ANA
CANAM (優秀録音CDソフト)
このソフトは、「一つずつの音が明快に分離する」タイプで、いわゆる「優秀録音盤」に属しています。この手のソフトに最もマッチするのがFOCALやB&Wのような、最新のHiFiスピーカーと考えられていますが、それは正しいと思います。現代的なスタジオモニターの代表選手であるPMCも、もちろんこの手のソフトの良さを余すところなく引き出せます。
しかし、もっと音が複雑に混ざっているソフト(例えばシンフォニー)などを再生したときPMCは、B&WやFOCALよりも一段と柔らかく透明感の高い「ハーモニー」を奏でるところがPMCの個性だと考えています。
逆にPOPSやROCKのような「分かりやすいメリハリ(原色の鮮やかさ)」を求められると、PMCはB&WやFOCALよりも瞬間的なパンチ力や切れ込みの鮮やかさ弱く感じられます。それは、PMCが搭載するテキスタイル振動板ツィーターとB&WやFocalが搭載する金属振動板ツィーターの違いから生じています。このようにスピーカーに搭載されるツィーターの振動板は、高音の音色に大きな影響を与えます。
これまでFocal
Electraシリーズには、ベリリウム合金振動板を搭載した“Be”と、より音質の柔らかなアルミニウム合金振動板を搭載した“S”シリーズがありました。二つのシリーズを聞き比べると、“Be”シリーズは振動板の癖が強く出過ぎて、高域のエッジが強く音が前に出すぎて後方への広がりに乏しく、高性能ではありながらやや聴き疲れする一面を持っているように感じられました。また、中域と高域の繋がりやエネルギーバランスもやや高域が強すぎるようでした。そこで解像度感や明瞭度感は“Be”劣るものの、より滑らかで欠点の少ない“S”をこれまでは、お薦めしてきました。
この“ベリリウムツィーターの癖”が新型でどのように解消されているのか?それを確認するために明瞭度の高いソフトを最初に聞くことにしました。結果を先に述べると、1028Beは合格!でした。
1028Beが持つ“芯のしっかりした高域”は、アルミやテキスタイルツィーターからは決して得られないベリリウムツィーター独自の魅力です。しかし、1027Beではそれが災いして高域が“金属的”に感じられることがありましたが、1028Beでは高域に感じられた“余計な隈取り”や“金属的な硬さ”が消えて自然な音になっています。
高域の余計なメリハリが解消した結果、ボーカルも子音の強調感が緩和されてささくれた感じが消え、自然な厚みが感じられるようになりました。それでも、どちらかといえば「ドライ」で「強い」音ですが、決して不快な音ではなく、このソフトでは高域の切れ味の良さや強さが、楽器の音を際立たせてくれました。
楽器の音が強くなるとそれに反比例してボーカルが薄くなりがちですが、そこはFocal!楽器の強さに負けないボーカルの厚みが実現しています。
1028Beはベリリウム合金振動板の良さはそのままに、従来欠点と感じられた音楽を聞くためのバランスが大きく改善されました。その結果、音楽を聞いたときの心地よさは1027Beを大きく上回り、その点で1027Beよりも好ましいと感じた1027sを超えました。
バルトーク (SACD)
まず、地の底から湧き上がってくるような、おどろおどろしい低音楽器が奏でる「重低音」の素晴らしさに圧倒されます。1027BeやB&W
Dシリーズ(新型は良くなっています)では、この低音が上手く広がらず、場合によっては“不愉快な圧迫感”を生じることがありましが、1028Beはそういう悪癖を一切感じさせません。
スピーカーを結ぶ線上にバイオリンが定位し、その背後からコントラバスやティンパニー、ファゴットなどが奏でる低音が配置され、それがリスナーを取り囲むように左右から回り込んできます。
実際のコンサートで感じるのと同じような「立体感」が精密なスピーカーセッティングを行わなくても実現することに驚きました。
スピーカーの周りに音がまとわりつかない。これも1027Beから大きく進歩した部分です。
1027Beから引き継がれた1028Beの長所は、ハープの弦がリリースされた瞬間の衝撃音がきちんと再現されドライな音でハープが鳴ること、バイオリンの切れ込みの鮮やかさが、生演奏の容易に自然に再現されることなど、ベリリウムツィーターならではの高域の高忠実で圧倒的な再現性です。
カタログスペックでは40kHzの高域まで保証されていますが、そんな事はどうでも良くなるほど高域は伸びやかで歪み感が感じられません。
繊細なppからパワフルなffへの変化も素晴らしく高忠実で、強度の高いベリリウム合金振動板を採用しているメリットが音に出た、生演奏を聴いているように自然でリニアな空間の膨張感を伴うその音を聞いていると、思わず「ブラボー!」と叫びたくなるほど音楽に引き込まれていました。
Micro (CD)
素晴らしい!
低音のパワー感とリズム感。そしてそれに負けないボーカルの厚みと、色彩の鮮やかさ!
J-POP、中でも電子楽器を多用する最近流行のラップ系の音楽がこんなに素晴らしい音で鳴るとは想像すらしていませんでした。
ベリリウムツィーター出す「芯のある高域」とAIRBOWの持つリニアな高域の再現性のマッチングが素晴らしく、ライブ会場で聞いている以上のパワー感がCDから再現します。
最新システムらしく「歪み感」をまったく感じさせない音質が、シンセサイザーで作られた電子音の良さを見事に引き出します。難解な理論で作られた音(複雑にデジタル編集された音)にシステムが完全に追従し、その良さが見事に再現されるイメージで電子音が鳴ります。
ライブ会場で聞くPOPとの違いは、「歪み感」が圧倒的に小さいため(実際の歪みも遥かに小さい)すべての音が団子にならず綺麗に分離することです。最新のHiFiシステムらしく分離に優れ色鮮やかでありながらPAのような厚みとパワー感のある音。
完全に一本取られてしまいました。150万円をすこし超える価格帯のシステムから、こんなエネルギー感のある音が出せるというのは、聞かなければちょっと信じられないかも知れません。
1028BeとAIRBOW
SA15S2/Master+PM15S2/Masterの相性は抜群でした。