【2024年】逸品館おすすめスピーカー27+2モデル聴き比べ「その2:ブックシェルフ型 ミドルレンジモデル(~約25万円)」

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目次

はじめに

2つ目のグループは、すでにスピーカーをお持ちで"買い替え"を考えていらっしゃる方や、"どうせ買うなら少し良いものを"とお考えの方向けの"ブックシェルフ型"で、ペアの販売価格が"約10~25万円の製品"です。

このクラスになると、ネットワークのバーツやユニットの性能が向上することで高域は細やかさや伸びやかさが改善してきます。それに対して、低音の量感は"ユニットの口径とキャビネットのサイズ"に比例するので、量感だけならより低価格の製品がこのクラスを上回ることもあります(例:Polk Audio ES20)。しかし、さすがに密度感や質感はこの価格帯の製品が上回ります。

「量よりも質」
これをポイントに聴き比べてみてください。

▼ 試聴概要と機種説明・2024年 逸品館おすすめスピーカー27+2 モデル聴き比べ「その2」

聴き比べスピーカー一覧
  ブックシェルフ型 【2】ミドルレンジモデル(予算約25万円以内)

今回は次の8モデルを選び、AIRBOW Model M1 Specialを使って聴き比べました。
(※メーカー順。YouTube投稿順とは異なります。)

  1. DALI(ダリ)
    1. MENUET SE
    2. OPTICON2 MK2
  2. FOCAL(フォーカル)
    1. Theva No.1
    2. Aria Evo X No.1
  3. JBL (ジェービーエル)
    1. STUDIO 630W
    2. L52 Classic BG
    3. 4309
  4. Wharfedale(ワーフェデール)

タイプ・価格帯別 スピーカー聴き比べリスト

■ブックシェルフ型
【3】ハイエンドモデル
  ※準備中
(予算約50万円以内)
  1. DALI - RUBIKORE 2
  2. B&W - 705 S3 Signature
  3. musikelectronic - ME-25
  4. Vienna Acoustics - Haydn SE Signature
  5. Vienna Acoustic - Bach Ultimate
  6. YAMAHA - NS-800A
■フロアスタンド(トールボーイ)型
【1】エントリーモデル
  ※準備中
(予算約15万円以内))
  1. JBL - Stage 260F
  2. JBL - Stage 280F
  3. Polk Audio - ES55
  4. Polk Audio - ES60
【2】ハイエンドモデル
  ※準備中
(予算約50万円以内)
  1. DALI - OPTICON6 MK2
  2. FOCAL - Theva No.2
  3. FOCAL - Aria Evo X No.2

■製品紹介

Wharfedale(ワーフェデール)

その他の使用機材

今回の聴き比べは、逸品館・3号館のメイン試聴室で行いました。
試聴環境、スピーカー以外の製品は下記の表をご確認ください。

▼システム
ミュージックサーバーCHUWI - Lake Box N100(AIRBOW - IDC-RMP12※生産完了 使用)
アンプAIRBOW - Model M1 Special(電源ケーブル: AIRBOW - CPSC-M2/2.01m使用
▼ケーブル・アクセサリー等
スピーカーケーブルAIRBOW - SPK-300
オーディオボード
(スピーカー用)
AIRBOW - WFB-4449H-HD(生産完了品)
スタンドAIRBOW - STAND-G21(生産完了品)

試聴テスト使用楽曲

試聴テスト本文

DALI(ダリ)

▼ OPTICON 2 MK2
▼ MENUET SE
評価:STUDIO 630W
STUDIO 630については、"エントリーモデル・ブックシェルフ型"のSTUDIO 620Wで少しふれましたが、みごとなウェル・バランスでジャンルを問わず心地よく音楽を聞かせてくれたSTUDIO 620Wよりもバランス(ツィーターとウーファーのつながり感)が若干悪く、結果として楽器やヴォーカルの統一感に欠ける印象がありました(どこかの音が強く聴こえる)。
ただ、このようなスピーカーのバランスは"スピーカーを設置する周囲の環境"に左右されることが多いので、必ずしもこの結論が"すべてに通じる"とは言いかねます。基本性能は高いのでチャレンジする価値はあると思います。
評価:4309
4309は、私の"偏見"を覆すには至らず、"JBLあるある"の音質に終始しました。
中低域はまずまずなのですが、コストをかけてホーンを改良したにもかかわらず、STUDIO Seriesよりも高域の抜けが悪く、それがネットとなり楽器の響きの良さやヴォーカルのつややかさが芳しくありません。
その原因は、コンプレッション・ドライバーの形状をドームからリングにしたことで性能が上がり歪みが減少し、"振動板の響き=響きや艶やかさのサービス"が減ったためだと推測しますが、たとえばDALIはこの点をよく理解しているらしく、あえて柔らかな振動板が折れ曲がり運動(分割共振)を起こす大口径のテキスタイル型ツィーターを搭載することで広域の伸びやかさと艶やかさを生み出し、また楽器ライクな響きを発生する"ウッドファイバーコーン"を振動板に採用することで、独特な"有機的サウンド"を生み出しているのでしょう。
価格もそこそこ高い4309は、それが本当に自分の好みの合うのか?他のスピーカーも聞きながら慎重に選ぶべきでだと思います。私は、今回試聴したJBLの中ではSTUDIO 620が気に入りました。価格は安いですが、4309よりも音がよいと思います。

FOCAL(フォーカル)

▼ Theva No.1
▼ Aria Evo X No.1
総評:FOCAL
FOCAL(フォーカル)は日本では"悲運"のブランドです。輸入代理店がNOAH(ノア)だったころ、当時開催されたインターナショナル・オーディオ・ショウで主役をSonus Faber(ソナスファベール)に奪われ、"壁の花"となっていたことに業を煮やしたFOCALは、次の代理店を決めないままにNOAHとの契約を解除。それを知った私がRocky International(ロッキーインターナショナル)に紹介し、各藩努力したことで売り上げは一気に上昇、当時用意された日本専用限定モデルも500セット以上は売れたかと存じます。こうしてしばらくRockyとの蜜月は続きました。

しかし、高額モデルが伸び悩んだことにまたしても業を煮やしたFOCALは、いきなりRocky Internationalとの契約も切り、現在のLUXMAN(ラックスマン)に輸入代理店を変更しました。その後、コロナの影響もあり今ではエントリーモデルですら"限定したモデルのみの輸入(No.3は輸入されない)"にとどまる有様です。あのまま輸入代理店をRocky Internationalのままにしていてくれたら、また展開も変わったのでしょう。

最初に"悲運"のブランドと書きましたが、本当に「悲運」なのは、日本のFOCALファンだと思います。

今回は、Theva No.1とAria Evo X No.1の2モデルを聴きました。中間にあったVestia シリーズが急遽生産完了となったからです。
この2つのスピーカーの成り立ちは似ていますが、細かいところは結構違います。どちらもファイバーで強化された振動板をウーファーに使いますが、Thevaは"再生カーボン繊維"を、Aria Evo Xは"天然繊維(麻)"を使います。この違いが中域の硬さや色彩感に影響を与えます。Thevaの音はやや硬く色彩感も薄く、Aria Evo Xは柔らかく濃く感じられます。ツィーターはどちらも「アルミマグネシウム合金のインバーテッド形状振動板」を使いますが、Aria Evo Xのそれは強度を上げるために"M型"に加工され、結果として特性は上がったのでしょうが、響きの成分が減りこれまでのFOCALらしい"色彩感の濃さ"があまり感じられません。
いずれも悪いスピーカーではないのですが、DALI(ダリ)やKlipsh(クリプシュ)の存在を知ってしまうと、わざわざこれらを選ぶこともないかな?と思ってしまいました。付け加えると、今回試聴はしていませんが、B&W 600 シリーズもFOCALと似た傾向を感じます。音そのものは良いのですが、音楽表現がやや"あっさり"しているのです。ただ、金属振動板は鳴らせば鳴らすほど、金属疲労を起こし強度が低下することで音質が良い方向にこなれてきますから、FOCALやB&Wを購入したら、最低でも数年は気長に付き合うことで、音も変わってくると思います。

JBL(ジェービーエル)

▼ STUDIO 630W
▼ L52 Classic BG
▼ 4309
評価:STUDIO 630W
STUDIO 630については、"エントリーモデル・ブックシェルフ型" グループで試聴したSTUDIO 620Wの評価でも少しふれましたが、見事なウェル・バランスでジャンルを問わず心地よく音楽を聴かせてくれたSTUDIO 620Wよりもバランス(ツィーターとウーファーのつながり感)が若干悪く、結果として楽器やヴォーカルの統一感に欠ける印象がありました(どこかの音が強く聴こえる)。
ただ、このようなスピーカーのバランスは"スピーカーを設置する周囲の環境"に左右されることが多いので、必ずしもこの結論がすべてに通じるとは言いかねます。基本性能は高いのでチャレンジする価値はあると思います。
評価:L52 Classic BG(グロスブラック)
L52 Classic BGのような"JBLの企画もの"は、音質の煮詰めが甘く往々にして見掛け倒しになってしまうことがあります。また、金属ツィーターを使うJBLの多くは、クラシックにあまり適さないというウィークポイントをもっていますが、そんな私の"偏見"をL52 Classic BGは、見事に覆してくれました。
さすがにテキスタイル・ドーム型ツィーターを搭載する製品には"繊細さ"では引けを取り、弦楽器やヴォーカルのデリケートさは価格相応ですが、シンバル、ドラム、トランペットのような金属楽器を"よりそれらしく鳴らす(張りのある音が出る)"という部分に関しては、テキスタイルドーム型ツィーターでは絶対に到達できないレベルのリアリティーがあります。
パワーか繊細さかのどちらを選ぶかはまさに好みですが、音質の偏りが強かった従来の"JBL 企画もの"とは一味違い、L52 Classic BGは音のつながりと立体感に優れ、もちろんどちらかといえばジャズ・ポップスやロックに向くスピーカーですが、クラシックも鳴らせるバランスに仕上げられています。
ただし、"純粋に音質のみ"を考えるのであれば、美しい外観にかなりのコストが割かれているL52 Classic BGは"やや割高"とも考えられます。
"外観とブランドイメージ"を大切にお選びいただく、"おしゃれ"なスピーカーだと思いました。
評価:4309
4309は、私の"偏見"を覆すには至らず、"JBLあるある"の音質に終始しました。
中低域はまずまずなのですが、コストをかけてホーンを改良したにもかかわらず、STUDIO Seriesよりも高域の抜けが悪く、それがネットとなり楽器の響きの良さやヴォーカルのつややかさが芳しくありません。
その原因は、コンプレッション・ドライバーの形状をドームからリングにしたことで性能が上がり歪みが減少し、"振動板の響き=響きや艶やかさのサービス"が減ったためだと推測しますが、たとえばDALIはこの点をよく理解しているらしく、あえて柔らかな振動板が折れ曲がり運動(分割共振)を起こす大口径のテキスタイル型ツィーターを搭載することで広域の伸びやかさと艶やかさを生み出し、また楽器ライクな響きを発生する"ウッドファイバーコーン"を振動板に採用することで、独特な"有機的サウンド"を生み出しているのでしょう。
価格もそこそこ高い4309は、それが本当に自分の好みの合うのか?他のスピーカーも聞きながら慎重に選ぶべきでだと思います。私は、今回試聴したJBLの中ではSTUDIO 620が気に入りました。価格は安いですが、4309よりも音がよいと思います。

Wharfedale(ワーフェデール)

▼ SUPER DENTON
評価:SUPER DENTON
SUPER DENTONは今回試聴したスピーカの中で、唯一の3WAYブックシェルフです。このサイズとこの価格(コスト)で3WAYを採用するのはなかなか無謀なチャレンジです。なぜならば低域がそれほどでないブックシェルフ型では、高域と中低域ユニットのサイズがそれほど大きく離れていないため、あえて3WAYにしなくても"中域が薄くなる"という問題が発生しにくいからです。逆に3WAYを採用することで狭い帯域内での周波数の分割ポイントが増え、下手をすると"音のつながりが悪くなる"という問題が引き起こされます。

しかし、Super DENTONは、それを見事にバランスさせることに成功しています。
旧式然としたレトロなエンクロージャーの形状を取りながら「音の広がり(立体感)」は、驚くほど良好です。狭い帯域で3WAYを採用しながら、音のつながりも自然です。
見かけよりはずっと癖のない音質で、ジャンルを選ばず音楽を楽しむことができる使い易いスピーカーですが、3WAYという言葉から想像するほど2WAYに比べて音は細かくないので、なぜ「3WAYを採用したのか考えさせられる」という不思議なスピーカーでした。