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leben cs300 cs600 レーベン 真空管アンプ 音質 評価 テスト

Triode トライオード真空管アンプ

TRV-88SE , TRV-300ST , TRV-4SE Limited 音質 評価 テスト

  

Leben レーベン真空管アンプ CS300 , CS600 音質 評価 テスト

国内では知名度は低いようですが輸出を中心に人気の高い“LEBEN / レーベン“ブランドの真空管アンプは、外観、価格、スペックで好評発売中のTRIODE/トライオードと双璧をなす製品です。
今回、TRIODE/トライオードの新製品“TRV−88SE”が発売されたのを機に“LEBEN”の主要製品であるプリメインアンプの“CS300”、“CS600”の比較テストを行いました。


(フロントパネル拡大写真)

LEBEN

CS300

標準価格¥171,429(税別)

生産完了しました

サイドウッド付属

CS300の主な仕様

■最大出力:12W+12W(4/6/8Ω)
■使用真空管:EL84/AB級プッシュプル
■入力端子:入力RCA5系統
■出力端子:4/6/8Ω各1系統
■テープモニター端子:1系統
■ヘッドフォン端子装備
■消費電力:65W
■サイズ:横360×奥行270×高140mm
■重量:10kg


(リアパネル拡大写真)

帯域別の印象 

高音、繊細で芯がシッカリしている。

中域、音は細かいが厚み?心を押すような部分がやや薄いか?

低域、必要にして十分。低インピーダンスのスピーカーも問題なく駆動する。

全体の印象

音は、良くできた真空管アンプらしく相当に繊細で透明度が高く綺麗だが「汚れ」が少ないように感じられる。透明度よりも中域の押し出しを重視した音作りのMcintoshの真空管アンプなどとは逆の方向性を持っているようだ。全体的に線がやや細く音がカチッとしている印象がある。ボーカルには、もう少し厚みが欲しい。中域の押し出し感が私には少し物足りない。

切れ味などはすごく素晴らしいのだが、トライオードTRV-35SEでも、もう少し欲しいと感じた「立体感」、「広がり感」がこのアンプもちょっと物足りない。そのせいで音楽がやや単調に感じられることがある。

とは言え、音質、スピーカー駆動力などの基本性能は素晴らしく高く優秀。市販品のスイッチやボリュームノブを使っているため限界はあるが、写真で見るよりも仕上げの質感は十分に高い。少量生産なのに上手くコストダウンして価格を上げないようにしたいという努力が感じられて好印象だ。外観に比べ、内部パーツにはこだわっているらしく、スイッチなどの操作感は優秀。リアパネルには、インピーダンス切り替えのローターリースイッチが装備され、低インピーダンススピーカーへの対応もしっかり考慮されている。

だたし、アンプとしてのゲイン(増幅率)は、ちょっと高すぎる。ボリュームがアッテネーター式なのに、CDを聞く時には10時前後で最大ボリュームになるのは、MIN〜MAXが7段階程度しかないから非常に使いづらい。もう少し、ゲインを落とした方がボリュームを使い切れるので良いと思う。

総じて良いパーツを使って丹念に作り込まれたアンプであることがよくわかる。+アルファの魅力は、使い手が自分で作ってゆけばよい。メーカー希望小売価格14万円(税別)でこの音質・品質を実現しているのは、驚くべき事だ。


(フロントパネル拡大写真)

LEBEN

CS600

標準価格¥525,715(税別)

生産完了しました

サイドウッド付属

CS600の主な仕様

■最大出力:32W+32W(4/6/8Ω)
■使用真空管:6L6GC/AB級プッシュプル
■入力端子:入力RCA5系統
■出力端子:4/6/8Ω各1系統
■テープモニター端子:1系統
■ヘッドフォン端子装備
■消費電力:195W
■サイズ:横450×奥行360×高142mm
■重量:22.5kg


(リアパネル拡大写真)

帯域別の印象 

高音、繊細で芯がシッカリしているが、真空管らしい柔らかさが感じられるようになる。

中域、厚みが出てくる。それにともなって、躍動感や表現力も増している。

低域、パンチが出る。6L6CGプッシュアンプらしい押し出しの強さが感じられる。

全体の印象

CS300と比べて、音質が大きく変わるという印象ではないが、音楽の表現力、音の情報量(聞こえるか聞こえないか?という気配のようなもの)は、大幅に増加し価格差が感じられる。

ドラムの音の「ヌケ」がよくなり、ドラムのスキンを堅い木のスティックで打ち付けている様子(アタック)の部分がハッキリ感じられるようになる。楽器とボーカルの分離の曖昧さが、良い意味で消えて楽音の分離が良くなる。

透明感も自然。音楽のノリも良くなって聞こえる。やや口先だけで歌っていた感のあるCS300のボーカルがCS600では、腹の底から声が出ている感じがしてくる。普段聞いているAIRBOWと音の違和感がほとんどないが、それはこのアンプが良くチューニングされている(音の狂いが少ない)証拠でもあると思う。

同価格帯のトランジスターアンプと比べると、低音の押し出しは、それらのアンプには及ばないことがあったとしても、中高音の繊細さ透明度、伸びやかさが確実に勝っているはずだ。ビンテッジの真空管アンプのような中域の厚み重視の音ではなく、TRIODE同様トランジスターアンプとの違和感を抱かせない音だ。

そういう意味では「真空管アンプを持っている」という喜びは少ないかも知れないし、個人的にはこのアンプでなければ!という音の魅力(個性の強さ)がもう少し欲しい気がするが(腕に自信があれば、真空管の交換などで自分の好みに仕上げて行くのも良いかも知れない(このアンプは、EL34と6L6を差し替え可能)。丁重に作り込まれている製品だけに音質の好き嫌いはともかくとして、少なくともこのアンプを買ったときに「いい音のアンプを安く買ったという思い」を感じることは間違いがないと思う。例えば、過去の国産の有名ブランド品「上杉」などと比べてその実力が勝るとも劣ることはないはずだから。


※サイドウッドは別売です。(フロントパネル拡大写真

TRV-88SE

標準価格¥130,000(税別)

サイドウッド別売 ¥5,000(税別)

生産完了しました

TRV−88SEの主な仕様

■最大出力:45W+45W(8Ω)
■使用真空管:KT88/AB級プッシュプル
■入力端子:入力RCA3系統
(後部3系統、テープアウト録音なし)
■出力端子:6/8Ω各1系統
■KOA高精度抵抗器使用
■USA高品質スピーカーターミナル使用
■アルミ削りだしインシュレーター使用
■サイズ:横340×奥行315×高185mm
■重量:15.0kg


リアパネル拡大写真

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帯域別の印象 
高音、繊細で色彩感が鮮やかに出る。
中音、しっかりとした厚みと表現力がある。
低音、KT88らしいパンチと押し出しが楽しい。

全体の印象
このアンプを鳴らして驚いた。苦労して作り上げたPS8500/Specialと音がかなり似ていたからだ!もちろん低音はトランジスターアンプの面目躍如でPS8500/Specialの方が、力強く押し出しもあるが、中音〜高音の真空らしい爽やかさ、透明感、繊細感ではTRV−88SEがPS8500/Specialを上回るほどの印象だ。(音の芯の強さや分離感では、PS8500/Specialの方が良い)

しかし、そんな違いよりも重要なのは、同じソフトを演奏したときの雰囲気が「ほとんど同じに感じられる」ということではないだろうか?アンプの音の違いや、個性の違いを細かく分析するように聞けば「違いはある」のだがTRV−88SEをそう言う風に聞く気分にはなれない。それよりも音楽を楽しく聴いていたい気にさせられる音だからだ。

このアンプの優れている所は、まず「ボーカルの表情と表現力」がとても多彩であること。同様に楽器の「音色」が生々しく鮮やかに再現されるということ。真空管アンプらしく、音の広がりも十分にあって、音場が実に立体的だ。時として、楽器奏者が「音と戯れる」様までが感じられるが、そんな風にCDを聞かせるアンプは、そう多くはない。

かなりうるさい私の耳でさえ、安心させてくれるほど音の狂い(バッドチューニング)が少ない。音が弾むし、楽しい。昨年末に、AIRBOWでチューニングしたTRIODEのアンプを出したいとダイレクトメールで発表しているが、こんなアンプを先に出されると・・・。先にやりたいことをやられたようで、しかもこんなにリーズナブルな価格で!プッシュプル真空管アンプのAIRBOW仕様は、ちょっと考えなければ?(あえて作らなくてもいいな)という気にさせてくれる。心から喜びがこみ上げる。こんなアンプが国産メーカーの量産品として(生産は中国)、しかもこんな驚くほどの安い価格で販売されるなんて!なんて素晴らしいことなんだろう!!

音楽好きには、音楽ファンには、間違いなく受け入れられる音だろう。もちろん真空管アンプという方式の限界(低音が緩い)や価格の限度(驚くほどの細かい音は出ない)があるから、高級オーディオのようなある種の過剰さや凄みまではないけれど、この音で十分に音楽の「楽しい部分」は引き出せるはずだ。

もし、あなたがこのアンプを聞いても「音楽を楽しめない」と感じるなら「音楽との付き合い方を一から見直した方が良い」、「あるいは、違う音の聴き方も覚えた方が良い」とさえ断言できるほど「音楽を楽しく聴くにはかくあるべきというポイントをしっかり抑えた」見事な出来映えだと私には感じられた。


フロントパネル拡大写真

TRV-300ST

標準価格¥380,000(税別)

(生産完了モデル)

TRV−300STの主な仕様

■最大出力:18W+18W(8Ω)
■使用真空管:300B/A級プッシュプル
■入力端子:入力RCA4系統
(後部4系統、テープアウト1系統)
■出力端子:6/8/16Ω各1系統
■KOA高精度抵抗器使用
■USA高品質スピーカーターミナル使用
■アルミ削りだしインシュレーター使用
■TRIODEオリジナル300B使用
■高品質24KメッキOFCソケット使用
■消費電力:220W
■サイズ:横440×奥行320×高200mm
■重量:20.0kg


リアパネル拡大写真

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帯域別の印象 
高音、非常にクリアで繊細。
中域、透明感が高く、表情が驚くほど豊か。
低音、遅れずについてくる。量感も質感も、ある程度の音量までは、真空管アンプとすれば驚くほど高い。

全体の印象
TRV−88SEをそのままグレードアップした感じ。雑味を取り除いて、透明度を上げ、色彩感を増して、鮮やかさを出し、厚みを増して、表現力の実在感を上げ、ほぼ申し分なしと言っていいほど完成度が高い。

トランジスターアンプと比較して、失われている部分はほとんどない。あえていうなら、重低音部分のダンピングの強さ(音の引き締まり方)だが、それにしても同価格帯のトランジスターアンプと比べた場合に聴き劣るほど足りない訳ではない。

中高域の透明度、見通しの良さ、音場のよどみのなさは、300Bらしく素晴らしい!音が透明なベールのように、体を包み込み、体を突き抜けて空間に吸い込まれるように広がってゆくのが感じられる。声の芯もシッカリしている。純粋なシングルアンプのように高域の透明度は素晴らしく高い。本当に、音に余計な濁りや雑味がないことに感心する。中国球とはいえ300Bらしい持ち味を余すところなく引き出していると言えるだろう。もし、それでも文句を付けるとしたら、音の線が少し細いか?

全体の印象は、素晴らしく細い筆でみっちりと丹念に描かれた水彩画を見ているようだ。そこが力強いタッチで描かれた油絵を思わせるユニゾンリサーチとこのアンプとの一番大きな違いだろう。TRIODEは、AIRBOWと同じ方向性を持つ良い意味で純粋に日本的な音と感じる。美しく、端正で繊細。かといって弱々しいのとは違う。TRV−88SE同様、丹念に作り込まれた良さが感じられる。ただ・・・、ちょっと乱暴にも感じるTRV−88SEの音が、今演奏しているソフト(ROCK)には、より合っているかも知れない。

TRV−88SEとTRV−300STは、価格ではなく「音の好み」で積極的に選択するか、あるいは二つのシステムで鳴らしたいと感じさせるような、どちらとも決めがたい魅力を持っている。どちらも良いアンプだ!

最後に普段聞いている音量よりも少し音を大きくしてみた。出力に比例して「歪み」が大きくなってくるかのように低域が緩くなり、全体的な定位がぼやけてくる。このあたりが「ガラスの薄い」中国球の300Bの限界か?ウェスタンの300Bなら、球自体の剛性が高いので「こんな感じの歪み(緩み)」は、出ないはずだが、剛性の低い中国製の300Bを使っている限界で、スピーカーの逆起電力、スピーカーを駆動したときの反動で真空管が振られてしまう(押し戻されてしまう)印象が出てくる。

音量を上げていった場合のリニアリティーに関しては、パワーで勝るTRV−88SEが勝っているようだ。TRV−300SEは、高能率で鳴らしやすいホーン型スピーカーやフルレンジスピーカー、バランスの良い小型2Wayスピーカーなどを「普通よりちょっと大きめの音量」以下で鳴らす場合にその良さを発揮するはずだ。


※サイドウッドは付属です。(フロントパネル拡大写真

TRV-4SE Limited

標準価格¥240,000(税別)

サイドウッドは付属

生産完了しました

TRV−4SE LIMITEDの主な仕様

■使用真空管:12AX7,5AR4/A級増幅
■入力端子:入力RCA4系統
(前部1系統、後部2系統、プリアンプ入力1系統、テープアウト録音1系統)
■出力端子:RCA3系統
■KOA高精度抵抗器使用
■真空管式フォノイコライザー搭載(NF型)
■周波数特性:−1,−3dB(10Hz−100kHz)
■S/N比:96dB
■入力インピーダンス:LINE100kΩ/MM47kΩ
■出力インピーダンス:7kΩ
■高品質ソケット使用
■消費電力:40W
■サイズ:横340×奥行315×高185mm
■重量:8kg


TRV−4SE LIMITEDだけの仕様

■旧ブランド高音質12AX7
■ドイツ製ムンドルフ、フィルムコンデンサー
■国産セイデン製高品質セレクター
■高品質連続可変ボリューム
■オリジナルLIMITEDバッチ


リアパネル拡大写真

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TRV−300ST(LINE入力)にTRV−4SE Limited(新型)を繋いでみた。

帯域別の印象 
高音、空間の濁りが減少し、見通しが良くなる。透明感が向上する。
中音、切れ味が増して、繊細さが向上する。濁りやにじみも減少する。
低域、量が増えて力強さが出る。

全体の印象
音量を上げると、やや先が細長い二等辺三角形になっていたTRV−300STの音質バランスが、TRV−4SE Limitedを使うことで、底辺がしっかり地に着いた正三角形になる。

全体的なバランスが向上し、純粋さ、透明感が大きく向上する。LINE入力に使っても、音の細やかさや切れ味はほとんど変わらない。音場の立体感や厚みも大きく向上する。全体的に力感が改善され、音楽表現のスケールが大きくなった。

TRV−300ST(PRE入力)にTRV−4SE Limited(新型)を繋いでみた。

帯域別の印象 
高音、LINE入力よりもさらに繊細さが出る。
中音、滑らかさと厚みが出て、表情が細やかになる。
低音、低音楽器のエネルギー感は向上する。

全体の印象
バランス感の向上、中域の厚みと表現力の向上は、LINE入力と同じ印象だが、音の細やかさはさらに向上し、楽器の色彩感がアップする。トータルとして失われたものはほとんど感じられず、躍動感や色彩感の改善に伴う音楽的表現力の向上が実現する。

低音楽器のリズム感が向上し、ボーカルのエネルギー感や伸びやかさも明らかに向上する。CDで良く問題とされる子音の荒れ(サシスセソがザジズゼゾになる感じ)が、ほぼ完全に消えるので、中高域が滑らかになったように感じられる。繊細さはまったく失われない。

一つ一つの音が力強くなる。プリアンプを使わないで音量を上げたときの「音場の濁り、低域の緩み」は、完全には消えないが相当緩和される。新採用された、連続可変ボリュームはかなり良い。

初代モデルの欠点であった、アッテネーター式ボリュームの段階が粗く小音量の調整が事実上不可能という問題は、今回採用された連続可変ボリュームで完全に解消する。

TRV−300ST(PRE入力)にTRV−4SE(ノーマル)を繋いでみた。

帯域別の印象 
高音、TRV−4SE Limitedほどの繊細さはないが、比較してわかる程度でそんなに大きな差は感じない。
中音、高域同様あまり大きな差は感じない。
低音、中高域同様あまり大きな差は感じない。

全体の印象
4SE Limitedと比べると、明瞭度や解像度は若干低下したかな?と感じる部分はある。確かに音だけを聞いていると、差は確実にあるのだが、音楽を聞いていると差はほとんど感じられない。

4SE ノーマルでもTRV−300STのライン入力より音の厚みは出るし、エネルギー感も十分向上する。音質のバランスも取れる。ボリュームはもちろん“安物”なのだろうが、アッテネータではないので“連続可変微調整”が効いて使いやすい。

ちょっと音量を上げてリズムの激しい曲を聴いていると、確かに低域のパンチや量感、厚みが不足するのだが(LimitedのLINE入力と傾向は似ている)、ボーカルの厚みや立体感は、4SE ノーマルを使うことで向上する。

フォノイコライザーも搭載し(今回フォノイコライザーの音質差のチェックは割愛)てTRV−4SEのこの価格はお買得だと断言できる。TRV−4SE Limitedは、力作であることは認めるがボリュームの使い勝手の悪さを含め、一般的ではないと思う。

TRV−88SEでは、「その出来の良さ」に感服し、あえて作る必要はないと感じたTRV−35SEのAIRBOWバージョンだが、TRV−4SEに関しては、Limitedの音質も捨てがたいだけに、連続可変ボリュームの使い勝手を犠牲にしない、高音質バージョンとしてTRV−4SE ノーマルをチューンナップしたAIRBOWバージョンを用意してみたいと思えてきた。

まとめ

2日間にわたるアンプのテストを終えた直後に同じCDプレーヤーを使い、発売直前のPS8500/Specialの7.1chダイレクト入力の音質をチェックしてみた。真空管アンプとの一番大きな違いは、音量を上げたときの「リニアリティー」の差だ。パワーに余裕のあるPS8500/Specialは、部屋の壁が震えるような大音量にボリュームを上げても、音像が濁ったり膨らむことはない。また、低域の周波数特性に優れるトランジスターの長所で低音楽器(ベースやドラムなど)の質感のリニアリティーも高い。この低音は真空管アンプでは、もっと価格を上げてトランスにコストをかけないと実現出来ない世界だ。

もう一つの違いは「癖の少なさ=音の正確さ」。PS8500/Specialは、複数のCDプレーヤー/ユニバーサルプレーヤーと複数のスピーカーを使い、さらには3号館に展示している他のアンプとも聞き比べを行いながら、その音の精度を極限にまで高める客観的な努力を怠らなかった。PS8500/Specialは、どんなお客様がどのような環境でどのような種類のソフトをお聞きになられても「演奏家が意図しなかった音」は出ないだろうと思えるレベルにまで作り込んでいる。

私が作る

同時にテストした、ハイブリッドアンプのUNISON−RESEARCH UNICO SECONDに関しては、UNICO Pの上級機ということで「低歪み?という方向の高級感」を持たせたことが「音の良さ」という形になって結実している反面、UNICO P独自の持ち味であった「チャーミングさ気軽さ」は若干後退したように感じられた。音楽を聴いたときの印象が、やや「かしこまった音(ライブからコンサート的な雰囲気への変化)」になっているように感じられる。この部分は、UNICO Pと2の評価の分かれるところになるだろう。もちろん、UNICO 2の仕上がりは、音質のみならず外観の美しさの向上も合わせて、UNICO Pの高級品を望まれるお客様に、ほぼ間違いなくご満足いただける自信があるのだが。(今回テストしたUNICO SECONDは、全くの新品なのでエージングでその硬さが取れる可能性は非常に大きい)

それにしても試聴を終えて、オーディオ全盛期の時ほど真空管方式、トランジスター方式、ハイブリッド方式という「方式の差」が「音の差」に現れず、個々の製品の違い(音の)が想像よりもずっと小さかったことに驚いている。それは、ある意味で個性が失われているという見方も出来るが、私は「工業製品としての完成度が高まった」と前向きに評価したい。なぜなら、それこそが「比較的廉価なオーディオ製品」の正しい方向性だと考えるからだ。

高級機は、高いから数も出ないので、うんととんがった面白い音がして「強い個性」を持っていて欲しいし、第一なによりも高額は失敗しないように購入前に徹底的に試聴を重ねて、ユーザーが積極的に「好き、嫌い」で選ぶべき製品だと思うからだ。それに対して廉価な機種は、試聴せずに購入されることも多く、そのために最低限「音楽を楽しめる音質」で、なおかつ「音楽を大きく誤解しない音質」でなければならない(外れがあってはならない)と思うのだ。そういう意味で今回テストを行った製品は、私なりの厳しい基準でも「合格点」を与えて良いと思う。どれを買っても、通常考えられる「価格以上の満足感」は、得られると思う。

ただし、個々の製品のレポートに書いたように「それぞれの個性」は、確実に存在するから注意して欲しい。

最終的にその「個性」をどのように判断するか?「好き」になるのか「嫌い」になるのか?それはすべて、オーディオを使われるあなたの判断にかかっている。購入前には必ずそれぞれを試聴されることを強くお薦めする。

レポートの内容に自信は持つが責任は取れないから、出来れば私のレポートは、あくまでも事前検討するための「参考」に留めて欲しい。

最後に参考までに述べるが、今回テストした製品の中で、LEBEN/CS300、TRIODE/TRV−88SE、UNISON−RESEARCH UNICO SECONDを試聴機として、店頭へ導入したと言うことを付け加えて(つまり、大いに聞く価値があるということである)このテストリポートの締めくくりとしたい。

2007年4月 逸品館代表 清原 裕介

あとがき

真空管アンプとトランジスターアンプの違いについて

真空管アンプとトランジスターアンプの決定的な技術的の差は、ダンピングファクターと周波数特性だ。この二つの特性の優秀さでは真空管アンプはトランジスターアンプの足元にも及ばない。

真空管アンプは、20Hz以下の低域大信号を歪みなく再現できないが、トランジスターアンプはほぼDC(0Hz)領域まで低歪みで再生する。高域も真空管アンプは、30k〜50kHz程度が限界だが、トランジスターアンプなら、100kHzを遙かに超える領域まで(スピーカーが対応すればの話だが)再現しうる。

これが、周波数特性の大きな差。

ダンピングファクターとは、ウーファーを制動する(止める)力のことで、トランジスターアンプは、ウーファーを動かして素早く制動し止めることが出来る。対して真空管アンプは、ウーファーを制動する力が弱いから、B&Wのように思いコーン紙を使ったスピーカーとは電気的に相性が悪い。つまり、どう考えても技術的に真空管アンプは、トランジスターアンプにはまったく敵わないのだ。

では、そんな真空管アンプの長所とは?

まず、トランジスターアンプで発生する「歪み」は音を硬くしやすいが、真空管アンプで発生する「歪み」は、正反対で音質を柔らかくしたり、瑞々しくしたりすることがある。また真空管アンプには、特有のエコー感が不可避だから、これらの「歪み」を逆に上手く利用すれば、デジタルの刺々しさや硬さを相殺することが可能だ。真空管アンプならトランジスターアンプよりも「耳に優しい音」を作りやすいのだ。それが、オーディオマニア、音楽ファンが真空管アンプを好む最大の理由かもしれない。

しかし、忘れてはいけない「長所」がもう一つある。それは、トランジスターアンプが「簡単に音を変えられない」のに対して、真空管アンプは「真空管を交換する」事で、いとも容易く音が変えられることだ。

両方の長所を持っているハイブリッドアンプ

特性に優れるトランジスターアンプと音楽性に優れる真空管アンプの良いとこ取りをしているのが「ハイブリッド・アンプ」である。スピーカーに繋がっていない「前段/ドライバー部」に真空管を使用することで「真空管の味」を付け、スピーカーと直接繋がる「後段/パワー部」にトランジスターを利用すると、トランジスターアンプの特性と真空管アンプの音色を持った「オーディオ的に最適な製品」を生み出すことができる。トランジスターアンプに真空管プリアンプを組み合わせていると考えるとわかりやすいだろう。

ハイブリッドアンプは、真空管アンプの良さとトランジスターの良さの両方を兼ね備える理想的なアンプだ。その種類はまだ少ないがCDプレーヤーなどにも真空管を使うことは可能で、徐々に製品が増えてきているようだ。UNISON RESEARCHやAUDIO ANALOGUEなどのイタリア製のオーディオ製品やヨーロッパのオーディオ製品にハイブリッドモデルが多いように思える。

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