Ratoc RAL-PS0514 、 RAL-24192UT1 、 RAL-2496UT1

 Audioquest USB-CARBON  JPU-150

 

音質比較テスト

 

Ratocから発売されたUSBバスパワー対応トランス式電源ユニット「RAL-PS0514」の音質テストを行いました。

 
Ratoc RAL-PS0514
正面 背面(上はRAL-2496UT1) 付属ケーブル(電源はオヤイデ製)
メーカー希望小売価格 ¥60,000(税別)
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Ratoc RAL-24192UT1 Ratoc RAL-2496UT1
正面 背面 正面 背面
メーカー希望小売価格 ¥72,000(税別) 生産完了
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メーカー希望小売価格 ¥54,000(税別) 生産完了
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RAL-PS0514の概要

RAL-PS0514は5VのUSBバスパワーで動作する音響アダプターを接続することで、RAL-PS0514が内蔵するトランス方式のローノイズ・ハイパワー電源から5Vを供給し音質を改善するための装置です。通常はPCとUSB音響機器の間にRAL-PS0514を経由させて使いますが、5Vを直接入力できる端子が備わっているRatocのRAL-24192UT1の場合は本体に直接RAL-PS0514を接続することができます。

 

Ratoc RAL-2496UT1とRAL-PS0514を接続

Ratoc RAL-24192UT1とRAL-PS0514を接続


テストの目的

Ratoc RAL-PS0514を使う目的は「PCオーディオの音質アップ」ですが、AIRBOW NA7004SpecialのようにUSB入力端子が備わっている機器では、Ratoc製品を使わなくてもPCをオーディオ機器に繋げます。また、USB機器を接続するときには「USBケーブルで音が変わる」ことが考えられます。そこで今回は、ケーブルによる音質変化のテストを含めた次の9種類の接続で音質を比較しました。USBケーブルは次の4種類を用意しました。

 

使用したUSBケーブル

一般品(N1)

一般品(N2)

Audioquest USB-CARBON

Luxman JPU-150

呼称 接続方法
「直結」 PCとNA7004SpecialをUSBケーブル(N1)で直接接続する。
@ PC → USBケーブル(N1) → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
A PC → USBケーブル(N1) → RAL-24192UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
B PC → USBケーブル(N1) → RAL-24192UT1+RAL-PS0514(同軸デジタル) → NA7004Special
C PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → USBケーブル(N2) → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
D PC → USB-CARBON → RAL-PS0514 → USBケーブル(N2) → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
E PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → USB-CARBON → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
F PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → Luxman JPU-150 → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
G PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → Luxman JPU-150 → RAL-24192UT1(同軸デジタル) → NA7004Special
呼称 テストの目的
「直結」 様々なアクセサリーの追加で、どれだけ音質がアップするかの基準とする。
@ Ratoc RAL-2496UT1(同軸デジタル)の効果をチェック
A Ratoc RAL-24192UT1(同軸デジタル)の効果をチェック。
B Ratoc RAL-24192UT1にRAL-PS0514を使ったときの効果をチェック。
C Ratoc RAL-2496UT1にRAL-PS0514を使ったときの効果をチェック。
D Cとの比較で、PCからRatoc RAL-2496UT1までのUSBケーブルをUSB-CARBONに変えたときの効果をチェック。
E Cとの比較で、Ratoc RAL-PS0514からRAL-2496UT1からまでのUSBケーブルをUSB-CARBONに変えたときの効果をチェック。
F Eとの比較で、Ratoc RAL-PS0514からRAL-2496UT1からまでのUSBケーブルをLuxman JPU-150に変えたときの効果をチェック。
G Fの接続のまま、RAL-2496UT1とRAL-24192UT1の音質を比較。
※今回のテストでは、RAL-24192UT1よりもRAL-2496UT1の音が良かったのでそれが間違いでないか確認するためこのテストを加えました。


テストに使用した機材

PC DAC AMP Speaker

DELL Bostro 3700 / XP Pro(SP3)

Core i5-M520 / 2GB 

使用ソフト / Win Amp 

AIRBOW NA7004Special

\150,000(税込)

AIBROW PM11S2 Ultimate
\480,000(税込)

Vienna Acoustics
Beethoven Concert Grand(T3G)
\648,000(ペア・税別)

 

NORA JONES : Come Away With Me を WAVにリッピングした音源を使用しました。


テスト結果
エネルギー
  直結 @ A B C D E F G
高音 5 6 5 6 6 6 7 6 7
中音 5 6 5 6 7 7 7.5 7 7
低音 5 6 5 6 7 7 8 7 6.5
躍動感 5 6 5 6 7 7 7 7 6.5
バランス 5 6 5 5 6 6 6 6 5
音質
  直結 @ A B C D E F G
音色感 5 5 5 6 6 6 7 6 6
広がり感 5 6 5 6 6.5 7 7.5 7 7.5
透明感 5 6 5 6.5 6.5 7 7.5 7 6.5
明瞭感 5 6 5 6.5 7 7.5 8 7 7
解像度 5 6 5 6.5 7 7.5 8 7 6.5
呼称 接続方法とコメント

「直結」

PCとNA7004SpecialをUSBケーブル(N1)で直接接続する。

周波数レンジの上下端が丸く、改造像度もそれほど高くありませんが、聞きやすくムードのある音でした。

@

PC → USBケーブル(N1) → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

周波数レンジが上下に伸びて解像度が上がり、細かい部分が聞こえるようになりました。感じられなかった空気感やPIANOのアタック感も出て来ました。
音源ファイルをMP3からWAVEに変えたときのような変化です。

A

PC → USBケーブル(N1) → RAL-24192UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

以前のテストでは、RAL-2496UT1よりもRAL-24192UT1の方が音が良いと感じられたのですが、今回は逆で音にベールがかかった感じで音が緩くなってしまいました。前回と今回のテストではUSBケーブルが違っていますのでその影響かも知れません。

B

PC → USBケーブル(N1) → RAL-24192UT1+RAL-PS0514(同軸デジタル) → NA7004Special

低音がしっかりして細かい部分までハッキリ聞き取れるようになります。しかし、その変化の大きさはこれまでに体験したUSBケーブルによる音の変化ほどではありません。ムードのある耳当たりの良い音ですが、アタックが丸く全体的に緩い印象は変わりませんでした。

C

PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → USBケーブル(N2) → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

今回のテストでは、Ratoc製品の効果を見るためにわざと安物のUSBケーブルを使ったので音質はさほど期待していなかったのですが、それが以外に良かったので驚きました。低音がしっかりしてウッドベースの音とピアノの音がきれいに分離します。音の立ち上がりも早くなり、音のエッジがハッキリして気になっていた緩さがほとんど解消し、音楽の骨格が見えてきました。Cの組み合わせでは、RAL-PS0514の効果は確かに感じられました。

D

PC → USB-CARBON → RAL-PS0514 → USBケーブル(N2) → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

Cとほとんど変わりませんが、S/N感が向上し全体的に静かな印象になりました。

E

PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → USB-CARBON → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

ハッキリとした効果が感じられます。音が細かくなり空気感が出てきました。Dと音質は似ていますが、効果が1.5倍くらい大きく感じられました。

F

PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → Luxman JPU-150 → RAL-2496UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

ケーブルをLuxmanに変えると解像度が少し下がりますが、優しく雰囲気のある音になります。ノーマルケーブルとは明かに音色が変わり、ケーブル一本変えるだけで、出てくる音がLuxmanトーンになりました。

G

PC → USBケーブル(N1) → RAL-PS0514 → Luxman JPU-150 → RAL-24192UT1(同軸デジタル) → NA7004Special

最後に確認のためRAL-24192UT1を聞き直しました。低音はRAL-2496よりも良く出るのですが、中高音にベールがかかっています。RAL-2496UT1よりも細かい音も出ているのですが、中高音のベールに隠れてそれがハッキリしません。デジタルノイズにマスキングされた感じで、RAL-24192UT1のポテンシャルが十分に発揮されていないように感じられました。

総合結果

PCオーディオは、テストを重ねれば重ねるほど謎が深まります。最も大きな原因は、PCそのものが過大なデジタルノイズとジッターを発生することにあるようです。そのため持っているポテンシャルやハイビット・ハイサンプリングのような高級オーディオフォーマットの実力がほとんど発揮できずに消えているように思います。また、PCオーディオ関連製品の多くが残念ながらコストなどの関係でピュアオーディオ製品とは比較することができないほどアナログ回路や電源がお粗末で、その影響も大きいと思います。

今回のテストでRAL-PS0514の効果は十分に確認できましたが、USBケーブルによる音質の変化なども合わせて考えると、RAL-PS0514を使うことで電源が強化されてRAL-2496/24192UT1の音が良くなったのか?あるいはRAL-PS0514を使うことでデジタルノイズが低減されて音が良くなったのか?その判断はできませんでした。

また、今回のテストではRAL-2496UT1がRAL-24192UT1よりも音質が良かったように感じられたのですが、これはRAL-24192UT1のように「高性能(ハイスペック)」な機器を使う場合、USBケーブルなどの影響をより受けやすくなるとも考えられます。

とにかくPCオーディオの分野は、音質に関してはまだまだこれからの印象が非常に強く「音の変化を楽しみたい」とお考えならばお薦めできますが、「安心して良い音で音楽を楽しみたい」とお考えなら、しばらく様子を見た方が良いのかも知れません。

2011年9月 逸品館代表 清原裕介

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