CDに記録されているデジタルデーターをPCに取り込む(リッピング、リップ)ソフトの代表的は、PCに付属するWindows
Media PlayerやiPodと連携するi-Tunesでしょう。これらのソフトでCDをリップする場合にはファイルを非圧縮のWAVEとして取り込む以外に、WMA/MP3/AAC/FLACなど様々な圧縮ファイルに変換して取り込むこともできます。
圧縮(エンコード)と展開(デコード)が行われるならば、ソフトによって音が変わることが考えられますし、非圧縮のWAVEで取り込むときにも、取り込みソフトで音が変わると言われています。さらには、取り込みに使うドライブでも音が変わると言われています。
そこで実際に音がどれくらい変わるのか?WAVEファイルの取り込みで音質を比べてみました。
事前にBostro
3700とiPod
Classicで同じファイルを聞き比べ、音質テスト結果がほぼ同じになることを確認し、音質検証には「DELL
Bostro 3700とヘッドホンの組み合わせ」を使いました。これならファイルをiPodに転送する手間を省け、テストがスムースに進みます。
ハードウェア 音質テスト
まず、GatewayとDELLの2台のパソコンを使い同じソフト(Windows
Media Player)でCDを取り込みましたが、取り込んだPCによる「有意義な音質差」は感じられませんでした。
一部のマニアは、CDのデーターを取り込むとき、使用するドライブや外付けドライブの場合は接続ケーブルで音が変わると言いますが、私の今までの経験では、顕著に音が変わったという記憶はありません。少なくとも今回テストしたClassicとTouchのヘッドホン出力の音質差の方がずっと大きいように思います。
市販の低価格ポータブルCDプレーヤーから光デジタル出力でデーターを取り出してもCDのデータが損なわれないというテスト結果報告もありますから、個人的には取り込みのハードウェアに関してはさほど神経質になる必要はないと考えます。
USBケーブルは、PCと外付けDACの間では音質に大きな影響を与えます。しかし、PCとドライブの接続に使った場合、音質に大きな影響はないと感じています。高音質USBケーブルはDACだけに使っても、十分な効果を発揮します。
ソフトウェア 音質テスト
続いてリッピングするための「ソフトウェア」を検証しました。取り込みはWAVEファイルで、取り込み方法は「最も高音質になるように、ソフトを設定して」行いました。再生ソフトはWin-Ampに統一し、再生ソフトによる音質変化を排除しています。
・i-Tunes
細かい音は良く聞こえるが、中低音がややぼけている。濁りがあり、立体感にも乏しい。
・Windows
Media Player
ちょっとだけ透明感が上がったように聞こえる?
・Win-Amp
更に透明感が上がったように聞こえる?
・Foober 2000
i-Tunesと同じ印象。
・EAC(Exact
Audio Copy)
少しメリハリが強くなってノイズが少ない感じ?S/Nが良くなったように感じる。
まとめ
ハードウェアと同じく取り込みソフトウェアーによる音の違いも、iPodと3種類のヘッドホン出力の差よりも遙かに小さく、ほとんど有意義な差はないと思われます。
取り込み速度やエラー訂正設定のあるなしでも音はほとんど変わらず、使い勝手の良いソフトでCDをリッピングすれば十分な音質でデーターが取り込めると考えられます。
ソフトを比べると取り込み速度はFoober 2000が早かったのですが、デフォルトの設定ではCD情報がデーターベースから取り込みにくいなどの問題がありました。音はEACが良かったように思われますが、精神衛生上満足できるくらいの小さな違いでしかありません。
読み込んだCDの楽曲情報を後から手動で入力するのは大変手間がかかりますから、デフォルトでもCDの楽曲情報を自動的に取り込んでくれる、Windows
Media Audioやi-TunesなどのソフトでCDをリッピングすればそれが便利だと思われます。