Manlay Stingray 音質評価 

Manlay Stingray \880,000(税別)

(この製品のAIRBOWモデルのご注文はこちらから

製品の概要

MANLEY Stingrayは、Antelope Audio OCXでおなじみのプロメディアが輸入する、アメリカ製の真空管アンプです。日本ではあまり馴染みのないメーカーですが、アメリカではレコードのカッティングマシンの再生用アンプを作るなど、業界ではかなり評価の高い製品を作っています。StingrayはManlayがコンシューマ(民生)向けに作った真空管アンプで先進的なセレクターとボリューム、そしてiPodドックを備えているモデルもラインナップされています。今回テストしたStingrayはiPod対応モデルですが、輸入を開始するときにはこちらのモデルを(受注生産)としてiPodのないモデルをレギュラー品にする予定です。

Manlayはアメリカのメーカーホームページで直販されている価格が現地価格です。逸品館ではManlayの製品をプロメディアを通じて仕入れますが、一部の真空管を軍用のムラードに交換するなど簡単なチューンナップを行い、AIRBOWモデルとして販売する予定です。日本で知名度の低いManlayブランドよりも価格をほとんど上げることなくAIRBOWモデルとすることで、音質・信頼性・アフターサービス面でお客様の信頼を得やすいと考えたからです。現在、このビジネスモデルについてManlay社と協議中ですが問題なく許可される予定です。

Stingrayの特徴はその独特な形状だけではありません。かなり軽量(15.9kg)なのに中低音に十分な厚みとパワー感があります。出力は32W(UL接続)、18W(3極管接続)です。UL接続と3極管接続は、出力トランスの後側のスイッチで切り替えます。プロ機器メーカーらしく、出力管のバイアス調整が行えます。(説明書

 操作の様子・動画ファイル

リモコンはかなり大型で無線と赤外線の両方に対応します。方式の切り替えは、リモコンの裏側のスイッチで行います。ボリュームは段階が非常に細かく音量変化が滑らかで、さらに左右のバランス調整が行えます。セレクターは電子制御で、電源のON-OFFもリモコンで行えるなど操作はトランジスターアンプと同じです。

入力は2本のECC81(12AT7)でオリジナルはロシア球です。AIRBOW仕様はこれを軍用のムラード(CV4024)に変えています。ドライバー段には2本の6414でオリジナルからGEもしくはRaytheonが使われ変更の必要はありません。出力は8本(パラプッシュ)のEL84が使われています。これはロシア球ですが音が良く、代替品の良い物が少ないのでそのままにしています。

写真のモデルはiPodドックを備えています。充電に対応し音質も素晴らしいのですが、真空管の熱でiPodが過熱するため受注生産モデルとし、LINE入力のみ4系統備えるモデルをレギュラーモデルとしました。

小型の出力管を使っていますので発熱はそれほど多くなく、無信号時の消費電力も85Wと真空管アンプとしては非常に少なめです。待機電力は2W程度です。
形式 真空管式プリメインアンプ
入力数 LINE×4(LINE×3,iPod×1)
出力数 TAPE OUT×1
使用真空管 ECC81×2、EL84×8、6414×2
最大出力(Ω) 32W(5Ω/UL接続)
18W(5Ω/3極管接続)
周波数特性 15Hz-58KHz、-1db
消費電力(無信号時) 85W(逸品館にて計測)
サイズ/重量 475×350×188(mm)/15.9kg
付属品 電源ケーブル、リモコン

<明るい> - *- -  - - - - <暗い>

<柔らかい> - - - * - - - - - <硬い>

<総評>

StingrayはEL84を各チャンネル4本使ったパラプッシュ回路を採用していますが、EL84のような小さなタマを使うと「透明な高音」と「厚みのある中低音」が両立します。真空管マニアの間では、大型直熱管の845や300B、多極管ではKT88やEL34などの人気が高く、EL84は軽視されがちですが、今回テストしたアンプではEARのV12もEL84を使っていますが、EL84を好むアンプ設計の専門家少なくありません。

Stingrayは小型管を複数使ったアンプの良さが溢れていて、切れ味の良さと透明感、中低音のパワー感が見事に両立しています。

ボリュームは非常に段階が細かく、使いやすく仕上がっています。特徴的なのはiPodを本体に直接差し込んで再生可能な事です。IPod Touchで試してみましたが、ファイルがMP3/320bpsにも関わらず下手なCDを大きく上回る音が出たことに驚かされました。この音なら相当音にうるさい人からも文句は出ないでしょうし、これがiPodの音だと気付く人は、一人もいないはずです。

斬新なデザイン、先進的な機能からは真空化らしくないデジタルチックな音を連想させられますが、実際の音はそれとは真逆の現代版真空管らしい魅力に溢れていました。気に入ったので、早速一台を試聴機として買い取りました。ミニチュア管をお気に入りのムラードに交換して聞いています。良いアンプです。

音質テスト結果 PMC PB1i/Signatureと組み合わせて

PMC PB1i/Signature
\1,100,000(ペア・税別)

中音が少し膨らみ気味に感じられますが、低音は豊かに響きます。ギターの響きは木質的で美しく、楽器の高級感が伝わります。Seleneは悲しい曲調ですがボーカルは落ち込むような悲しさはあまり感じられず、悲しみが優しさに昇華して柔らかく包み込まれるようなイメージで曲を鳴らします。音は大きく広がりますが音像は肥大せず、ボーカルの口元はシャープに引き締まって唇の動きが見えるようです。歌手が自分に向けて語りかけてくるような彫りの深い情緒の豊かさが印象的な音でSeleneが鳴りました。

高音はわずかに金属的に感じられますが、子音は荒れず滑らかです。バイオリンの音も耳当たりは柔らかいのですが切れ味も両立し、小型楽器らしい凜と澄み切った美しさがキチンと再現されます。中低音はほどほどに厚みがあり、不要に膨らまずチェロとコントラバスの音色の違いもしっかりと再現します。各楽器の旋律(パート)は濁らずに分離し、向こう側が透けて見えるような透明感のあるハーモニーが奏でられます。音色の鮮やかさ、透明感の高さは真空管アンプならではの再現性です。ゆったりと包み込まれるような柔らかく優しい雰囲気でヒラリー・ハーンのバッハが奏でられました。

Stingrayはアメリカ製品らしく、POPSをびっくりするくらいの良い音で鳴らします。透明感に溢れ、ざらつきが全く感じず滑らかなのに、鋭い切れ味を感じさせる高音はトランジスターアンプではまず出ない音です。小型軽量にも関わらず、ベース・ラインには高音のエネルギーに負けないずしんと来る厚みとパワー感がありリズムを軽快に弾ませます。キラキラと美しく広がるシンセサイザー・シャワーの中心から、ガガのボーカルが力強くまっすぐ前に飛び出してくるのが快感で、「真空管アンプでなければ、POPSは絶対こんな躍動的に鳴らないだろう」と確信させてくれる、臨場感と躍動感溢れる音に驚かされました。小型でこんなに軽い真空管アンプから、このようなエネルギー感溢れる音が出てくることに驚かされました。

音質テスト結果 Focal 1028Beと組み合わせて

Focal 1028Be
\1,200,000(ペア・税別)

1028Beとの組み合わせでは中低音が少し膨らみます。しかし、通常家庭で聞く音量では逆にその膨らみがとても心地よく感じられるでしょう。ギターの切れ味感はPB1i/Signatureのそれより少し後退しますが、アタックの太さ、弦の硬さで1028BeはPB1i/Signatureを上回り、ギターの音をよりそれらしい強さで鳴らします。透明感がMAXに感じられるPB1i/Signatureとの組み合わせも悪くありませんでしたが、中音にウェイトが乗った1028Beの音は有機的で暖かく、肉付きの良さが魅力的です。PB1i/Signatureで聞くSeleneのボーカルセッションは濁りがなく透明で、ボーカルが伴奏ときれいに分離して聞こえる独特の鮮やかさが印象的でした。1028Beではボーカルにちょっぴり肉が付いて、グラマーな女性が情感たっぷりに歌っているイメージに変化しました。Stingrayで聞く1028Beは、正にフランスの音、PB1i/Signatureが奏でるイギリスの音とはひと味違っています。

スピーカーに重いコーン紙のウーファーが使われていると真空管アンプでは低音が出にくくなるというのが通説ですが、なぜかユニットが重いはずの1028BeとStingrayの組み合わせでユニットの軽いPB1i/Signatureよりも中低音に厚みが出ました。スペック上も再生周波数帯域の下限はPB1i/Signatureが1028Beを上回っているのに、1028Beの低音に厚みと量感が出たのはなぜか?理由を考えてみました。
真空管アンプはトランジスターアンプに比べ、ダンピングファクターが低いのでユニットを「止める力」が弱く、そのため音が終わった後もユニットがすぐに止まりません。ユニットが「余分に振動する」ため中低音の響きが少し増えるのでしょう。エンクロージャの響きが増えたように、中低音が膨らんで聞こえます。しかし、その膨らみは決して不愉快なものではなく、音楽に豊かさを与えてくれる良い響きです。
バイオリンの高域は鋭さが消えると同時にやや切れ味が後退しますが、こういうやや太めの鳴り方はバイオリンに適度な色気と艶を乗せて耳当たりを良くしてくれます。楽器の分離はどのソフトを聞いても驚くほど鮮やかで、音が団子になりやすいこのソフトでも各パートの音を見事に分離し音場空間が大きく広がります。Seleneでも感じましたが、Stingrayはスイッチを切ることをためらうほど魅力的な音で1028Beを鳴らしました。

PB1i/Signatureとの組み合わせでも感じた事ですが、Stingrayは音の広がりとパンチ力に優れPOPSを実に生き生きと鳴らします。伴奏の音がふわりと部屋いっぱいに広がり、センターからボーカルがまっすぐに力強く飛び出す理想的な立体感がステレオ再生で実現します。サラウンドの必要性を感じないほど音が大きく広がり、定位がシャープに決まるこの独特なサラウンド感覚は非常に心地よいものです。スピーカーをPB1i/Signatureから1028Beに変えると、音色がさらにカラフルになって音楽の楽しさが深まります。
PB1i/SignatureとStingrayの組み合わせでは少しソフトを選ぶ傾向が感じられたのですが、1028Beと組み合わせるとすべてのソフトで音を止めることがためらわれるほど、一気に音楽にのめり込んでしまいました。1028BeとStingrayの組合せは、Focalの持つ色気と真空管アンプの魅力が組み合わさって、かなり強烈に「これが欲しい」と思わせる音でガガを鳴らしてくれました。

2011年 8月 逸品館代表 清原裕介

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