TANNOY MERCURY FC CUSTOM F1 CUSTOM F4 CUSTOM FC CUSTOM 音質 評価 比較 テスト  

   

逸品館お薦めの大ヒットスピーカー! TANNOY MURCURY FシリーズがCustomにグレードアップされ新発売されました!気になる旧モデルとの音質の違いは?早速テストを行いました。

 
モデル名 MERCURY F4
CUSTOM
MERCURY F1
CUSTOM
MERCURY FR
CUSTOM
MERCURY FC
CUSTOM
標準価格 110,000円(ペア・税別)
生産完了
39,000円(ペア・税別)
生産完了
36,000円(ペア・税別)
生産完了
36,000円(税別)
生産完了
サイズ(W*H*D) 204*970*290(mm) 170*300*220(mm) 140*210*160(mm) 430*150*170(mm)
重量(Kg) 13.5 4.4 2.2 5.5
ツィーター

25mm(1インチ)ソフトドーム型ツィーター(ネオジウムマグネット、防磁)

ウーファー 165mm×2 135mm 100mm 100mm×2
能率(W/m) 91dB 87dB 86dB 90dB
周波数特性 35Hz-20KHz 55Hz-20KHz 59-20KHz 68-20KHz
許容(連続) 100W 50W 40W 70W
方式

バスレフ(フロント)

バスレフ(リア)

仕上げ

アップル木目

MERCURY-F Custom シリーズのご注文はこちらからどうぞ

旧モデル(MERCURY−F)からのアップグレードの内容

高品位オーディオグレードパーツを採用した最新クロスオーバーネットワーク回路を採用

『プレステージ』シリーズSE(スペシャル・エディション)のテクノロジーを踏襲したネットワークコンポーネントを採用。HF側には優れたダイナミックレンジを誇り、正確なフォーカスやトランジェント特性の良さなど、優れたオーディオ特性を獲得する英国ICW社製ClarityCapオーディオグレード・コンデンサーを採用し、スムーズなロールオフ特性を獲得しています。またLF側にはラミネート鉄芯に高密度に銅素線を巻きつけた大型の低損失インダクタ(コイル)を採用。音質劣化を最小限に抑え、抜けがよく力感のある低域再生に貢献しています。スピーカー設計の核となるネットワーク回路のアップグレードにより、ボーカルレンジ(中音域)の透明感がさらに向上し、より深みのある低域再生を獲得。音楽の持つ肌合い、温度感などを繊細かつ滑らかに再生する表現力をいっそう高めています。

内部配線にはオランダvan den Hul社製のシルバーコーディング銅線を採用

内部配線にはオランダvan den Hul社製のシルバーコーディング銅線を採用。通常の無酸素銅と比べ、結晶体が大きく相互に密に接している高純度マッチド・クリスタル(MC)OFC撚り線をシルバーで厚膜コーティングした線材は伝送ロスを低減し、音質クオリティをいっそう高めています。

高品位な24K金メッキ真鍮製スピーカー・ターミナルを採用 (FRを除く)

高剛性と音響特性に優れた16mm厚のパーチクルボードを採用。エンクロージャー自体の不要共振の影響を極力排除することにより、音ばなれが良い低域と奥行感に優れた中・高域を獲得しています。またフロントバッフルには、高密度を誇り音響特性に優れた19mm厚高密度素材MDF(ミディアム・デンシティ・ファイバーボード)を採用。共振を抑えた堅牢なエンクロージャーはリジットでパワフルな中低域再生を実現します。エンクロージャー外観は気品のあるアップル(りんご)木目調を採用、伝統とモダンを兼ね備え、飽きのこないシンプルなデザインを獲得しています。

数種のファイバーを混入したペーパーコーン採用のバス・ユニットを搭載

バス・ユニットは軽量化と剛性を両立させ、過度特性を向上させる為、いくつかの異なるファイバーが混入されたペーパーコーンを採用。軽量化と高剛性を併せ持ったマルチファイバー・ペーパーコーンは低域出力に対するレスポンスに優れ、質感も一段と向上し自然でパワフルな低音再生を獲得します。

均一な高域放射特性を実現するネオジウムマグネット採用のソフトドーム・ツイーター搭載

高磁力のネオジウムマグネット採用によるソフトドーム型のツイーターを搭載。濁りの少ない高域特性を実現。演奏の質感をプレゼンス豊かに表現すると共にハイパワーでの連続駆動時にも安定した特性を誇ります。高剛性と音響特性に優れた16mm厚のパーチクルボードを採用。エンクロージャー自体の不要共振の影響を極力排除することにより、音ばなれが良い低域と奥行感に優れた中・高域を獲得しています。またフロントバッフルには、高密度を誇り音響特性に優れた19mm厚高密度素材MDF(ミディアム・デンシティ・ファイバーボード)を採用。共振を抑えた堅牢なエンクロージャーはリジットでパワフルな中低域再生を実現します。さらに、新たにバス・ユニット後部をリアパネルからの支柱で特殊ダンプ材を介して補強する上位モデル同様の設計思想を取り入れるなど、エンクロージャーの不要共振対策を強化しています。エンクロージャー外観は気品のあるアップル(りんご)木目調を採用、伝統とモダンを兼ね備え、飽きのこないシンプルなデザインを獲得しています。

外観


それぞれのサイズの違い


FRのスピーカー端子は、バネ式。他のモデルは24金メッキ(バナナプラグ対応)


F4のみバイワイヤリング対応

音質評価

MERCURY Custom FR

サランネットなし、バスレフポートはスポンジで塞いだ状態
カーラ・ボノフの「The Water is wide」を聞いてみたのだが、こんなに小さなスピーカーがなっているとは思えないほどスケールが大きく音場が広く広がることにまず驚かされた。
ギターの響きが豊かで美しく、Autograph-MINIに似ていると言っても褒めすぎではないほどのTANNOYの名に恥じない美しく透明なサウンドを聞かせてくれる。ちっとも安っぽさを感じさせないのがこのスピーカーの凄いところだ。
ボーカルもスィートで表情が豊か、そして色っぽい。音量を下げても音は痩せず、細かい音までハッキリと聞き取れる。
念のためAIRBOW IMAGE11/KAI2と比べるが、シャープな音の出方、帯域バランスの良さ、開放的で楽しい鳴り方などは、とても似ている。細部のディティールの描き方では、もちろんIMAGE11/KAI2には及ばないが、CDやアンプを奢らなければこれで十分なサウンド!
この価格帯、このサイズでは、断トツの素晴らしいサウンドに驚かされた。

サランネットなし、バスレフポートのスポンジは外した状態
音が後方に広がって音場がスピーカーの後方にさらに大きく展開するが、音が散ってしまって表現が散漫になる。
バスレフから空気が漏れるため、ユニットのダンピングが甘くなり、音が止まらずエコーに濁りが生じるようになる。表現の細やかさも減退し、大雑把な音になる。
バスレフポートのスポンジを外すのはお薦めできない。

MERCURY Custom F1

サランネットなし、バスレフポートはスポンジで塞いだ状態
ウーファーの口径が大きくなったため、ウーファーの上限とツィーターの下限帯域の部分のエネルギー感が僅かに薄く感じられようになる。箱が大きくなったため、箱鳴きによる音の濁りが増える。エコーの透明感が減退する。ギターが雑になり、ボーカルの表情もやや大雑把になってしまった。
低音の量感の向上がどのように影響するか?ソフトをJ−POPに変えてみる。
切れ味の良さ透明感ではFRに叶わないが、低域のパンチ力、低域の押し出し感はグンと向上する。カーラ・ボノフほど再生に繊細さを要求しないソフトの場合、低域方向の再生帯域が広いF1の良さが出てくる。

サランネットなし、バスレフポートのスポンジは外した状態
箱の強度が相対的に低いF1では、バスレフポートが開かれることで箱に力が加わらなくなり、箱の共振が少なくなる。結果として、響きの透明感が向上する。
ユニットの口径がFRよりも大きくなった(100mm→130mm)ことで空気を押す力がより多く必要になり、またユニットの慣性質量も大きくなるため、アンプにかかる負担はかなり大きくなってしまう。それが、スポンジを外すことで軽減され、ユニットがより軽やかに動くようになり、明瞭度や解像度が向上する。
FRとは、正反対の結果になるが、F1ではスポンジはない方がより開放的で音も大きく広がり、楽しい音を聞かせてくれる。
バスレフポートのスポンジは外すのがお薦め。

MERCURY Custom F4

サランネットなし、バスレフポートはスポンジで塞いだ状態
まずサランネットを付けた状態で聞いてみたが、想像以上に音が悪くサランネットはすぐに外す。
当たり前だが、低音が豊かになり表現の厚みや豊かさがぐんと増す。FR同様高音は、非常に美しく響きも透明で上品だ。中域にほんの少しぱさついた所を感じるが、これはエージングと共に完全に解消するだろう。
バスレフポートはフロントにあるので壁との距離関係には、あまり神経質にならなくても済みそうだが、足下には十分に気を使わないと、低域〜中域〜高域のバランスが悪くなりそうな感触があるから、足下のセッティングには気を使った方が良さそうだ。

サランネットなし、バスレフポートはスポンジを外した状態
F1同様F4もスポンジを外すことで音が軽やかで開放的になる。細かい音がよりクッキリと聞こえるようになり、表現も一段と深みを増す。
さらに高級なスピーカーと比べるとやや音が浅く、軽く、質感の点で物足りなさを感じるが、これもエージングが進むと解決しそうだ。
使い込めば使い込みほど味が出る。長くつきあえるスピーカーだと感じた。

MERCURY Custom FC

サランネットなし、バスレフポートはスポンジで塞いだ状態
Wウーファーのセンタースピーカーは、これまで中音が濁るので敬遠していたのだが、MERCURY Custom FCは、スッキリとした濁りのない中高音を再現する。
低域のだぶつきも小さく、センタースピーカーとしての実力はかなり高い。

サランネットなし、バスレフポートはスポンジを外した状態
僅かに感じられていた中音の濁りがほとんど完全に消える。
明るく快活な音で、聞いていてとても楽しく気分が良い。
映画や音楽を楽しませてくれる良いスピーカーだ。

総合評価

自信を持ってお薦めしてきたMERCURYシリーズは、値上げ幅を十分に上回るだけ確実にリファインされています。旧型よりもネットワークのコンデンサーやワイヤリングをより上質なものへとグレードアップした効果が、音の“質”をさらに向上させています。また、それらの改良により高域の切れ味と明瞭度がより良くなっています。

コストをかけずに楽しく音楽を聞きたいとお考えなら、スピーカーにはF4をアンプとCDには迷わずAIRBOW LITTLE COSMOS2をお薦めします。価格を遙かに超える驚きの音質でカジュアルなポップスから本格的な交響曲まで驚くべき表現力で聞かせてくれるでしょう。

FRは、低価格のCDレシーバーなどと組み合わせたり、ミニコンポのアップグレード用のスピーカーとしてとてもお薦めです。聞き慣れたソフトを思わず聞き直してしまうほど、その表現力は目を見はるものがあります。

騙されたと思って!セカンドシステムにでも導入してください。音楽を聞く本当の楽しさが、このスピーカーから伝わってくると思います。

旧モデルの音質評価も合わせて参考にして頂ければ幸いです。

2008年3月 逸品館 代表取締役 清原 裕介