今回の音質比較テストは、それぞれのプレーヤーのアナログ出力(2ch
ステレオ)とデジタル出力(HDMI)を比較しました。スピーカーにはFocal
1028BEを使いましたが、アナログ出力はAIRBOW
PM15S2/Masterに接続誌、HDMI出力はAIRBOWのセパレートAVアンプAV7005/Special+MM7025/Specialに繋いで音を聞いてみました。再生システムが異なるため、直接の音質比較ではありませんが参考にはしていただけると思います。
Marantz
UD7006(ノーマル)
Mellow CD(アナログ出力)
音のバランスは悪くない。低音もかなり良く出る。少なくとも従来の薄っぺらいBDプレーヤーの音からは完全に脱却している。音楽的にきちんとチューニングされた感じで嫌な音ではないのだが、このCDはいつもピュアオーディオ機器でよりよい音で聞いているから、それと比べていろいろ不満を感じてしまう。
一番大きな不満は、高音が伸びきらず音の角が丸くなって細かい音がきちんと分解されないことだ。そしてこの高音の切れ味不足、明瞭度付属が原因で低音が止まらずに膨らんでしまうのも問題だ。ボーカルと伴奏の分離も物足りない。ボーカルの表情にも細やかさやデリケートな感じが不足する。かなり分厚いベールの向こう側で音が鳴っている感じ。音の質感が全体的に不足する。
Mellow DVD(アナログ出力)
CDで気になっていた“もやもや感”がかなり取れる。高音がすきっと伸びて、指うちの音もリアルになる。ボーカルの声もかなり良くなって、普段聞いているDoubleの声と違和感がほとんどなくなる。前後方向の立体感も深くなる。
DVD-VIDEOのPCMトラックの再生音質は、CDよりもかなり良い。CD再生の音は精々数万円程度の平均的CDプレーヤーの音質だった。しかしソースをDVDに変えると音質はグッと良くなり、価格帯は同じでも良くできたプレーヤーの音になる。しかし、10万円に近いCD/SACDプレーヤーと比べると、音が雑に聞こえる、高音が硬くて耳につく、低音が止まらずに広がってしまう、など価格なりの不満が露呈する。それでもこの価格のユニバーサルプレーヤーとしては、まず十分な音質だと感じられた。
Mellow DVD(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
ウインドベルの音が細やかになり、指うちの音も立体的に広がり、定位がハッキリとする。伴奏とボーカルの分離や位置関係が明瞭になる。ボーカルに説得力が出る。低音が太くなり、ぼやけていた音階がハッキリと聴き取れるようになる。また、聞こえなかった低い音が聞こえるようになる。
音質と立体感(音が広がる感じ)は、UD7006のアナログ出力とは比べものにならない。特にボーカルや伴奏の楽器の音が混ざらずに分離するようになったことで、音楽が心地よく聞けるようになった。高音最後部の音の角が丸い、高音が少し硬い、解像度感がもう少し欲しいなど不満は残るが、それでもピュアオーディオ製品と比べてさほど大きな不満なく音楽が楽しめる音になった。
Hilary
Hahn(アナログ出力)
CD/DVD-VIDEOと比べ、ハッキリと音が良くなる。録音があまり良くないこのディスクで懸念される、弦楽器の音が団子に濁る現象もほとんど気にならない。絶対的な解像度はそれほど高くなく、SACDを再生してもピュアオーディオ機器の中級CDプレーヤーで聞くCD程度の音しか出ていないのは事実だが、このクラスのユニバーサルプレーヤーで「不満や違和感なく音楽を聴ける」というのは少し前では考えられなかったことだ。
UD7006がSACD専用の再生回路を搭載していることが、キチンと音質に反映された立派な音でSACDが再生される。中音にきちんとした厚みと温かさがあり、嫌みなく低音と高音がそれに乗っかっている。このクラスのBDプレーヤーにも関わらず音が薄くならず、気持ちよい「かまぼこ形バランス」が実現していることを高く評価したい。
Hilary
Hahn(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
UD7006とAV7005(AV7005/Special)ならHDMI接続で、SACD(SACD/Multi)のDSDデジタル伝送ができる(デジタル信号がPCMに変換されない)。そこでSACDもアナログ接続とデジタル接続の音質を比較することにした。
高音の分解能力の低下に若干の不満は感じられるが、UD7006(ノーマル)をAIRBOWカスタマイズAV7005/Specialにデジタル接続すると低音の厚みや量感が向上し、楽器の音色の鮮やかさと立体感(音の広がり)改善する。バイオリンとチェロ、コントラバスの音色がアナログ接続では明確に分離して聞こえなかったが、AV7005/Specialにデジタル接続するとそれぞれが特徴的に分離して聞けるようになる。楽譜に記された各パートが明確に分離して聞き取れ、またそれぞれが正確にハーモニーを形成するため、演奏が意図的にきちんと行われている事や、音が高度な音楽として再現されていることが伝わってくる。この音であれば、かなりのクラッシックファンでも満足できるだろうと感じられた。
感動! DVD
AUDIO(アナログ出力)
SACDでいい音を聞けたのでDVD-Audioもそこそこのレベルで鳴るだろうと考えていたが、その期待は完全に裏切られた。耳を疑うようなひどい音。ギターは安物で針金のような音が出る。ドラムはしめってべたべたしている。ボーカルは、まるで安物のカラオケBOXのそれのようだ。
これほどひどい音を3号館で鳴らしたのは、随分久しぶりだ。最近良い音で鳴り出して喜んでいるiPod(MP3)の音とは比べものにならないくらいレンジが狭く、解像度も低く、ものすごく安物の携帯プレーヤーで音楽を聴いているような音だ。この音はひどい。こんな音で音楽を聞けはしないし、聞いて欲しくない。
感動! DVD
AUDIO(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
これは!アナログ接続とデジタル接続ではびっくりするくらいの差がある。高音のベールが取れて音の数が一気に数倍に増えた。ボーカルの声も通るようになり、表情も細やかになった。ドラムも切れ味が出てきた。
アナログ出力の音質が1万円に満たない携帯プレーヤーなら、デジタル出力では数万円のCDプレーヤーには向上した。しかし、それはアナログ接続の音が悪すぎるからでデジタル接続に変えてもCDを大きく超える音ではない。また割と良好だったDVD-VIDEOの音を超えるかと言えば?やはりそれを若干上回る程度でしかないが、一応聞いていられる程度の音は出た。
DTS DEMO
Disk(アナログ出力)
DTS
HDのサウンドは、上手く作られていると思う。情報量(音の細やかさや密度感)は驚くほど高くはないのだが、音はきれいに分離し音場が大きく広がり聞いて心地よい音に仕上げられているからだ。
ボーカルは厚みがやや薄い。周波数レンジは上下に広がるが、中域が薄くなった感じだ。この点中低域が濃く鳴ったSACDとは大きな違いを感じてしまう。このサウンドは映画、特に新しい作品を見るには良いかも知れないが、音楽を聴くには少し辛い。しばらく聞いていると音の密度の低さも気になって、何だが部屋の空気が薄いような?感じがした。
DTS
DEMO Disk (デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
このディスクもアナログ接続(AV7005/Specialを使わない)とデジタル接続(AV7005/Specialを使う)の差が非常に大きい。デジタルで接続しAV7005/Specialに搭載されるDAC回路を経由することで密度感が上昇するのだが、さらに薄かった中低域に厚みが出てエネルギーバランスが改善(適正化)する。
この中低域に厚みが出る効果が非常に大きく、ギターに力が出てボーカルの厚みとニュアンスが増す。まだ密度が少し低い感じはあるが、これはBDのみならずDVDにも共通する「dtsの音作り」なのかもしれない。
透明感が高く音の分離に優れたdtsサウンドの持ち味が生きた音で音楽が再現された。この音であれば、聞いているのが嫌になることはないし、音楽を十分楽しく聞ける。

Azur
751BD
Mellow CD(アナログ出力)
UD7006の音が普通の水道水ならば(最近大阪の水道水は美味しいが)、751BDの音質はミネラルウォーターのようだ。音の濁りが少なくなってベールが1〜2枚剥がれ、音がすっきりする。高音の分離や質感も向上し、UD7006の「何とか聴いていられる音」から「聞いて楽しい音」に変化した。
ボーカルも癖が少なくなっていつも聴いている音に近づくが、それでもユニバーサルプレーヤーの悪癖である高音の濁りや透明感の不足はまだ感じられる。ただし今回のテストでは、AIRBOWPM15S2/MasterとFocal
1028BEという通常AVシステムには相応しくないほど高音質で、高音がきちんと再現出来るシステムと組み合わせたことでその悪影響がより明確に感じられたのかも知れない。
中低音には厚みがあり、音は太い。また、前後方向の奥行きも深く、標準的な多くのDVD/BDプレーヤーの音質を十分に凌ぐレベルだ。ベースギターの太さと厚み感しっかりした押し出し感が心地よく、印象的だった。
Mellow DVD(アナログ出力)
レンジが上にすっと伸びて気になっていた音の濁りや、アタックの角が丸くなった感じがほとんど消える。ボーカルは芯の強さが増し、声が一歩前に出る。伴奏もボーカルとの分離が鮮やかだ。空間の透明感が向上し音が前後方向に明確に分離して大きく広がる。
音の細やかさに負けない音色の変化の大きさ、高音に負けない低音の十分な厚みなど、相対する音のバランスがアナログ接続よりも確実に向上し、ピュアオーディオシステムと違和感のない音になった。楽器の分離も良く、ハーモニーも美しく、この音であれば、ほとんど不満なく音楽を聴いていられそうだ。
Mellow DVD(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
UD7006では、デジタル出力とアナログ出力の音質差がかなり大きかった。しかし、751BDではその差はそれよりもずっと小さい。それでもデジタル接続は音がスムースで癖がさらに少なく、AV7005/Specialの狙っている音が素直に出てくる印象がある。
低音に十分な厚みがあり、中音の細やかなニュアンスがきちんと再現される。高音の硬さが取れてスムーズになるなど、随所に高度にチューニングされたピュアオーディオ製品らしい行き届いた雰囲気が感じられるようになる。
UD7006とのデジタル接続では、AV7005/Specialの良さを完全に生かし切れていないように感じた。しかし、751BDをデジタル接続しトランスポーターとして使えば、AV7005/Special本来の良さは十分に発揮された。
Hilary
Hahn(アナログ出力)
透明感が高くワイドレンジでSACDらしさが十分に生かされている音だ。コンサートマスターの奏でるバイオリンは倍音に濁りがなく透明で、高音も非常にスムース。コントラバスの音には厚みがあるが、分離感が少し足りず若干団子になってしまう。低音は少し控え目な印象だが、バランス的には問題はない。
高級コンポに通じる「静けさ」さえ感じられるほど、精緻で自然な佇まいでこの演奏が再現されることに驚かされた。これは、かなり上質でしかも高度にチューニングされた音だ。国産の高級CDプレーヤーですら、なかなかこれほどウェルバランスな音を出せる製品は少ないだろう。
SACDのアナログ出力の音質に優れている751BDは、DSD対応DACを搭載するUD7006と違いDSD対応DACを搭載していないから、SACDのDSD信号を内部でPCMに変換してからアナログにする。しかし、それでも下手なピュアオーディオCD/SACDプレーヤーを凌ぐほどの音を聞かせてくれる。方式などあまり関係ないと言わんばかりの素晴らしい音だ。SACDプレーヤーとしてだけ考えたとしても、751BDは十分にその価値がある。
Hilary
Hahn(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
751BDとAV7005/SpecialをHDMIで接続しても音は出た。ただしUD7006との接続とは違ってSACDのDSD信号はPCMに変換されて出力される。そのためかどうかは分からないが、高音の分解能などがSACDアナログ接続に比べ明らかに劣る。しかし、それでも絶対的にはかなりの音質で、弱音部の細かい音もきちんと再現されるし、中低音に厚みがある心地よさが小音量の試聴でも十分生かされる。
しばらく聞いていると、SACDアナログ接続の音の良さの記憶は薄れてしまい、何の違和感も不満も無く音楽に没頭できることが確認できた。この音もなかなか良い。この音なら、かなりのレベルのピュアオーディオ製品と比較しても文句は出ないはずだ。
感動! DVD
AUDIO(アナログ出力)
中高音は比較的きれいに分離するが、ドラムがぺたぺたと力がなく湿った感触が耐えられない。ギターもパワー感が不足して、音の密度も低い。
確かにこのソフトは、今年春に開催されたハイエンドショウで2000万円近いシステムで大音量で再生した音が記憶に新しいから、そのせいで必要以上に物足りなく聞こえているのかも知れない。しかし、それでもDVD-VIDEOやSACDと比べて音が悪く感じられる。特に気に入らないのは、音の数が少なく密度感が不足するところだ。そのためRockの命であるパワー感や躍動感がない。まるで普通のPOPSのようにこの名曲が落ちぶれてしまった。
感動! DVD
AUDIO(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
UD7006でもそう感じたがこのソフトは、AV7005/Specialを通すと通さないで全く音が違う。高音の切れ味が増し、解像度と明瞭度が大きく増加する。音がぐんぐん前に出てくるし、密度感も数倍に増加する。低音の力感や押し出し感も大きく向上する。ボーカルがシャウトするときの勢いが全く違う。ドラムもぱんぱんと弾ける音になる。
初期のMP3はCDとは比べられないほど音が丸くもこもこしていたが、今聴いている音がCDとすれば751BDのアナログ出力はMP3程度でしかない。なぜDVDーAudioの音質がアナログ出力とデジタル出力でこれほど違ってしまうのか?プレーヤーの設定に問題は確認できないだけに、これまで経験したことがないその大差に疑問と謎が残る結果となった。
DTS DEMO
Disk(アナログ出力)
UD7006と比べると透明感と解像度が高い。しかし中域は相変わらず薄く、映像の助けを借りなければそのバランスに違和感が感じられる。やはりdtsの録音は映画(映像)を強く意識した音作りになっているようだ。
高音のノイズ感は少なくスムースで、音は良く広がる。BDの特徴である細やかで透明感の高い画質に良くマッチする音質だが、音量を絞ると迫力がなくなってしまうのは困りものだ。
DTS
DEMO Disk (デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
DVD-Audioと同じくBDのサウンドもAV7005/Specialを使う、使わないで大きな差がある。特に感じるのが中低音の厚みと量感の部分で、AV7005/Specialを経由することでベースギターの響きはより低く、音程がより明確になる。
ボーカルも口先だけで歌っているように聞こえていたのが、きちんと腹に力を込めて歌っているように変化する。リードギターは余韻が長くなり、エコー部分の揺らぎ(チョーキング)もきちんと伝わるようになる。バーチャルが本物になったように、実在感が大きく向上する。音量を下げても音場は小さくならないし、躍動感も削がれない。
DVD-Audioと同じく理由はよく分からないが、AV7005/Specialを使えば音質が大きく向上することに疑いはない。

AIRBOW
UD7006/Special(カスタマイズモデル)
Mellow CD(アナログ出力)
一音が出た瞬間に、このクラスの水準を大きく超える狙い通りの高音質が実現していることが確認できてほっとした。
ノーマル機と圧倒的に違うのは、中低音の厚みと滑らかさだ。ベースギターが膨らまずにリズミカルにきちんと弾む。指うちの音は、手のひらの柔らかさと厚みが感じられる暖かい音だ。ボーカルは751BDでは聞き取れなかった声の微妙な変化が再現される。音の数も増え、密度感が向上する。
全体的には暖かい傾向の滑らかな音だが、高音は細やかで広がりや切れ味も十分に感じられる。最近のAIRBOW機器らしい、分厚い低重心のサウンドをベースに密度感と力強さを出し、細やかな部分まで表現力を高められた中音がデリケートな表情を醸しだし、楽器の材質感がきちんと伝わる高音がアクセントになる理想的なピラミッド型バランスに仕上がっている。
751BDと比較しても中低音の厚みは圧倒的に優れているのだが、高音が滑らかなため英語の発音が751BDよりもわずかに「日本語的」に感じられたのがちょっと残念だった。
Mellow DVD(アナログ出力)
高音の切れ味と美しさが増加し、非常にバランスの取れた音になる。
指うちの音がリアルだ。ボーカルもハスキーな感じが上手く出て、大人の色気が醸し出される。ピアノもアタックから響きに移行するプロセスが自然で厚みも十分に感じられる。低音も厚みと量感があって、スピーカー後方に奥行き深く広がるようになった。
ノーマルのUD7006と751BDでは、CDとDVD-VIDEOの音質差が非常に大きかったが、UD7006/Specialではその差が小さい。それはCDの音質が大きく高められているため、CDとDVD-VIDEOの差が非常に小さいからだ。癖が少なく自然で、違和感や聞き疲れを感じることなく音楽に浸ることができた。
Mellow DVD(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
CDとDVD-VIDEOアナログ出力の音質差が非常に小さいように、DVD-VIDEO再生でのアナログ出力とデジタル出力の音質差が非常に小さい。これまでほとんどのAVアンプにAIRBOWのプレーヤーを繋ぐ場合は、アナログ入力が高音質だったがAV7005/Specialと繋ぐ場合には、デジタル接続でもそれに匹敵する音質が得られるようだ。
アナログ接続の鮮度の高い音と比べると最低音と最高音がわずかに減退し、細部の解像度もわずかに低下したように聞こえるが、逆にバランスは改善しより自然な感じが高まった。音質を無闇に追わず音楽の流れに身をゆだねていると、眠気に襲われ夢見心地で別世界にトリップしている自分を感じる。いつまでも聞いていたくなるような、とても心地よい音だ。
最後に確認のためアナログ出力に切り替えてみると、音にかかっていたベールがしっかり剥がれ一段と透明感が高まり、音がクッキリ聞こえることが確認できた。やはりアナログの方が音が良かった。
Hilary
Hahn(アナログ出力)
十分にワイドレンジで音が細かいが、そういうHiFi感を全く意識させない暖かい音でSACDが鳴る。自然でさわやか、明るく滑らかで暖かく心が軽くなるような音だ。
中低音に厚みがあるが、中域が団子にならず上手く音がほぐれている。明るく快活に演奏される楽章の音色は明るくクッキリとし、静かにゆったりと演奏される楽章の音色は深みがあり愁いがある。
音楽を音楽たらしめる「楽器の音色の変化=楽器の表情の変化」が非常にリアルに再現されるから、知らない間に演奏に深く引き込まれている。このクラスのユニバーサルプレーヤーとは考えられない本格的な音質だ。
Hilary
Hahn(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
中低音に十分な厚みがあり、音の広がりも非常に自然で立体感に富む音だが、アナログ接続と比べると聞き取れる音の細部が若干省略されているのが感じられる。アナログ出力の音質はDSDらしい細かくて滑らかなものだったが、デジタル接続ではPCMデジタルっぽい輪郭がきちんとした音質に変化する。
しかしその若干の音色の違いが音楽を面白くする。アナログ出力ではコンサートマスターにスポットが当たり伴奏はそれを支えるように聞こえたが、デジタル出力ではどれかの楽器が強調されることがなく、すべての音がフラット(公平)に再現される。コンサートマスターを追うも良し、チェロのパートだけを抜粋して聞くも良し、あたかも生演奏を聴く感覚で音楽を様々な角度から楽しめた。
感動! DVD
AUDIO(アナログ出力)
高音がややくすんでしまうが、それでもノーマルのUD7006や751BDとは一線を画する音が出た。
ギターの音の切れ味と透明感がまるで違う。もっと大きく違うのはドラムの音だ。その音質はややチープだが、ぱんぱんと弾けるようにリズムを刻み、ROCKらしいノリノ良さが出てくる。リード/サイドギターにも厚み出る。まだ少し切れ味やパワー感は欲しいが、ROCKが「嫌い」でなければ、この音で十分にROCKが楽しめる。
ノーマルのUD7006、751BDでは聞こえなかったシンバルの音、ドラマーがスティックをぶつける音などもきちんと聞こえる。まだDVD-Audioという名前から想像するほどの素晴らしい音とは言えないが、十分な音質で音楽を楽しむことができた。
感動! DVD
AUDIO(デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
接続をデジタルにすると音が良くなるが、その差はやはりUD7006や751BDよりも随分小さい。逆に高音はデジタル接続よりもアナログ接続の方が透明感・明瞭度感が高かった。
デジタルで改善するのは、「ボーカル」だ。ボーカリストが声を張り上げてシャウトするエネルギー感と、ハーモニー部分での複数のボーカリストの声質の違いがきちんと再現されるようになる。低音楽器もパワー感と力感が向上し、ボーカルやギターとの分離感も大きく向上した。
ボーカル、リードギター、ベースギターやドラムとの前後関係が深くなり、音楽が立体的に展開する。これで高音に今一歩の切れ味があれば完璧だ。この音ならば十分にROCKを楽しんで聞くことができる。
DTS DEMO
Disk(アナログ出力)
UD7006や751BDでは中域の薄さが気になったが、UD7006/Specialは中低域の厚みが圧倒的に向上する。
中域が分厚くなったので音量を下げてもその場の「空気感(密度感)」が大きく低下せず、コンサート会場で音楽を聞いているリッチな雰囲気が再現される。映像がなくても、映像を想像できるような実在感のある音だ。ボーカルの分離感や表現力も全くレベルが違う。ノーマルのUD7006では、薄くて音数も少なくつまらない音だった。751BDでは、透明感が向上し音数も増えて良い音になったが、若干雰囲気に欠ける傾向が感じられた。しかし、UD7006/SpecialはDTS録音にも関わらず中域が圧倒的に「濃く」、まるでホールにいるような雰囲気のある密度感の高い包み込まれるような音質が再現された。UD7006/Specialと他の2モデルとのBDディスクのアナログ音質の差は非常に大きい。
DTS
DEMO Disk (デジタル出力:AV7005/Special+MM7025/Special)
接続をデジタルに切り替えることで、高音の分解能力や解像度は若干低下するが、中〜低音域の密度感と分離感が大きく向上し、ステレオで再生しているにも関わらずサラウンドで聞いているような、体が包み込まれるようなリッチな音の広がりが実現した。
低音楽器のパワー感が増し、ギターとボーカルの分離も向上する。それぞれの音が分離しながら空中で融合しハーモニーを奏でる。ギターの美しい音色、透明感溢れるボーカルの表現力が印象に残った。これほど素晴らしい空間を感じる音場感覚がステレオでも実現するのならば、このディスクをサラウンドで再生すれば・・・、考えるだけでもわくわくさせられた。