り、だぶつきも大幅に改善されている。QUADらしい美しい響きを損なうことなく、余計な音が消えた澄みきった美しい音というのがこのソフトを聞いた時の22L2の感想だ。

難点を挙げるとすれば、粒子が少し粗いことだ。同じCDとアンプを使って聞いたウィーンアコースティックT3GやT3G−Bの音とくらべると、高域にほんの少しの硬さが感じられ密度が希薄だ。しかし、それは使用されているツィーターのグレードの違い、スピーカーの価格差を考えれば、十分に納得できる範囲に収まっているし、それを指摘されて始めて気がつく種類のものだ。もし、CDプレーヤーをAIRBOWでもさらに高級なSA10/Ultimateクラスにすれば、不満は確実に解消するだろう。同クラス他社製スピーカーを検討されているならば、よくお聞きになるソフトをご持参の上で22L2を聞いてご覧になるといい。一音が出た瞬間にそれらとは比較にならない美しいサウンドに驚かれるはずだから。

Come away with me

NORAH JONES

Format:CD (PCM 44.1KHz/16Bit)

輸入盤 : 7243 5 32088 2 0

2002年録音

言わずと知れた、ノラジョーンズの大ヒットアルバム。一部分でノラの声が歪むなど録音的には、けっして褒められたものではないが、演奏自体は最近のジャズでは出色の仕上がり。

セッションの組み立て音の使い方が丁寧で見事。このソフトの持つ音楽的要素の緻密さが上手く再現できるか?チェックに選ぶ。

ソフトを変えても分離感と広がり感が優れていること、色彩感が豊富なこと、透明感が高いという印象は変わらない。

ボーカルは伸びやかで濁りがない。ギターの音は切れ味と金属的な響きが美しく弦の分離感も抜群だ。ベースは、量感も十分で質感も高いのだが厚みがやや不足する。一瞬の溜があってからドスンと出てくるのではなく、比較的すぅ〜っと出てくる。オーバーダビングで重ねられたノラ・ジョーンズの声の分離感も抜群だが、やはりもう少し厚みが欲しい。

このあたりは、スピーカーの問題と言うよりは今回の試聴に使っているCDプレーヤーとプリメインアンプとの組み合わせによるのだろう。例えば、逸品館お薦めのUnison research UNICO CDP/Pとの組合せなら、その魅力を損なうことなく中低域の粘りや厚みが出てくるはずだ。

試しに新製品として導入したBLADELIUSのCDプレーヤー“SYN”とプリメインアンプ“TYR”の組合せで同じ曲を聞いてみることにする。このCDプレーヤーとプリメインアンプは、すでに展開を計画して購入しているので別ページに詳しい試聴記事を掲載する予定だ。

“SYN”+”TYR”にCDとアンプを変更すると高域の音がしっとりとして粒子がさらに細かくなる。ノラ・ジョーンズの声にも女性らしい柔らかさや肉厚な感じが出てくる。演奏全体が滑らかになり、音符にレガートが変えられた様に曲調が滑らかでムーディーになる。音楽として聞くなら、この音の方がよりリラックスできる質感が実現する。

もう一度、アンプをLittle Planet2に戻し、CDプレーヤーをSA10/Ultimateに変えて同じ曲を聞いてみる。女性らしい色気という点ではやや後退したように感じる部分はあるが、中低音の厚みは大幅に向上しノラ・ジョーンズの声に彼女らしい「ハスキーさ」が感じられるようになる。音の厚みが大幅に上昇し、粒子も格段に細かくなる。ピアノの音の重量感が増して、ピアノの厚みや色彩感が表現されるようになる。まるでスピーカーを一回り大型のモデルに変えてしまったかのようだ。

Bach Partita No.3

Hilary Hahn

SK 62793(輸入盤)

全曲

今では名実共に若手バイオリニストの実力派として誰しもが認めるヒラリー・ハーンの初期の一枚。17才にしてこれほど見事にバッハを弾きこなしたバイオリニストがかつて存在しただろうか?
このソフトの録音も決して褒められたものではないが、演奏の透明感や純粋さがきちんと再現されるか?システムの歪みの小ささの基準を図るために選んだ。

再びCDプレーヤーとプリメインアンプを元の組合せに戻し、バイオリンのソロ演奏を聴く。

美しい。濁りのないバイオリンの音と透明な響きのハーモニーが素晴らしい。微妙なタッチや繊細な音の変化まで見事に描かれ、ヒラリー・ハーンの奏でるバッハが空間に満ちてゆく。

スピーカーの存在感は完全に消えて、まるでヒラリー・ハーンがその場にいるような感覚で演奏が聞こえる。

オーディオ的な歪み電気的な歪み感は完全に消え、自然なバイオリンの音と空間の拡がりだけが感じられる。このソフトを聞く限り、何も付け加えることはない。今回の組合せで聞くこのソフトは、完璧に近い。

総合評価

22L2は、22Lと共通の圧倒的な仕上げの良さに加え、このクラスのスピーカーとして見事なまでの「歪みの少なさ=癖の少なさ」を実現しています。

前モデルの22Lとは、高域の透明感と伸びやかさ(11L2でも同様。新型ツィーターの導入でグレードアップ)が改善された上に、低域のレスポンスの早さと濁りの低減が実現しています(新型ウーファーの投入によるグレードアップ)。ジャンパーも棒状のものからプレート状のものに変更され、転倒防止にベースプレートが追加されるなど、細かい部分にまでQUADらしい配慮が行き届き、その音質は一回り以上磨き抜かれた印象です。

音色は、トールボーイ型でありながら透明感と切れ味の良さを身上とするAIRBOW IMAGE11/KAI2に近く音の出方がスムーズで速く生の音との違和感が非常に小さいのが特徴です。ソフトによっては高域の音が若干粗く感じることがありますが、アンプやCDプレーヤーの組合せでどのようにもチューニングできる懐の深さを持っていますので、好みの音にするのはさほど難しいことではないでしょう。ノラ・ジョーンズのソフトでは、アンプやCDを変えて聞いてみましたが、22L2は全くその存在感(スピーカーとしての音)を感じさせることなく、それぞれのCDプレーヤーやアンプの音を見事に描き分けてくれました。

低音の量感と反応速度は、新型ウーファーの導入で大幅に改善されています。重量が2Kg増えたことからもわかるようにエンクロージャーの強度もアップされ、ウーファーの響きがエンクロージャで増幅されることがなくなり、中低音の膨らみと濁りがほぼ完全に解消しています。量感も十分ですが、余計な響きがほとんどないために大編成の演奏や、JAZZの低音の厚みが少し物足りなく感じられることがあります。そんな時には逸品館お薦めのAudiopro B2.27 Mark2を追加すると、価格を超えたほぼ完璧に近いスピーカーシステムが完成することは間違いありません。

長く付き合えるQUADらしい、知的で繊細な“いい音”のスピーカーが、また一台お薦めのラインナップに加わったことを嬉しく思います。

2008年5月 逸品館 代表取締役 清原 裕介 

 

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