オーディオの音質向上、改善方法、

音は細かくなったが、音楽が楽しく聴けるようになったとは感じられない。

この問題は、オーディオファンが必ず直面する「大きな壁」だと思います。

この問題を「料理」になぞらえるなら、「煮込みの足りない煮物」に相当すると考えられないでしょうか?

オーディオセットの音を良くすると、「それまではひとかたまりになっていたそれぞれの音を分離して、細かく明瞭に聞けるようになります」。それを料理に置き換えるなら「素材一つ一つの味をハッキリさせること」に当てはまります。

しかし、美味しい料理は「味のハーモニー」が楽しいのです。

材料一つ一つの味が上手く混じり合い、それぞれがお互いの「旨み」を引き出しています。

もし、それぞれの味がバラバラに感じられたら?

その料理は、成功でしょうか?

ファーストフィードのように味がハッキリしていても、「深み」が感じられなくなってしまうのではないでしょうか?

私は、オーディオセットの「音質」もそれと同じだと思うのです。

様々な音が「混じり合ったハーモニー」が一番旨い!

オーディオの音の味付け、音楽を聞くための音の味付けは、料理のそれととてもよく似ていると思いませんか?

一つずつの音がハッキリと聞こえるようになったのに、音楽がつまらなくなってしまった。

一聴して「細かい音まで音がハッキリ聞こえるシステム」に私たちは耳や心を奪われがちです。しかし、一つずつの音は「音楽のパーツ」にしか過ぎません。言い換えるなら、「一つずつの音」は「ジグソーパズルの1ピース」です。それぞれのピースが正しく組み合わさって、完全に融合したとき「音楽の全体像」が現れるのです。

しかし、個々のピース(個々の楽音)や特定のピース(特定の楽音)が「ハッキリ見えること(ハッキリ聞こえること)」にばかりこだわると、全体像を見失います。あらゆる音(ピース)が正しく組み合わさって、完全に融合した(バランスが取れた)時、あなたのオーディオセットから流れる音楽は「ピースの存在が消えたジグソーパズル」のように、本物の絵画さながらの「感動」をあなたに伝えます。

一つずつの音がハッキリと聞こえるようになったのに、音楽がつまらなくなってしまった。その原因は「全体像が見えなくなった」ためです。オーディオセットの音質バランスを改善し、音楽を楽しく聞くためには「音の純粋性=一つ一つの音の明瞭度」をあえて追求しない勇気が、時に必要です。

オーディオセットの音質向上についての考え方

音質のバランスを改善し、音楽的感動をより大きく引き出す方法は、システムやその環境に応じて千差万別、二つと同じ方法はないと断言しても差し支えないほどです。その上「音の好み」も誰一人として同じではありません。

最初は「人まね」から始めるのが妥当ですが、最終的には「自分なりの方法」を編み出さなければなりません。

私は「楽器」をプロ演奏家のように巧みに操り演奏することは出来ませんが、「楽器の音を聞き分ける力」は、多くのプロ演奏家よりも長けています。私にとっての楽器は「オーディオセット」であり、私はそれを上手く「演奏」できます。

時々、楽器を演奏できるから「上」、あるいは現場で音楽を作っているから「間違いがない音を知っている」という、安易な考え方を耳にすることがあります。私も過去そのように考え、現場と全く同じ音を自宅で再現することが「オーディオの目的」だと勘違いしていたことがありました。

しかし、今はハッキリとその考え方が「間違っている」と断言できます。

例えば、演奏した本人がオーディオセットを使って「自分の演奏と全く同じ音を再現」することに成功したとしましょう。もし、あなたがその音を「演奏現場」で実際に聞き、そしてその「再演奏」も聞いたとしましょう。断言しますが、双方の音は「少なからず違っている」はずです。

同じ演奏を二度と繰り返すことが出来ないように、録音した演奏を全く同じに再現することは不可能です。なぜなら、人間はその時の気分で「自分の聞く音」を変えてしまうからです。人間の気まぐれが「その時の音の好き嫌い」に強く反映します。人間の気持ちは移ろい、変化を続けます。それを「成長」と言うのであれば、あなたが聞く音、聞きたい音もどんどん成長を続けます。

あるとき「素晴らしい音が出てこれでもう良い!」と思っても、時が過ぎると「もっといい音が聞きたくなる」のは、あなた自身の感性が「成長」しているからです。また、「昔自分が出していた音(昔の自分の演奏)」を聞いたときに、当時の自分や自分を取り巻く環境を思い出して懐かしく感じることがあるかも知れません。

「オーディオセット」を演奏することは、あなた自身の「内面」を見つめることです。オーディオファンは楽器を演奏できないかも知れませんが、オーディオ機器を駆使して「過去の名演奏」あるいは「お気に入りの音楽」を演奏します。その演奏が「あなたそのもの」の音なのです。

録音を再演奏するとき、音が変わります。音が変われば音楽の本質が失われるのか?あなたが再演奏した音楽は「演奏家のものではなくなるのか?」。それを憂う方がいらっしゃいます。もし音楽家が自分の「考え」を音楽で表現したいと考えるなら、演奏ではなく「演説」で行うべきです。

もし同じ生演奏を「繰り返し聞くことが可能」だとしても、その時の自分の気分で聞こえる音は変わり、違った音楽に聞こえるでしょう。なぜなら、演奏された音楽の「解釈」は演奏家にあるのではないからです。音楽の解釈は、常に「音楽を聞く人の内側」にあるのです。それでも演奏家が「自分の音楽の解釈を誤解されたくない」と考えるなら、私は「演奏を行うべきでない」と考えています。自分のために演奏をすればよいのです。それを「人に聴かせる必要などない」のです。自分の音を出し、自分で聞き、完結すればよいのです。

著名なピアニスト「グレン・グールド」はライブを嫌い、演奏活動の後期はスタジオにこもり、一人で演奏を行いました。演奏中に「聴衆の心」によって、グールド自身の心が乱れることを嫌ったからです。それでも彼は演奏を続けました。それは「誰かに聞いて欲しかった」からではないのでしょうか?喜怒哀楽、すべては自分以外の人との触れ合いから生まれます。それがどんなに小さくとも、人と触れ合うことによって生まれる「絆」が私たちの生きるエネルギーであり、唯一の生きる目的です。

音楽は「音によって心を繋ぐ芸術」です。そのままでは消えてしまう言葉が「書籍」と言う形で残せるようになったのと同じように、私たちは「録音」と言う形で消えてしまう演奏を残せるようになったのです。時空を越え、その素晴らしさに触れることが出来ることを、私は素晴らしいと思います。そして、一方通行で完結する「書籍」と異なり、オーディオセットでそれを再演奏することで、私たちは「時空を越えてその演奏に参加する」ことさえできるのです。

演奏家が「楽譜」を演奏するように、私たちは「録音」を演奏します。オーディオセットで音楽を演奏することで、その録音(演奏家)と自分自身への理解を深めることが出来るのです。私たちが成長を続ける限り、それは永久に続きます。こんな素晴らしい「芸術」が、オーディオ以外にあるでしょうか?

音楽は曖昧だからこそ素晴らしく、曖昧だからこそ「少々音が変わった」くらいで、その本質を失うことはありません。しかし、音楽を感じられない「心ないオーディオマニア」や「オーディオエンジニア」が大きく音を変え、バランスを崩してしまうと、時として音楽は致命的なダメージを受けてしまいます。「感動」の本質が失われるのです。

残念ながら、音や音楽は曖昧なので「そのダメージ」がどのようなものか?言葉に置き換えて伝えることが出来ません。しかし、オーディセットの音質調整を行った後、「日頃聞いている音楽が楽しく聞こえなくなった」とか「長時間聞いていると疲れる」、あるいは「特定の楽器(あるいはボーカル)」が妙に心地よく聞こえるようになった、などと感じられたら「赤信号」です。このツィーターはよい!このアンプはよい!などと特定の機器の音に「惚れてしまう」のも、「赤信号」です。このコラムの最初に書いたように、本当によい音楽とは「どこから聞こえてくるのか?」、「どれが鳴っているのか?」わからないほど「上手く混ざっている」ものなのです。

音を細かくすると「音楽の表情」はどのように変化するか?

人は誰でも音について「絶対的」なバランス感覚を持っています。オーディオセットの試聴時には、邪念を払い心の力を抜いて「自然体」で音を聞くことが何より大切です。オーディオマニアが最も陥りがちな「過ち」について、いくつかの「モデル画像と音を対比させながら」、その問題点を明らかにしたいと思います。

オーディオマニアが陥りがちな最大の過ち!それは、「音を細かくしすぎる」ことです。

えっ! 困りましたか?

当然です。オーディオセットの音質向上の試聴は、ほとんど「それまで聞こえなかった音が聞こえるかどうか」にポイントを絞って行われるからです。

ここに4枚の画像を用意しました。

この画像を「基準」とします。(左上)

この画像は「基準の画像」を細かくしたものです。(右上)

一つずつの模様は細かくなりましたが、コントラスト感(それぞれの模様のクッキリした感じ)が低下して、全体にぼんやりと力のない画像に変化しました。国産のオーディオ製品が「音は細かく聞こえるのに音楽の力がなくなった」、あるいは「音の広がりに立体感が無くなって平面的になった」と感じられるのは、この状態だと思います。

一つずつの画像の「色」は全く変わっていませんが、「大きさ」が小さくなったことで「コントラスト感」が低下したのです。音が細かくなったけれど、音楽に元気がなくなった、面白くなくなった、と感じられているのはこのような状態だと思われます。

この画像は、上の画像の「輪郭を強調した」ものです。(左下)

一つ一つの模様がハッキリして「絵に力」が出て来ます。一つずつの「模様」が浮き上がって見えますが、前後方向への広がりは余り大きくありません。

これが音の輪郭を強調した状態です。音がハッキリし、パワー感もでてきますが「平面的」に感じられ、体を包み込まれるような音場の広がりが不足します。固く、ハッキリした音。音が前に出てくる製品が、このような状態だと感じられます。

この画像は、基準の画像を細かくし「カラーコントラスト」をあげたものです。(右下)

上の映像に比べ「絵の力」がさらに向上します。模様がクッキリし、さらに色合いが鮮やかになっています。

前後方向への広がり(前に出る模様と、後ろに下がる模様)の差も明確になっています。

私は、この一番下の画像が「音が細かくなって音楽表現も向上している」と考えています。

私はオーディオセットの音を細かくするだけでは音楽表現は改善しないと考えています。模様を細かくすると「色鮮やかさを改善」しなければ「綺麗」に見えないように、オーディオセットの音を細かくすると「楽器の音色の鮮やかさ」を比例して改善することが重要です。

最初のお話に戻りますが、残念なことに「楽器の音色の鮮やかさを向上するための効果的な方法」は、一つではありません。いろんな方法を工夫して、それにトライしてください。

オーディオセットの聞き分けで大切なのは、このように「パーツ」ではなく「全体像」に注目することです。

2008年11月 逸品館 代表 清原 裕介

 

TOPに戻る

下取り申込

買取申込

注文・お見積

カード決済でのお買い物はこちらから

AIRBOW製品

ホームシアター

ピュアオーディオ

ムービー・編集機

中古品をみる

サイトのご案内

逸品館ホームページへ

   ippinkan.com サイト内検索

※掲載から一週間以内の情報は検索されないことがあります。

通販法による表記]   [返品特約]    [アフターサービス

bullet

電話での問い合わせ大歓迎
ほとんどのインターネットショップが連絡方法を「メール」に限っていますが、逸品館は“
店頭販売をするショップ”ですから、「お電話でのお問い合わせを歓迎」しています。アドバイスが必要な「品物選び」は、メールよりも迅速・確実で「生の声」・「スタッフの雰囲気」を感じられる「お電話でのお問い合わせ」をどしどしご利用下さい。

bullet

お問い合わせ先・営業時間
bullet

1号館・午前10:30〜午後7:30 (定休日なし:年末年始及びお盆、臨時休業を除く)
住所 ・〒556-0004 大阪市浪速区日本橋西1-7-28 常盤ビル
電話 ・ 06-6644-9101(代表)  fax ・ 06-6644-6990

bullet

3号館・午前11:00〜午後7:00 (定休日:毎週水曜・木曜)平日は予約が必要です)
住所 ・〒556-0005 大阪市浪速区日本橋5-18-25 大宝ビル6F
電話 ・ 06-6636-2917(代表)  fax ・ 06-6636-2916

bullet

お振り込み先
bullet

銀行から
三菱東京UFJ銀行/難波駅前支店/普/0088906/株式会社 逸品館  [カ/ イッピンカン]

bullet

ネット銀行から
ジャパンネット銀行/本店営業部/普/8788745/株式会社 逸品館  [カ/ イッピンカン]

bullet

郵便局から
浪速郵便局/振替口座番号/00970-7-133592/株式会社 逸品館  [カ/ イッピンカン]
郵貯インターネット・ホームサービスからもご利用頂けます。